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魔夜峰央、パタリロ!100巻&40周年イベントで「目標は200巻。あと40年待って」

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左から柳原哲也(アメリカザリガニ)、魔夜峰央、加藤諒。

左から柳原哲也(アメリカザリガニ)、魔夜峰央、加藤諒。

魔夜峰央「パタリロ!」の40周年と単行本100巻到達を記念したトークイベント「魔夜会」が、去る12月1日に東京の池袋コミュニティ・カレッジにて開催された。

イベントには「パタリロ!」のファン100名が参加。魔夜ファンであるMC・柳原哲也(アメリカザリガニ)の呼びかけで魔夜が会場に登場すると、大きな拍手が巻き起こる。開口一番、魔夜は「100巻に届くまで40年かかった。次の目標は200巻。あと40年待ってください」と飄々と挨拶し、場を温めた。

会場のスクリーンには「パタリロ!」がスタートした1978年から今年2018年までの40年を紹介する年表が映し出される。魔夜は「パタリロ!」の記念すべき第1話「美少年殺し」について「花とゆめで1本描いてほしいと言われて描いてみたんですが、このときは反響も何もなく」と淡々と語る。そして「半年後くらいに『今度は前後編で』と言われまして、前回脇役だったパタリロを主人公にして描いてみました。前後編60枚を、1カ月で描くことになって。しかもアシスタントなしで。今考えると大変無謀な行為だったんですが、1日3時間くらいしか眠れなくて最後のほうは目がかすんできて、夜に空を見ると星が点じゃなくて縦線に見えた」と「墓に咲くバラ」の執筆エピソードを披露。「この『墓に咲くバラ』で初めて『パタリロ!』が認知されて割と評判になって。そこからですよね」とご長寿マンガ「パタリロ!」の始まりを明かした。

1982年にTVアニメ化も果たしている「パタリロ!」。魔夜は「『パタリロ!』は関西のほうが認知されていて。アニメの本放送があったとき、視聴率は関東では8%だったんですが、関西では20%。西は再放送もものすごく多いんですよ。関西の人は笑いを求める意欲がすごいんだな、と」と東西で人気に違いがあったことを話す。「アニメには全くタッチしていなくて、完全にいち視聴者として観てましたが、アニメの最初に『ヒースロー空港』って文字で出てきたときびっくりしました。なんで?テレビで音が使えるんだからせめてナレーション……」と不思議そうな顔をするも、「あとで聞いたら東映(動画)の非常に優秀なスタッフが力を合わせて作ったと。おかげさまで1年以上続きましたけどね」と感謝を述べた。

年表には魔夜のプライベートな出来事も記されており、1984年の欄には「魔夜先生、芳実夫人と結婚」の文字が。「当時、私のファンクラブがございまして、彼女(芳実夫人)はほかのファンクラブの会長をやっていたんです。うちのファンクラブとも交流があって、そこで私が目をつけたといいますか」と馴れ初めを明かす。また自作の内容を覚えていないことに定評のある魔夜に向け、「パタリロ!」に関するクイズも。「コミックス25巻の表紙はあるエピソードのものが使われました。どの回のものだったでしょう?」という3択問題が出されると、魔夜は間髪入れず「これはもうはっきりしています」とキリッとした表情。続いて「全く覚えていません」と自信満々に答え、観客の笑いを誘った。MCの柳原が「勘でもいいので……」と言うと、魔夜は何かを計算するように指を動かし、「1の『インビテーション』」と回答。しかし、答えは2の「ハプニング」だった。

1992年の欄には「魔夜先生、突如倒れて意識不明に」と衝撃の一文が登場。「40歳のときでした。髄膜炎という病気で。それが第1回目の大病です」と不穏な発言のあと、「病気というほどの病気はしていないんですが、一昨年倒れまして。飲みすぎという病気で。毎日毎日、何年も続けてまずウイスキーのボトル1本は確実に飲みまして」と話すと、来場者たちは心配そうな顔つきに。魔夜は「それ以降はお酒をずいぶん控えるようになりました。やめてはいないんですが」と続けた。そしてトークは、美内すずえの話題に。魔夜は「(美内は)うちの仲人ですから」と、プライベートでも仲が良いことを明かした。

来場者からの質問に魔夜が答えるコーナーも。香川から来たというファンからの「うどんは好きですか?」という問いに、魔夜は「基本的には大好きです」と含みのある答え。「デビューしたのは20歳のときなんですけど、一旦デビューしたら仕事がどんどん来るもんだと思って鷹揚に構えていたんだけど来るわけがない。自分で描いて持ち込むなり投稿するなりしないといけないのにしなかったものだから、仕事が来なくて。自分で描くんだけどもどんどん落ち込んでいって、本当のスランプっていうのはあれが一番大きいスランプだった。ドスランプってやつ。21、22くらいの頃かな。マンガ家になるのを諦めようか、それこそ生きるか死ぬかくらいのところまで追い詰められてたんです。その追い詰められてたのが冬の新潟。外は吹雪。夜食は毎日カップうどん。その思い出があるから、スランプを脱してからもしばらく……10年くらいカップうどんは食べられなかった。それ以外はうどんは好きです」と思い出を語った。

ここで「パタリロ!」の舞台や2019年に公開される実写映画でパタリロ役を務めている加藤諒が登場。「このたびは『パタリロ!』40周年、そして100巻おめでとうございます! 僕がパタリロを演じるにあたり、マンガを読ませていただいたりとかしてパタリロになるにはどうしたらいいかを考えていたんですけど。パタリロって本当にパワフルで、天才で、ずっとテンション高いし、でもみんなのことを思っていて、というところを表現するのがすごく大変だったんですけど本当に快感で楽しかったんです。そんなパタリロを生んでくれたミーちゃん先生に本当に感謝しております」と魔夜に言葉を贈った。魔夜は「皆さんご承知の通り、この人しかパタリロはできません! 今までも実写の話はあったんですけど、結局パタリロがいない。でも諒くんが出てきた」と加藤を絶賛する。

また加藤が「映画の予告編を持ってきました」と言うと、来場者からは歓喜の声が。加藤も魔夜も初めて鑑賞するという予告編が流れ、パロディ満載の映像や魔夜一家の登場シーンなどところどころ爆笑が沸き起こった。加藤は「白組さんがCGを担当しているから、本当にすごいんです!」とアピール。どのような予告編に仕上がっているのかは、一般公開までお楽しみに。

最後の挨拶で魔夜は「一昨年くらいまでどんどん絵が描けなくなって。要するに(暴飲で)肝臓が悪いから集中力がないんですよ。気力も衰えるし目も悪くなるし。細いまつげが描けなくて。そうすると美形が描けない。今は元気になってまつげもある程度描けるようになって、また美形を描こうかなという意欲が湧いてきて。これからどんどん出しますよ」と意気込む。このうれしいメッセージに、ファンからは拍手が巻き起こり、盛況のうちにイベントは終了した。

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