5月23日に公開される映画「岸辺露伴は動かない」の原作は、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズに登場するマンガ家・岸辺露伴の、取材先で見聞きした奇妙な体験を描く連作読み切り。映画では、そのシリーズ1作目となる「懺悔室」にオリジナルエピソードを加えた物語が描かれる。
冒頭の挨拶では、まず5人がそれぞれ映画の注目してほしいシーンを説明。高橋は「やっぱりポップコーンバトル……からの後半のバトルですね。原作にはない部分も白熱しています」と語り、飯豊は映画のテーマでもある「幸せ」についてのシーンが印象的だったと明かす。「泉くんが自分の意見を言葉にする場面があります。彼女の持つ明るさと、裏にある邪悪さに演じながら驚かされました。それぞれのキャラクターの幸せの形にも注目していただけたら」と、演技を振り返った。
戸次は「私がどこに出ているのか、注目してもらいたい」と、浮浪者のソトバ役として別人のようなメイクをして挑んでいると述べ、「言われなければ、絶対に私が出てるかわからない、そんな扮装」と力説する。また原作の大ファンだという井浦は「こうして作品ができて、皆さんに届けられることが自分の中ではまだ信じられない」と述べながら、「みんながみんな、愛と敬意をもって映画を作ろうという熱い思いと高い志がある現場だった」と感慨深げに振り返る。また「この大きなスクリーンでベネチアを旅したような気分になれるんじゃないかなと思っています」と見どころも語った。
「半年前なんですけど、昨日のような気もするし3年前のような気もする不思議な気持ち」と振り返ったのは渡辺監督。「見どころは全部」としながらもラストシーンがとても好きだと述べ「映画はその瞬間にしか撮れないシーンを切り取っていく作業なんですけど、特にラストシーンは、あの日のあの時間帯でしか撮れないものを一発本番で、しかも一生さんがアドリブをぶっこみながら撮ったのが露伴らしいなと」と、印象深かった思い出を明かした。
5年間続いてきた実写版の「岸辺露伴」シリーズに、新たに参加することになった戸次、井浦について、高橋は「5年前からずっと一緒にいたんじゃないかというおふたり」と絶賛。「見事に世界観に馴染んでいて、作品がお好きということもありますが、何よりおふたりの技量がそうさせているんだと思うと、感動しながら撮影していた気がします」と振り返る。また飯豊は「戸次さんとは何度か共演させていただいておりますが、毎回まったく異なる役を演じてらして、幅の広さに驚かされています。まるでマンガの世界から飛び出してきたような説得力があって感動しましたし、驚きました」と、戸次の演技を称え、初共演となった井浦については「ものすごいジョジョ愛がある。命をかけて作品に向き合っているって感じてうれしかったです」と、2人との共演には大きな力をもらったと述べた。
そんな2人の言葉を受け、戸次は「私も負けず劣らずのオタクで。今回のお話はうれしくもあると同時にすごいプレッシャーも感じました。久々に」と本音を吐露しながらも、「でもやっぱりうれしさのほうが勝ったかな」と笑顔を浮かべる。一方の井浦も「ご褒美だなと思いながらも、浮かれていられないなと」と、喜びとプレッシャーがあったと述べる。「5年育ってきた一座に入って、自分は俳優としてどうすべきか模索した」と、最初は悩みがあった述べる井浦だったが、最初の本読みのときから受け入れてくれるムードがあり、「素晴らしい座組の中でやらせてもらってるのが、最終的には幸せを感じて。本当に温かいチームでした」と、いいキャスト・スタッフが揃う現場だったと力強く述べた。
さらにイベント後半には、原作の荒木からのコメントを高橋が代読する場面も。「『短編』だった作品が、『岸辺露伴』がそうやって広がっていくことがとても感慨深いです。旅情豊かで、人生があって、香り高い宝石のような第一級のサスペンス作品。私たちの目指すところはそこだからです。」という荒木のコメントを読み上げた高橋は、「原作者である飛呂彦さんが映画に文章を寄せてくださるということが、結実点なんじゃないかなと思っております。非常に感動しますし、それにしっかりと答える強度がある作品になっているはずだと思いました」と、自信をのぞかせる。さらに登壇者にもサプライズとして、額縁に入った荒木の描き下ろしイラストが届けられると、その場にいた全員がイラストに釘付けになっていた。
最後の挨拶で高橋は「確実に相互関係というのがあって。チームとして作品を作っていて、その相互関係がない限りここまで作品が長く続くことはありえないと思ってます。この恵まれた5年間の奇跡と幸運を、幸運として受け止めるだけでなく、皆さまと分かち合うことで、絶望しなくなるんだと思ってます」と、これから映画を観る観客に投げかける。そして「これまでの映画とはちょっと違う、異端さ、面白さを皆さんがつないでいってくださったら。どうぞベネチアの世界に、飛呂彦さんの世界に、チームが作り出した作劇に酔いしれていただけたらと思います」と語り、イベントを締めくくった。
「岸辺露伴は動かない 懺悔室」
2025年5月23日(金)ロードショー
スタッフ
原作:
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
製作:「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会
制作プロダクション: NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
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