マゼランに仕えた奴隷描くフィリピン映画「500年の航海」公開、特集上映も開催

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「悪夢の香り」「虹のアルバム」で知られるフィリピンの作家キドラット・タヒミックの「500年の航海」が、2019年1月下旬に公開決定。あわせて特集上映が開催されることもわかった。

「500年の航海」ポスタービジュアル

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「500年の航海」

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タヒミックが35年の歳月をかけて完成させた本作は、マゼランに仕える奴隷エンリケが、不思議な力に導かれ、世界で初めて地球一周を成し遂げるという叙事詩。2015年の第65回ベルリン国際映画祭にて斬新な手法で意欲的なテーマを描いた作品に贈られるカリガリ賞を獲得している。国内でも第28回東京国際映画祭にて「お里帰り」のタイトルで上映。このたび劇場公開されるのは、再編集が施されたバージョンである。

「500年の航海」

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自らエンリケを演じるタヒミックは、家族や友人をキャスティングし1980年頃から映像を撮り続けていた。その後、息子たちの成長に伴い撮影は中断。しかし20年以上の時を経て、ヒゲを伸ばした次男カワヤンの姿がマゼランと重なり、彼が現代によみがえった輪廻転生の物語として映画の完成を目指すことになった。

「500年の航海」

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原題は「Balikbayan #1 ― Memories of Overdevelopment Redux VI」。ここに含まれる「Balikbayan(バリクバヤン)」はフィリピンにおいて、出稼ぎから故郷に戻ってきた人を表す言葉だ。「戻る」を意味する「バリク」と、「もともと住んでいた村や島、町」を指す「バヤン」という2つの単語から成り立っている。

特集ではベルリン国際映画祭で批評家連盟賞を受賞したデビュー作「悪夢の香り」をはじめ、息子の成長を記録した個人映像からフィリピン現代史を浮かび上がらせる「虹のアルバム」、日常生活に浸透した西洋的な身体観を見つめ直す「フィリピンふんどし 日本の夏」、埼玉県飯能市にある竹寺の魅力にとりつかれたタヒミックが監督した「竹寺モナムール」がラインナップに。そのほか1980年代に発表された「メイド・イン・ホンコン」「月でヨーヨー」「トゥルンバ祭り」の3作品が劇場初公開となる。

「500年の航海」は東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次ロードショー。「キドラット・タヒミック監督特集」も同劇場にて同時開催される。

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Takashi Mogi @BeerlaoBeerlao

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