健常者も障害者も“人間まるだし”、バリアフリー社会人サークルの500日に密着

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ドキュメンタリー「ラプソディ オブ colors」が5月29日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。

「ラプソディ オブ colors」キービジュアル

「ラプソディ オブ colors」キービジュアル

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バリアフリー社会人サークルとして活動し、大学教授の講義や音楽フェス、ただの飲み会など、毎月10本ものイベントを開催して年間800人を集客するcolors。頚椎損傷と脳の血腫による障害者であり、 DET(障害平等研修)のトップファシリテーターとして活躍する石川悧々が代表を務めている。本作では障害の有無を問わず、人々の社交場として機能しているcolorsに集う人々の500日が切り取られた。

監督を務めたのは、2016年に「kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~」を発表した佐藤隆之。佐藤はタクシードライバーとして働きながら個人でドキュメンタリーを制作し、「ラプソディ オブ colors」を完成させた。難病の百人一首シンガーの野望、脳性麻痺の元デリヘル嬢の性と介助の悩み、colorsが入居する建物の突然の取り壊しなどさまざまな人の物語を追う。キービジュアルには「問答無用、人間まるだしの狂騒曲!」とコピーが添えられた。

現在、予告編がYouTubeで公開中。また石川と佐藤によるコメントは下記に掲載した。

石川悧々 コメント

「生きてる意味はなんだろう?」と、誰しも一度は自問するだろうが、それは障害者の場合には自問だけではなく、赤の他人から言われたりもする。
健常者も障害者も「colors」の中で一緒になってゴチャゴチャと遊び、そして、その人たちの生活までも撮ったこの映画は、輝きと強さと、同時に非情な残酷さがあふれ出している。
「障害者を応援しよう」という映画を見慣れた皆さんには大変ショッキングな内容だが、それも含めて全部が現実だ。
そんな丸裸のリアルを目の当たりにしたら、皆さんの心は必ず震える。そしたら「生きてる意味」の謎がちょっとは解け、障害者にその問いかけをするってことが何なのか、解るかもしれない。
自分を楽しむことの天才と、生きてることへの意味付けの天才が、この映画の中に何人も出てくる。
それは思うよりも楽で簡単に出来ることなんだと、この映画を観て感じてもらえたならば、私も映画の中で全てを丸裸にされた甲斐がある。

佐藤隆之 コメント

撮影開始当初の旗印は【アンチ感動ポルノ】だった。障害当事者や深く関わる人達は皆それに賛同してくれた。ほとんどの人たちがいわゆる【感動物語】に仕立て上げられることに抵抗感を感じていたのだ。
しかし、撮影を進めるうちにそんな旗印は私の中で次第に薄らいできた。眼の前の現実があまりに面白く、また予想以上の展開になって、そして私自身がその波に飲み込まれていったから。
2年弱の撮影と約1年の編集作業は平坦な道のりではなかった。ある出演者は編集後になって出演を拒絶し連絡がとれなくなった。またある聾の人には意図や計画をうまく伝えることができず、悔しさと自責に苛まれた。完成した作品も劇場公開が決まるまでには紆余曲折があった。意図せぬままにすべてがあるがままに流れ、その波に乗れたのは幸運としか言いようがない。その幸運はこの映画を観る人にもきっと繋がっていくと思う。

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