「幾多の北」は、山村が月刊誌・文學界(文藝春秋)の表紙のために2012年から2014年にかけて毎号描いていたイラストと、それに付随するテキストをアニメーションに発展させた初の長編作品。東日本大震災後に自身が感じた不安や苦悩を、オランダの前衛ジャズミュージシャン・ウィレム・ブロイカーの音楽に乗せて、断片的なイメージや書かれた言葉で表現しいる。5月に行われた第61回アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コントルシャン部門でクリスタルを、9月に第46回オタワ国際アニメーション映画祭の長編部門でグランプリを受賞するなど、国内外で8つの賞に輝いた。
そして「幾多の北」に加え、墨絵のかわいい動物たちが歌に合わせてコミカルに動く「ホッキョクグマすっごくひま」、山村が若い作家たちをプロデュースした「骨噛み」と「ミニミニポッケの大きな庭で」という3つの新作短編も同時上映。これら3作品も国内外の映画祭で多くの受賞を果たしている。上映期間中は、監督たちのトークショーも開催予定だ。
また劇場公開に先がけ、12月24日より山村監督の1985年から2019年までの28作品を、「I」「II」「III」3つの作品集に分け、Prime Video内「シネフィルWOWOWプラス」チャンネルで配信開始。「ひゃっかずかん」「カヨとピヨブプト」「頭山」「年をとった鰐」「ゆめみのえ」といった作品が配信される。さらに上映を記念した原画展も開催。1月20日から3月25日まで、東京・オープラクシノスコープで実施される。
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