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劇場版「夏目友人帳」完成披露、井上和彦「過去最高にこき使われました(笑)」

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緑川ゆき原作によるアニメ「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の完成披露上映会が、本日9月8日に東京のユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で行われた。

アニメ「夏目友人帳」シリーズ初の長編オリジナルエピソードとして公開される本作は、人と妖の間で忙しい毎日を送る夏目が、偶然昔の同級生・結城と再会したことで、妖にまつわる苦い記憶を思い出すことから始まる物語。舞台挨拶には夏目貴志役の神谷浩史、ニャンコ先生・斑役の井上和彦、総監督の大森貴弘、監督の伊藤秀樹が登壇した。

本作が10周年を迎えたことについて、神谷は「形容しがたいですね……未だにピンと来ない感じ」と感慨深げにコメント。井上は「10年前はこんな大きな画面で『夏目』を観られるとは思いませんでした。今日、皆さんの顔を見てすごいことをやっちゃったんだなと」と観客の顔を見渡す。また作品を観た感想を問われると「自分が出ているのは途中で忘れてしまいまして。優しい気持ちになりました」と井上。続く神谷は「台本も何回も読んでいるし、アフレコもやってきたので、もはや何がよくて何が悪いかわかんなくなってるところがあるんですよ(笑)」と笑い、「でも実際に劇場で観たときに、めちゃくちゃいい作品じゃんって改めて思って。とても幸せな時間を過ごしたなと」と語った。

一方、テレビシリーズ第1期から携わってきた大森は「『夏目』自体の大きなテーマでもある出会いと別れを主軸に、いっときの触れ合いみたいなものが、その後どう大事になっていくかを描けたらと思いながら作りました」と作品に込めた想いを吐露。またアニメの制作スタッフとしては5期から中心メンバーとなって関わってきた伊藤は「劇場版の話をいただいたときはうれしくてがんばろうと思ってたんですけど、1期からずっと参加しているスタッフさんたちの作品への思い入れがすごくて。シナリオを作っているときも、『このキャラは絶対こんなこと言わない』とか突っ込みがすごく入って(笑)。でも自分がみんなの思いを何とか受け取らないきゃいけないぞと」と制作を振り返った。

今回の劇場版では、ニャンコ先生が3つに分裂してしまうエピソードもあるため、井上は「僕は過去最高にこき使われました(笑)」と苦笑い。まだどんな話をやるかもわからない段階で、大森から「和彦さんには働いてもらいますよ」とプレッシャーが掛けられたと明かし「台本を見たら『やられた!』と思いました」と話す。また今作で“トリプルニャンコ先生”が登場した意図について、大森は「もともとTVシリーズは、夏目が受け身というか、巻き込まれる形で動いていて、そこに付かず離れずニャンコ先生がいるっていう物語なんですけど、劇場版ともなると2人にも直接事件が起きたほうが面白いんじゃないかと思い、ニャンコ先生に分裂してもらいました」と語ると、井上はニャンコ先生の声で「なんてことだ!(笑)」とツッコミを入れ、観客の笑いを誘った。

さらに本作が“記憶”が1つのキーワードになっていることから、「夏目友人帳」に関わった10年の中で忘れられないことを尋ねられた2人。神谷はテレビシリーズ1期第2話「露神のほこら」が好きだと答え、「わりと地味な始まり方をした」というアニメ化発表や、アニメ化前のドラマCD時代に思いを馳せる。そして「ほぼ毎年参加してきたイベントで誕生日の近い和彦さんをお祝いするのを10年やり続けて。そういうのは『夏目』っぽいエピソードだと思います」と“恒例行事”に言及した。

また井上もドラマCDを経てアニメ版のオーディションを受けたことを述懐。「ドラマCDではニャンコ先生も斑のような感じで普通に演じていたんです。でも監督に『好きなようにやってくれよ』と言われて、好きなようにやったのが(アニメ版の)ニャンコ先生」と秘話を明かし、「同じ日に神谷くんもオーディションを受けていて。ドラマCDから同じメンバーでできたのがすごくうれしくて、一番記憶に残っています」と顔を綻ばせた。

最後、神谷は「『カメラを止めるな!』くらい猛烈な勢いで大ヒットしてくれるといいですが(笑)」と冗談を交えながらも、「そういう作品ではないのは10年携わっている僕らもだいたいわかっていて。とても地味と言ったら地味なお話かもしれないけれど、丁寧に心に響く作品であることは皆さんわかってくださっていると思います」と会場に集まったファンへの信頼を明かし、井上は「ここまで来られたのはひとえに応援してくれた皆さんのおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです。ぜひ、お友達10人に『夏目を観てね』って強制してください(笑)。」と観客の笑いを誘った。「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」は9月29日より全国で公開。

「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」

スタッフ

原作:緑川ゆき/月刊LaLa(白泉社)連載
総監督:大森貴弘
監督:伊藤秀樹
脚本:村井さだゆき
妖怪デザイン・アクション作監:山田起生
音楽:吉森信
アニメーション制作:朱夏

キャスト

夏目貴志:神谷浩史
ニャンコ先生・斑:井上和彦
夏目レイコ:小林沙苗
夏目貴志(少年時代):藤村歩
結城大輔:村瀬歩
藤原塔子:伊藤美紀
藤原滋:伊藤栄次
田沼要:堀江一眞
多軌透:佐藤利奈
西村悟:木村良平
北本篤史:菅沼久義
笹田純:沢城みゆき
名取周一:石田彰
柊:ゆきのさつき
笹後:川澄綾子
瓜姫:樋口あかり
ヒノエ:岡村明美
三篠:黒田崇矢
ちょびひげ:チョー
一つ目の中級妖怪:松山鷹志
牛顔の中級妖怪:下崎紘史
河童:知桐京子
もんもんぼう:小峠英二(バイきんぐ)
六本腕:西村瑞樹(バイきんぐ)
津村容莉枝:島本須美
津村椋雄:高良健吾

(c)緑川ゆき・白泉社/夏目友人帳プロジェクト

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