「ガンダムSEED FREEDOM」はファンを楽しませる作品、初回上映で福田監督が思い明かす

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本日1月26日に公開を迎えた「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーショーが、深夜の初回上映にて行われた。会場となった東京・新宿ピカデリーには、福田己津央監督、仲寿和プロデューサー登壇。新作を心待ちにしていたファンをトークで楽しませた。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開初日・初回スタッフトーク上映会の様子。左からMCの吉田尚記、福田己津央監督、仲寿和プロデューサー。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開初日・初回スタッフトーク上映会の様子。左からMCの吉田尚記、福田己津央監督、仲寿和プロデューサー。

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福田己津央監督

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約20年の年月を経て、ついに公開日を迎えた「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」を最速で観ようと駆けつけた満員の観客に、大きな拍手で迎えられた福田監督と、仲プロデューサー。イベントでは上映後も2人のトークが楽しめるということで、これから映画を鑑賞するファンへ、まずは一言が贈られる。福田監督は「この作品を見てくださる方の顔を思い浮かべながら、ずっと作品を作ってきました。“歴史に残る作品を作ろう”ということではなく『皆さんが楽しんでくれる作品を作りたい』それだけを目指してきました」と、ファンを思って制作された作品だと話す。仲プロデューサーも「完成したものをお客様に観てもらった後、どういう反応をされるのかドキドキしながら日々過ごしてきましたので、ようやく“スッキリできる”という気持ちがあります。でも、やっぱりドキドキもしますので、皆さんの反応を楽しみにしています」と心境を明かした。

また福田監督が「この作品を観るために、劇場に何度も足を運んでいただきたい。そして、皆さんが面白かったと言ってくださることを期待します。……皆さんも大人ですよね?」と笑いを誘う場面も。2人を大きな拍手で送り出し、初回上映がついに幕を開けた。

124分の本編の上映が終了し、会場からは大きな拍手が響く中、福田監督と仲プロデューサーが再登壇。熱狂冷めやらぬ歓声に迎えられ、トークイベントがスタートした。

仲寿和プロデューサー

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MCから今の心境を問われると、監督は「よかったでしょうか……?」と会場に不安そうに聞きつつ、「自分が笑わせようと作ったポイントで客席から笑い声が聞こえなかったらどうしようかと思っていました」と率直な気持ちを述べる。監督のこの言葉に、会場からは大きな笑い声が上がった。仲プロデューサーは「今、ステージに戻って来たときに客席から『サイコー』『面白かった』と言ってくれて、本当にうれしく思うとともに、ほっとしました」と会場の熱気を前に笑顔をこぼす。観客と一緒に上映を観ていた監督は、間近に感じたリアルな観客の反応について、「お客さんが笑ってくれることがとてもうれしかったです。当然嫌な気持ちにするために作っているわけではないので、皆さんに笑ってもらえて、面白かったよ、と聞けるのが一番です」と話した。

映画化の発表がされてから公開に至るまでにの苦労について問われると、福田監督は「(制作スタッフより)プレゼン映像を見せられたときに、『SEEDっぽくない』と戻したことがありました。矛盾しているけど、自分は『これがSEEDだ』と思われないように、型にはまらないように、平井さん、重田さんともこだわってもきました」と考えを述べる。仲プロデューサーは監督の言葉を受け、「制作スタッフは、自分も含めて学生時代に『SEEDシリーズ』を見ていたという世代が多く、正直『SEED』っぽさの型にはまっていました。それも含め、監督の追い求めるものを掴むためのコミュニケーションの構築に1年くらいかかってしまいました」と苦労を振り返った。

上映後ということで、本編の内容についての話題も。キラとラクスの印象深いシーンがたくさん描かれたことに触れながら、福田監督は「彼らのセリフがストレートな表現になっていた点は、皆さんが面白がってくれたらよかったのですが、TVシリーズの『SEED』を思い出すと、こういうのじゃなかったかな?と迷う面もあり、葛藤しながら作りました」と、制作秘話を明かす。また、キラとラクスだけでなく、他キャラクターの活躍について仲プロデューサーは「『SEEDシリーズ』の魅力はキャラクターの言葉が感情的な点だと思います。アグネスとルナマリアのシーンでも『あの状況で話す内容がそれ!?』という印象も受けましたが、それもSEEDらしいですよね」と、劇中のシーンについても触れた。さらに、アクションシーンについても「3Dのモビルスーツの戦闘シーンはかなりの物量になりました。これは初めての数で、その戦闘シーンをお客さんに楽しんでいただければ幸いです」仲プロデューサーが、こだわりのシーンに自信を見せていた。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開初日・初回スタッフトーク上映会の様子

