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思い返せばあんな記事、こんな記事~編集部が記事で振り返る、コミックナタリーの15年

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2023年12月25日に15周年を迎えたコミックナタリー。この15年の間、約12万本のニュース記事、約1300本の特集記事を公開してきた。思い出深い記事を挙げればキリがないところだが、15周年を機に、現コミックナタリー編集部員に「特に思い入れのある記事」「記憶に残る記事」「今改めて読んでほしい、掘り起こしたい記事」をいくつかピックアップしてもらった。記者たちの裏話を交えながら、15年の間に掲載してきた記事の一部を改めてチェックしてみてほしい。

テニプリキャラと作者の共演に「夢かな?」

文 / 坂本恵

自分が書いた記事で印象深いものと言えば、「テニスの王子様」許斐剛先生の初ワンマンライブのレポートです。

ライブレポート

「マンガ家がワンマンライブを行うという珍しい機会、マンガの情報サイトとして気合いを入れてレポートせねば」という使命感のもと、鼻息荒く取材に赴きました。ライブにはゲストとしてテニプリキャラも出演。今でこそキャラクターの3DCGライブは当たり前のものになりましたが、2016年当時はまだまだ珍しく、しかもそのキャラクターを生み出したマンガ家本人との共演ともなれば、「夢のような空間に私は居合わせている……」と大変感動したのを覚えています。その興奮をそのままキーボードに打ち付けていたら、気づけば7000字を超える長文になっていました。久しぶりに記事を読み返してみたら、当時の記憶と興奮が鮮明に蘇ってきたので、テキストでこのライブの記録を残せてよかったなと思います。

よしながふみ×佐久間宣行対談、あの実写化を予言していた……?

文 / 三木美波

企画・取材・原稿執筆を自分で担当した特集で、企画段階から「実現したら絶対にいい対談になる」と思っていました。目論見通り、エンタメ好きの2人による素晴らしい特集になったと自負しています。

特集記事

この取材はリモートで行ったのですが、当時はコロナ禍が始まってすぐで、インタビュアーもインタビュイーもまだリモート取材にあまり慣れてなかった時期。対面取材とは勝手が違うので、盛り上がらなかったらどうしようと気を揉んでいたのですが、まったくの杞憂でした。佐久間さんのよしながふみ作品愛が取材開始直後に爆発し、おふたりとも楽しそうに「大奥」やエンタメについて話してくれたので、「もう私の仕事はこの雰囲気をできるだけ忠実に文章で伝えるだけだな」と取材中に思ったのを覚えています。
余談ですが、この対談でよしなが先生に「もし『大奥』がまたメディアミックス化されるとしたら」という質問をしたところ、「連続ドラマでまた観たいなという気はします。本当に妄想なんですけど、1年くらいかけて全部やるやつ(笑)」とお答えになって。この取材から2年後の2022年にNHKでのTVドラマ化が発表され、しかも大政奉還まで描くドラマということだったので、ニュースが飛び込んできたときに「実現した……!」と本当にびっくりしました。


イベントレポート

きくち正太さんが手料理を振る舞うイベントを、コミックナタリーの編集部員・鈴木俊介さんが取材したレポート記事です。
私は食べることは好きで美味しいものはわかる(と思っている)のですが、感想がほぼ「美味しい」「めっちゃ美味しい」「すごく好き」の3択。味覚を言語化するのって難しい……と苦手意識を持っています。
この記事ではまず味ではなく「茶碗蒸しは、揺らすとふるふる震えるゆるめの仕上がり」と目からの情報を入れ、「きくちが肉を焼き始めると、ジュワーという音とタレの甘い香りが会場中に広がり」と音と香りに言及していて、記事を読んでいて思わず「(レポが)うまい!」と感動。料理は味覚だけじゃなくて五感で楽しむもので、レポートでもそれを応用できるんだということに気づかされました。
思わずよだれが出そうなレポートなので、ぜひ読んでみてほしいです。


イベントレポート

BL雑誌・カチCOMIのイベントを、コミックナタリーの編集部員・熊瀬哲子さんが取材したレポート記事です。
当時、休みだったり取材だったりで編集部に不在のときはホワイトボードに予定を書いて共有していました。この日、熊瀬さんがホワイトボードに大きく「カチコミ NR(ノーリターン)」とアウトロー感のある予定を書いて颯爽と出て行ったので、残った編集部員がそれを見て爆笑。1人はTwitterに投稿していました。

