「ガンダムNT」主役の榎木淳弥「“組体操”は作品のテーマに沿っている」と賞賛

11月30日に公開されるアニメ「機動戦士ガンダムNT（ナラティブ）」の公開目前イベントが、本日10月16日、東京・Zepp DiverCity TOKYOで開催された。

この「機動戦士ガンダムNT 公開目前イベント ～PRELUDE TO NARRATIVE～」にはヨナ・バシュタ役の榎木淳弥、ミシェル・ルオ役の村中知、リタ・ベルナル役の松浦愛弓に加え、音楽を担当する澤野弘之、脚本を担当する福井晴敏、プロデューサーを務める小形尚弘らが出演。本編冒頭20分強の上映やトーク、ライブで作品への期待を高めた。

上映された本編映像について、キャスト陣は絶賛のコメントを連発する。村中が「ミシェルが『今』って言ってから音楽が入るところで身の毛がよだつというか、ゾクッとした。命を賭けて戦わねばという気になる」と語ると、松浦は「絵がとてもきれい」「20分間があっという間だった」と素直な感想を漏らす。榎木も効果音などに触れた上で「満足度が高い」と振り返ると、小形が「ここまでがサンライズのフルパワー」と意味深な発言。これは上映されたシーンから先はまだ制作中であるためで、福井は「『続きを早く観たい』と言われると胸が痛い」「最近は（公開日の）11月30日の3日前くらいに、降伏宣言が出される夢を見る」と冗談混じりに制作現場の奮闘ぶりを匂わせた。

モビルスーツの話題では、榎木が「（ナラティブガンダムがA装備で）突進する際のGが強いので、それが伝わることを意識した」とこだわりを明かしつつ、過去に乗った絶叫マシーンを振り返りイメージトレーニングをしてからアフレコに臨んだところ、立ちくらみになったエピソードを紹介。またリタが搭乗するユニコーンガンダム3号機フェネクスの飛行速度に話が及ぶと、福井は「（すごいスピードで飛ぶので）効果音には（『蒼き流星SPTレイズナー』の）V-MAXの音を付けていただいた」と打ち明け、会場のロボットアニメファンを笑わせた。

「『機動戦士ガンダムUC』以降の宇宙世紀作品に澤野さんは欠かせない。澤野さんの音楽が8、そのほかが2くらい」と小形に紹介された澤野は、本作の音楽が吉沢監督からのオーダーで、前作よりデジタル色を強めていると説明する。その方向性について、福井は「『機動戦士ガンダムNT』はメロドラマなところがあるので、前作のようにオーケストラな音楽を付けるとしっとりしてしまう。今回のテイストでちょうどいい塩梅」とコメントする。

また新規PVと共にテーマソング「narrative」でLiSAとコラボレーションすることが発表されると、澤野は「光栄な機会をいただいた」と神妙に語る。そのLiSAはビデオメッセージで「今回の曲は儚いながらも壮大なバラードになっています。劇場で作品と共にお楽しみください」とコメントを寄せていた。

ライブコーナー前の最後の挨拶で、榎木は8月に公開されたキービジュアルで描かれ“組体操”として話題になったポーズに触れ、「面白い感じに見えますけど、僕は作品のテーマに沿っていると思っています。キャラクターが願いや思いに向かって手を伸ばしていて、それぞれ見ている方向は違うけど、思いが絡まりあって1つの物語になっている」と自身の解釈を明かした。続く澤野が率いるバンドによるライブでは、3人の歌い手と共に実物大ユニコーンガンダム立像のテーマソング「Cage」やメインテーマ「Vigilante」など4曲が披露された。

「機動戦士ガンダムNT」は「機動戦士ガンダムUC」の続きを描く、宇宙世紀シリーズ27年ぶりの完全新作映画。「機動戦士ガンダムUC」から1年後のU.C.0097年を舞台に、2年前に消息不明となっていたユニコーンガンダム3号機を巡る争奪戦が展開される。