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開初日・初回スタッフトーク上映会の様子[拡大]

さらにイベントでは、挿入歌「望郷」を中島美嘉が務めていることが明らかに。同楽曲は、主題歌「FREEDOM」に続き、作詞・作曲・編曲を小室哲哉が手がけていることを伝えられると、会場は驚きの拍手に包まれる。TVシリーズに参加した西川貴教、See-Saw、中島らが集結した楽曲ラインナップについて、福田監督は「音楽の力というのは大きいですよね。特に西川さんは公私ともに長い期間本当に『ガンダムSEEDシリーズ』を応援してくださっていました」と西川に感謝を述べつつ、「小室さんとはじめてお話しさせてもらったとき、今回の作品のテーマにすごく共感してくれたんですよ。数日たったら小室さんが『もう一曲作りたい』とおっしゃってくれて、挿入歌が上がってきました」と驚きの裏話を明かす。仲プロデューサーも「びっくりしちゃいましたよね。これ本当の話ですよ」と楽曲決定に関する思い出を振り返った。

左から福田己津央監督、仲寿和プロデューサー。

左から福田己津央監督、仲寿和プロデューサー。[拡大]

会場のファンによる質問会も開催されるなど、興奮冷めやらぬままイベントは深夜3時を過ぎまで続けられた。最後は代表して福田監督が「およそ20年間、たくさんのファンに支えてもらっただけでもうれしいですが、さらに『SEED』を見たいという声が上がることが何よりもうれしいことです」とファンへ熱いメッセージを送り、イベントを締めくくった。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は、C.E.75を舞台に、ラクスを総裁として創設された世界平和監視機構・コンパス、新興国ファウンデーション、ブルーコスモスらによる戦いを描いた物語。監督の福田や、保志総一朗田中理恵石田彰鈴村健一らTVシリーズのスタッフ、キャストが引き続き多数参加している。

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「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」

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スタッフ

企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:福田己津央
脚本:両澤千晶、後藤リウ、福田己津央
キャラクターデザイン:平井久司
メカニカルデザイン:大河原邦男、山根公利、宮武一貴、阿久津潤一、新谷学、禅芝、射尾卓弥、大河広行
メカニカルアニメーションディレクター:重田智
色彩設計:長尾朱美
美術監督:池田繁美、丸山由紀子
CGディレクター:佐藤光裕、櫛田健介、藤江智洋
モニターワークス:田村あず紗、影山慈郎
撮影監督:葛山剛士、豊岡茂紀
編集:野尻由紀子
音響監督:藤野貞義
音楽:佐橋俊彦
製作:バンダイナムコフィルムワークス
配給:バンダイナムコフィルムワークス、松竹

キャスト

キラ・ヤマト:保志総一朗
ラクス・クライン:田中理恵
アスラン・ザラ:石田彰
カガリ・ユラ・アスハ:森なな子
シン・アスカ:鈴村健一
ルナマリア・ホーク:坂本真綾
メイリン・ホーク:折笠富美子
マリュー・ラミアス:三石琴乃
ムウ・ラ・フラガ:子安武人
イザーク・ジュール:関智一
ディアッカ・エルスマン:笹沼晃
アグネス・ギーベンラート:桑島法子
トーヤ・マシマ:佐倉綾音
アレクセレイ・コノエ:大塚芳忠
アルバート・ハインライン:福山潤
ヒルダ・ハーケン:根谷美智子
ヘルベルト・フォン・ラインハルト:楠大典
マーズ・シメオン:諏訪部順一
アウラ・マハ・ハイバル:田村ゆかり
オルフェ・ラム・タオ:下野紘
シュラ・サーペンタイン:中村悠一
イングリット・トラドール:上坂すみれ
リデラード・トラドール:福圓美里
ダニエル・ハルパー:松岡禎丞
リュー・シェンチアン:利根健太朗
グリフィン・アルバレスト:森崎ウィン

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(c)創通・サンライズ

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