当時のホワイトボード。

当時のホワイトボード。

レポートの内容自体も面白くて好きなのですが、このエピソードを忘れたくない……と思い掘り起こしました。

「アニサマ」からペンライトの灯りが消えた夜

文 / 柳川春香

イベントレポート

記事はほかの記者と手分けして書いたものですが(長丁場だとそういうこともあります)、この企画をやると決まってまっさきに思い浮かんだのが「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」でのOLDCODEXのパフォーマンスでした。もともと音楽が好きでたくさんのライブを観てきた中でも、10本の指に入る忘れられないライブです。どのようにすごかったのか、というのは記事に書いてある通りなのですが、何千何万という人の心が目の前で動かされていくのがわかり、会場でキーボードを叩く指が震えていたのを今も覚えています。自分は映像や写真で記録できないものを言葉でなら記録できると思っていて、これはそういう「書き残せてよかった」瞬間の1つです。


イベントレポート

昨年亡くなった山本二三さんが、2021年に東京国際映画祭に登壇した際のレポートです。大塚康生さんや高畑勲監督との思い出を懐かしそうに、ディティールまで生き生きとお話されていた姿が印象に残っています。この機会に再び読んでもらえたらうれしいです。

「御パンツ付録でかぶいて候」マンガよりパンツの話を見出しにせざるを得なかったゼノン創刊号

文 / 淵上龍一

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新しい雑誌を取り上げるとき、看板作家の紹介をまずはするべきだと思います。マンガのサイトなんだし。でも月刊コミックゼノン(当時徳間書店、現コアミックス)はコンセプトが「傾(かぶ)く」で、付録がそれを象徴する「出陣!傾奇パンツ」だった。その心意気を無碍にはしたくないということから付けた記事タイトルが「コミックゼノン創刊号、御パンツ付録でかぶいて候」。この記事が出てから13年経ちますが、これを超える見出しはいまだ書けていません。


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“音響道路「エヴァンゲリオン メロディペーブ」上を走るとテーゼが流れる”。見出しのまんまの記事ですが、「テーゼが流れる」っていう乱暴な日本語は妙な味わいがある。こういう、規定の文字数に収める工夫をした結果ちょっと聞いたことない言葉が生まれてしまうエラー感も、ニュース記事の面白さの1つだと思います。

在京メディアが積極的に地方取材をする意義、コミックナタリーのYouTube

文 / 宮津友徳

イベントレポート

コミックナタリーでは関東圏以外のイベントに参加して記事を出せることはそこまで多くはないのですが、これは発表会が行われた北海道に取材に行って書いた記事です。「異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~」という人気小説のTVアニメ化の発表や、鈴木愛奈さんと花井美春さんが実の姉妹であることをイベントで公表するなど、ニュースバリューの高い要素が複数あり記事も大きな反響がありました。地方での取材は交通費や人員の関係もあってか、在京メディアの取材数が少なくなる傾向です。そんな中で、地方で行われている面白いイベントまでフットワーク軽く取材して紹介していくことも、我々のメディアとしての1つの意義なのかなと考えたりしました。

少し話は変わるのですが、コミックナタリーではちょうど1年前の2022年末からYouTubeの運用を本格的に開始していて(メディアとしてはめちゃくちゃ遅いですが……)、「異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~」の取材でも記事のほかにイベントの様子を撮影した動画も公開しました。この記事に関して言うと、イベントの写真撮影、記事の執筆から、動画撮影・編集まで1人のスタッフで行ったため、てんてこまいなところもあったのですが、そこまでスピード感を損なわず記事・動画をお届けできたのではないかと思っています。今はこうしたイベントの動画がメインですが、今後はオリジナル動画も増やしていく予定なので、コミックナタリーのYouTubeアカウントももしよければ見てみてください。

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少ハリ、ちゃお、あしたのジョー……愛を詰め込んだ記事の一部

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菊池健 - MANGA総研 @t_kikuchi

思い返せばあんな記事、こんな記事~編集部が記事で振り返る、コミックナタリーの15年 https://t.co/vWZvbIfwzr

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