「トリツカレ男」多言語での演技に佐野晶哉が苦戦、森川智之が「わかる！」と共感

アニメ映画「トリツカレ男」の公開記念舞台挨拶が本日11月18日に東京・新宿ピカデリーで開催され、主人公・ジュゼッペ役の佐野晶哉、ヒロイン・ペチカ役の上白石萌歌、タタン役の森川智之が登壇した。

公開後の反響をMCが紹介すると佐野は「めっちゃうれしいです！」と反応し、「アイドルはなかなか言わないですけど、エゴサーチしまくってます（笑）」と告白。「小さなお子さんからおじいちゃんやおばあちゃんまで、いろんな年齢の方に届いているようで、本当に幸せです」と話すと、上白石も「私も検索女になってます。想像以上にたくさんの方の心に届いている感じがしています」と続けた。

ペチカの行方不明の婚約者・タタンに話が及ぶと、タタン役を務めた森川がサプライズで登場。壇上に上がり「公開して2週間ほど経ちましたが、このタイミングで舞台挨拶に呼んでいただくのは初めてかもしれません。これも皆さんが劇場に足を運び、作品を広めてくださったおかげです。ありがとうございます」と挨拶した。また森川は、複数の言語で話すシーンで苦戦したと言う佐野に「わかる！」と共感。長年吹き替えを担当するトム・クルーズの出演作品でさまざまな言語を話すシーンがあったと明かし、「アフレコが不安になるんですよね」と同調した。

対する佐野は森川とともにアフレコしたある場面を挙げ、「森川さんの長セリフのあとに僕が一言だけ話すシーンがあって、めちゃくちゃ緊張しました！絶対に噛んじゃいけないと思って、めっちゃ怖かったんですよ」と苦笑い。「でも感動しました。プロの大ベテランのレジェンド声優である森川さんの姿を現場で見れるって……震えました。本当に感動しっぱなしでしたよ」と笑顔で話した。

互いにリスペクトを送り合う佐野と森川を見て、上白石も森川との共演シーンを回想。「ペチカとタタン先生が窓越しに再会するシーンがあるんですが、私は森川さんと一緒に録ってないんですね。その状況が、1枚のガラスで隔てられている2人の状況に重なるなと感じて、私なりに彼女の気持ちを膨らませて演じました。会えた喜びと切なさ……すごく心に残っているシーンです」と紹介する。これに森川は「一度観た方はわかると思いますが、涙腺が緩むところ」、佐野は「名シーンですね」と語った。

また年末に差し掛かる時期であるとして、登壇者それぞれの“今年の漢字”を発表。佐野は音楽活動にも力を入れたということで「楽」、麻辣湯を週に2度は食べるほどハマったと言う上白石は「辣」を選んだ。そして森川が、12月に声優活動40周年を迎えるため「祝」を選んだとコメントすると、佐野と上白石、さらに会場から大きな拍手が贈られた。

舞台挨拶の最後にはジュゼッペの相棒、ハツカネズミのシエロをモチーフにしたアートバルーン作りに3人がチャレンジ。その後、佐野が壇上に運び込まれたスパークバルーンを割って「トリツカレ男」のさらなるヒットを祈願し、イベントを締めくくった。

「トリツカレ男」は、何かに夢中になるとほかのことが目に入らなくなってしまう“トリツカレ男”ことジュゼッペと、彼が一目惚れした風船売りの少女・ペチカのラブストーリー。髙橋渉が監督を務めた。11月7日より上映されている。

なおナタリーでは、公開を記念した特集企画を音楽、映画、コミックの3ジャンルで展開。コミックナタリーでは「トリツカレ男」の公開記念特番でMCを務めた東京ホテイソンの2人に、映画の魅力や、以前から親交のある佐野とのエピソードを語ってもらった。

アニメ映画「トリツカレ男」

公開中

スタッフ

原作：いしいしんじ「トリツカレ男」（新潮文庫刊）
監督：髙橋渉
脚本：三浦直之
キャラクターデザイン：荒川眞嗣
レイアウト：三原三千夫
美術監督：秋山健太郎
色彩設計：広瀬いづみ
撮影監督：関谷能弘
編集：中葉由美子
音響監督：山田陽
音響効果：野崎博樹、小林亜依里
音楽：atagi（Awesome City Club）
劇伴：波立裕矢、未知瑠
音楽プロデューサー：北原京子
アニメーション制作：シンエイ動画
製作：2025映画「トリツカレ男」製作委員会
配給：バンダイナムコフィルムワークス

キャスト

ジュゼッペ：佐野晶哉（Aぇ! group）
ペチカ：上白石萌歌
シエロ：柿澤勇人
ツイスト親分：山本高広
サルサ親分：川田紳司
ペチカの母：水樹奈々
タタン：森川智之