「迷宮物語」トークイベント、大友克洋が「工事中止命令」と「AKIRA」の制作秘話語る

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11月19日より行われている「角川映画祭」の一環として、「<角川映画祭>『迷宮物語』公開記念トークイベント」が本日11月28日に東京・EJアニメシアター新宿で開催。「迷宮物語」の一編「工事中止命令」の監督を務めた大友克洋が登壇した。

大友克洋

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オムニバス映画「迷宮物語」のキービジュアル。(c)KADOKAWA1986

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「角川映画祭」は角川映画の45年記念企画で、市川崑が監督を手がけた「犬神家の一族」の4Kデジタル修復版など、全31作品を劇場上映するイベント。東京・テアトル新宿、EJアニメシアター新宿ほかにて順次開催中だ。映画「迷宮物語」は大友監督「工事中止命令」、りんたろう監督「ラビリンス・ラビリントス」、川尻善昭監督「走る男」の3作品からなるオムニバスアニメで、1987年に公開された。大友監督の短編アニメーション初監督作となる「工事中止命令」では、ロボットに囲まれた工事現場を任された男が、身も心も追い詰められる様子が描かれる。

大友克洋

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イベントではまず、「工事中止命令」を制作したきっかけについて質問が飛ぶ。大友監督は「元マッドハウスの丸山正雄さん(現MAPPAの代表取締役会長)から、眉村卓さん原作の「迷宮物語」のフェアをやっているから短編を1本作ってみないかとお声がけいただいて。15分くらいの作品だったらできるんじゃないかと、二つ返事でお答えしました。その頃はまだアニメーションに詳しくなかったんで、森本(晃司)くんやなかむら(たかし)くんに教えてもらいながら、作りましたね」と振り返り、「実は同時に『AKIRA』も隔週連載していたんですよ。あのときは1週間で『AKIRA』を描いて、その後徹夜明けでマッドハウスに向かっていました。現場では絵コンテやレイアウトもたくさん描かせてもらって。新しいことを覚えるのが本当に楽しかったんです」と打ち明けた。

「迷宮物語」の一編「工事中止命令」の場面カット。(c)KADOKAWA1986

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制作当時はパイプと廃墟に萌えていたという大友監督。「工事中止命令」にもパイプが多く登場するが、背景原図も手がけていたのか尋ねられると、「(背景)原図も描いていました。制作が終わった後に『原画はどこに行ったの』と聞いたら、『1枚も残っていないです』って言われて(笑)。まんだらけで売られているのかな。昔はそういうゆるい空気でしたから」と過去のエピソードを語り、笑いを誘った。また大友監督のアニメ、マンガのルーツについては、「小学生の頃に『鉄人28号』や『エイトマン』、『ビックX』が流行りだして観ていました。その次にマンガを読み始めたんですけど、ちょうど週刊少年マガジンや週刊少年サンデーが刊行されて、マンガが流行りだして。『工事中止命令』もアニメーションが隆盛していった80年代に作られた作品ですし、いつもそういう流行の波に乗っていた気がします」と語った。また影響を受けたアニメ作品に「西遊記」を挙げ、「『西遊記』に小鬼のキャラクターが出てくるんですけど、小鬼が『AKIRA』の原作に登場するアキラのモデルなんですよ。2巻か3巻だったかな。そのときのアキラの表情は、小鬼を思い出しながら描いてましたね」と、「AKIRA」の裏話も披露した。

左から司会を務めたアニメ研究家の氷川竜介、大友克洋。

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「ワールド・アパートメント・ホラー」や「蟲師」といった実写映画も手がけている大友監督は、実写映画とアニメーション映画の制作の違いについて聞かれると、「アニメはイチから自分で作れるけど、実写映画は分担作業じゃないですか。いろんなものが頭の中でイメージできてしまうので、思い通りにならないという現実とのギャップが難しいですね。ただアニメはどこにでも自分の色が出てくるので、作る前にどれくらい勉強しているかとか、どれくらい世界に目を向けているかが重要になってくる。そんなに引き出しはないので、厳しい中でやりくりしながらやっています」と返した。最後にファンへのメッセージを求められると、「僕からのメッセージなんて、とんでもないです。皆さん、楽しんでいただければ」とかしこまる大友監督。そんな監督に向け、会場から拍手が送られる。それを受けて大友監督は、「いろいろ準備はしているので、いつか新しい作品について発表できれば」と言い、イベントは締めくくられた。

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