ロトスコープ用いた映画「化け猫あんずちゃん」久野遥子監督の“こだわりポイント”は

いましろたかし原作によるアニメ映画「化け猫あんずちゃん」より、閻魔大王、貧乏神、カエルちゃん、たぬきの新たな場面カットが到着した。各カットには久野遥子監督による“こだわりポイント”も綴られている。

実写の映像をアニメーション化するロトスコープという手法を用いて制作された「化け猫あんずちゃん」。久野監督は映画オリジナルキャラクター・閻魔大王について、キャラクターと同じ閻魔大王の衣装を身に纏い、凄みのある演技を見せつけたキャストの宇野祥平の影響は大きかったと明かし「閻魔大王ということで初めはいかにもなデザインで考えていたのですが、宇野さんの静かで怖いお芝居が活かせるよう宇野さんの顔の印象に寄せる方向で考え直しました」とコメントした。またあんずと運命をかけた勝負を行う貧乏神は、キャストの水澤紳吾が実際にふんどし一丁で現場を歩く様を見て、「猛暑の撮影現場でふんどし一丁で歩く水澤さんはあまりに貧乏神そのものでしたので、大切に作画しようと心に決めました」と語っている。

“自称大妖怪”のカエルちゃんを演じるのは吉岡睦雄。久野監督は「吉岡さんの演じるカエルちゃんには原作漫画からそのまま出てきたようなキュートさと同じくらいのリアルさがあり、作画スタッフ一同癒されながら描いていました」と綴る。またカエルちゃんの知り合いのたぬき役・澤部渡（スカート）を見て、「澤部さん演じるたぬきはポーカーフェイスながらにどこか優しい気質が感じられ、それが動きの柔らかさにも出ていたように思います」とこだわりを明かした。

「化け猫あんずちゃん」は7月19日に全国公開。37歳の化け猫・あんずと少女・かりんの不思議でおかしなひと夏の物語を描く。あんずの声と動きは森山未來が務める。

久野遥子監督こだわりポイント

閻魔大王

閻魔大王ということで初めはいかにもなデザインで考えていたのですが、宇野さんの静かで怖いお芝居が活かせるよう宇野さんの顔の印象に寄せる方向で考え直しました。髭についた２つの小さなリボンは唯一の茶目っ気です。

貧乏神

猛暑の撮影現場でふんどし一丁で歩く水澤さんはあまりに貧乏神そのものでしたので、大切に作画しようと心に決めました。少ない髪の毛、ひげ、すね毛…と毛が印象的なキャラですがたまにチラ見えする鼻毛にもご注目を！

カエルちゃん

吉岡さんの演じるカエルちゃんには原作漫画からそのまま出てきたようなキュートさと同じくらいのリアルさがあり、作画スタッフ一同癒されながら描いていました。意外と喜怒哀楽が豊かなカエルちゃん、その表情も楽しんでほしいです。

たぬき

原作漫画ではちょっとあんずに冷たいたぬきですが、澤部さん演じるたぬきはポーカーフェイスながらにどこか優しい気質が感じられ、それが動きの柔らかさにも出ていたように思います。