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アジア初の長編アニメ「西遊記 鉄扇公主の巻」新千歳空港で上映、岡田秀則の講演も

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「西遊記 鉄扇公主の巻」

「西遊記 鉄扇公主の巻」

長編アニメーション「西遊記 鉄扇公主の巻」が本日11月3日、北海道・新千歳空港ターミナルビルで開催中の第4回 新千歳空港国際アニメーション映画祭にて上映された。

兄弟の万籟鳴と万古蟾が監督を務めた本作は、1941年に中国で公開されたアジア初の長編アニメーション。戦時中に日本でも公開され、持永只仁や手塚治虫という日本のアニメーションの礎を築いた人々に影響を与えた。

上映前には、東京国立近代美術館フィルムセンターの主任研究員・岡田秀則による講演を実施。岡田は「この作品は200人以上の作画スタッフによって制作されたものです。アニメーションという言葉もなく長編マンガと言われていた時代のもので、アジアのアニメーションの歴史においても記念碑的な作品であると言えます」と歴史的な意義を語っていく。

若き日の高畑勲に感銘を与えたことで知られる映画評論家・今村太平が本作を絶賛していたことに触れ「孫悟空や猪八戒が人間的な部分を持ちつつも、猿は猿の、豚は豚の動き、獣性といえる要素がよく出ているのが印象深いと述べています」とその内容を語る岡田。「孫悟空や猪八戒のメタモルフォーゼ、アニメーション独特の表現が自在で、当時の観客を喜ばせたことが予想されます」と述懐するとともに、今回のバージョンの上映時間がクレジットされている75分より短いのは戦争末期に映画の長さを短くしなくてはいけない規則ができたためである可能性が高いこと、そして物語の内容から検閲に引っかからずアメリカの占領下でも上映が行われたというエピソードを明かした。

また岡田は「国産ストップモーション動画史研究の深化に向けて 持永只仁展の経験から」と題された講演も実施。5月から9月にかけて東京・東京国立近代美術館フィルムセンターにて実施された展覧会「人形アニメーション作家 持永只仁」を振り返った。

第4回 新千歳空港国際アニメーション映画祭は11月5日まで開催。

(共催:東京国立近代美術館フィルムセンター)

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