「アイネクライネナハトムジーク」おとぎ話にはしない、今泉力哉らしさを燃え殻が語る

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アイネクライネナハトムジーク」のスペシャルトークショーが、9月2日に東京・ユーロライブにて開催され、監督の今泉力哉とゲストの燃え殻が登壇した。

左から今泉力哉、燃え殻。

左から今泉力哉、燃え殻。

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「アイネクライネナハトムジーク」本ポスタービジュアル

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伊坂幸太郎の小説をもとにした「アイネクライネナハトムジーク」は、“劇的な出会い”を待つ男・佐藤を主人公とするラブストーリー。三浦春馬が佐藤を、多部未華子がヒロインの紗季を演じた。

「退屈な日々にさようならを」のパンフレットにコラムを寄稿するなど、今泉とはかつてから交流のあった燃え殻。本作の感想を尋ねられると「岩井俊二さんの『Love Letter』とかウォン・カーウァイの『天使の涙』とか、今でも飲み屋で話す映画ってあって。『アイネクライネナハトムジーク』も、僕は10年くらい経っても渋谷の飲み屋で、多部未華子さんと三浦春馬さんのシーンの話をずっとすると思うんですよ。僕の中では、そういう作品がいい映画です」と話す。

左から今泉力哉、燃え殻。

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それを受け今泉は「多部さん(紗季)に気持ちを伝える大事なシーンで、三浦さんに『もっと多部さんに頼ったらやりやすいと思うよ』『もっと多部さんを使ってください』って話したんです。三浦さんならもっといけると思ったんですよね。三浦さんは取材のときにその話をしてくれて、今やっているドラマの現場でも相手と真摯にやらなきゃいけないと、気を付けるようになったと言ってくれていたんです」とエピソードを披露した。

伊坂の小説をすべて読み、映画化作品もすべて観てきたという燃え殻は「今泉さんが伊坂幸太郎さんの作品をやるとなったときに、どっちに振るんだろうなって思っていたんですよね。そんな中で『アイネクライネナハトムジーク』でも“絶対におとぎ話にしないぞ”という気概が感じられて、“今泉さんの映画”になっていたなと思いました」と語る。今泉は「映画って映画の中で終わらせることができるんです。でもこの作品に限らず、現実世界との地続きさが欲しいと思っています」とこだわりを明かす。

さらに今泉は、原作小説との違いについては「伊坂さんの小説って、小説でしかできない魅力的な言葉とか、キザで特徴的なセリフがあるので、現実世界で生身の人間が言うと浮いちゃうかもしれないと思いました。そこで、言う人を集約すれば、リアリティも保ちつつ伊坂さんの面白さも保てるんじゃないかと思ったんです」と説明。矢本悠馬演じる一真にだけはそういったセリフを言わせたそうで「ほかの人には言わせないと決めていくことで、映画を観終わったあとに(観客に)自分たちの話のように思わせられたら、と考えました」と続けた。

数多くの登場人物が出てくる本作について、燃え殻は「群像劇として平等だなって思いました。いろいろなウエイトはもちろんあると思うんですが、なんとなく愛が平等にある気がして」とコメント。今泉もそれに賛同し「主人公のために登場人物が存在しているとなると、ある種ファンタジーになるので、そうはしないように気を付けました」とうなずいた。

「アイネクライネナハトムジーク」は9月20日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

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(c)2019「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会

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