「ライチ☆光クラブ」はマンガ・エロティクス・エフ(太田出版)にて、2005年から2006年にかけて連載。廃墟の秘密基地「光クラブ」に集う少年たちは、“崇高なる目的”を掲げて醜い大人になることを拒み、“甘美なる機械”ライチを造りあげる。2012年に江本純子演出により舞台化されるとチケット即日完売の人気となり、追加公演、2013年には再演も行われた。今回の「残酷歌劇」では、幼いが故の少年たちの暴力的な欲望と狂気が、河原雅彦演出、丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)脚本、牧宗孝(
主役のゼラを演じるのは中村倫也。また光クラブの創設者でありリーダーのタミヤ役の、柿喰う客の中心メンバー・玉置玲央、ゼラに服従する美少年・ジャイボ役の吉川純広と、小劇場を中心に活躍する役者も顔を見せる。さらにカネダ役の赤澤燈、ダフ役の味方良介ら、2.5次元ミュージカルへの出演が続く面々も加わり、幅広いフィールドからキャストが集った。囚われのヒロイン・カノンを演じるのは、奇しくも役と同じ名を持つ七木奏音。ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」ではクールなセーラーマーズを演じていた彼女が、透き通った歌声を響かせ、緊迫したドラマの中で機械・ライチに人間らしさを伝えていく。
役者たちの鬼気迫る演技はもちろんのこと、異能の集団・東京ゲゲゲイによるパフォーマンスも見どころのひとつ。彼女たちに負けじと光クラブのメンバーも統率のとれたキレの良いダンスを披露し、牧歌的なナンバーから狂気に満ちた楽曲まで、さまざまな曲でステージを彩る。ラストシーンでは驚きの演出も用意されているので、最後まで闘争の行方を見守ってほしい。
主演の中村は公演に寄せて「いくつもの挑戦と失敗を繰り返しながら、僕たちは今日、初日を迎えます。そしていま、“何か圧倒的な凄いもの”が出来上がりつつあります」と意気込みを語った。公演は12月27日まで。なお野村周平主演による実写映画「ライチ☆光クラブ」が、2016年2月13日に新宿バルト9ほかで全国公開される。
中村倫也(ゼラ役)コメント
この1ヶ月、いや、稽古に入るずっと前から、この作品を面白いとか楽しいとかそういう既存の言葉の枠に囚われない“何か凄いもの”にしたいと考えていました。しかしそれは実に険しい道で、いくつもの挑戦と失敗を繰り返しながら、僕たちは今日、初日を迎えます。そしていま、“何か圧倒的な凄いもの”が出来上がりつつあります。原作ファンも、原作を知らない演劇ファンも、皆まとめて魅了できる力強い作品になりました。クリスマス色に染まる12月の渋谷で、是非僕たちの闘争を目撃してください。
河原雅彦(演出)コメント
いろんな意味で『なにもそこまで…』な舞台を作りたいと思い、渾身の力で『なにもそこまで…』の先を行く歌劇を作りました。全てのキャスト・スタッフがギリギリのギリ状態でお送りするライチ光クラブ。今年最後にどうぞこれでもくらって新年をお迎え下さいませ。
残酷歌劇「ライチ☆光クラブ」
期間:2015年12月18日(金)~12月27日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo
原作:
演出:河原雅彦
パフォーマンス演出:牧宗孝(
脚本:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
出演:中村倫也、玉置玲央、吉川純広、尾上寛之、池岡亮介、赤澤燈、味方良介、加藤諒、BOW(東京ゲゲゲイ)、MARIE(東京ゲゲゲイ)、MIKU(東京ゲゲゲイ)、YUYU(東京ゲゲゲイ)、KUMI(KUCHIBILL)、皇希、七木奏音
チケット料金:7800円(前売・当日共、全席指定)
企画:漫画兄弟(古屋兎丸・HAKUEI・平沼紀久)
製作:ネルケプランニング、パルコ
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