音楽ナタリー

6人編成のX JAPAN、苦難乗り越え東京ドームで攻撃再開

SUGIZO(LUNA SEA)が正式加入したX JAPANが5月2日、約1年ぶりとなる東京ドーム公演「X JAPAN WORLD TOUR Live in TOKYO ~攻撃続行中~」を開催した。

チケットが発売されても、出演メンバーが確定していなかった今回のドームライブ。開催前からHEATHの脱退騒動や6人目のメンバー加入などが囁かれ、最終的には公演前日にHEATHがバンドに留まること、SUGIZOが6人目のメンバーとして正式加入することが発表された。

定刻から22分を過ぎたころに会場は暗転。幻想的なピアノとストリングスによる「LAST SONG」インストルメンタル・バージョンが流れ始めると、観客によるカラフルなサイリウムが暗い会場を覆った。そしてステージ上にはTOSHIと、ピアノの前に座ったYOSHIKIの姿が。ピアノをバックに「Rusty Nail」のサビをTOSHIが歌うと、おなじみのシンセサイザーのイントロが流れ始め、この日1曲目となる「Rusty Nail」がスタートした。

スクリーンにはHIDEを含む6人の姿が映し出され、ファンは大興奮。TOSHIとHEATHはステージ中央の花道の先端まで歩いていき、観客を煽る。ギターソロではHIDEの映像が映し出され、客席からは悲鳴にも近い歓声が巻き起こった。

TOSHIが「あいたかったぜー!」と叫ぶと、バンドは続けて2曲目の「WEEK END」に突入。SUGIZOが加わったステージ上のX JAPANは、とても先日までトラブルに巻き込まれていたようなバンドには見えず、堂々としたパフォーマンスで観客を沸かせていった。

2曲を歌い終えると、TOSHIは「今日はひさびさのX JAPANのコンサートだ。それに加えて、今日は5月2日(HIDEの命日)だぜ。わかってんだろうな? 今日はいつもの1000倍、気合いを入れていけよ!」とファンを煽る。そして、「ここでビッグニュースがあります。なんと、今日はお前たちのために新しい曲を用意してきたぜ」と言って新曲「Jade」を初披露。「I.V.」にも通ずるヘヴィさを持つこの曲は、ドラマチックな展開とキャッチーなメロディが印象的なナンバーで、ギターソロではSUGIZOがアグレッシヴなプレイを聴かせてくれた。

ライブはその後も、PATAとHEATHも加わったHIDEバージョンの「CELEBRATION」、TOSHIとPATA、HEATHによるアコースティックアレンジの「Rose of Pain」、YOSHIKIのピアノソロ、YOSHIKIのピアノとSUGIZOのエレクトリック・バイオリンによるクラシカルなセッションなどを次々に披露。また、YOSHIKIがピアノで「Tears」を弾き始めた際には、客席から自然と大合唱が起こり、ワンコーラス歌いきった時点でYOSHIKIが思わず顔を覆うという場面もあり、この日のライブがファンのみならずメンバーにとっても思い入れの強いものであることが伺えた。

ライブ終盤では、アグレッシヴなファストチューン「DAHLIA」で再び会場は熱狂の渦に。そして本編最後には、代表曲のひとつである「紅」が演奏された。オープニングのアルペジオパートでは、スクリーンにHIDEの映像が映し出され客席からは悲鳴にも似た叫び声が沸き上がる。そしてTOSHIが静かに歌い始めると、その歓声はいつしか大合唱へと変わっていった。TOSHIの「紅だーっ!」の雄叫びに合わせて、銀テープが客席の頭上めがけて発射。ステージ上の5人は全力で「紅」を演奏し、最高の盛り上がりのうちにライブ本編は終了した。

アンコールを待つ間も、アリーナや1階席、2階席ではウェーブが次々に起こるほどの盛り上がり。約15分ほどのインターバルを経て、ステージ上にはダンサーが登場。スクリーンに「VIOLET UK」の文字が映し出されると、インダストリアル調のサウンドにあわせダンサーたちがファッションショーを始めた。途中からSUGIZOがギターで加わり、これまでのX JAPANのライブにはない不思議な雰囲気が会場を包み込んだ。

ファッションショーが終わると、ドラムセットにはYOSHIKIの姿が。そのままYOSHIKIはクラシカルなSEをバックに、ドラムソロをスタートさせた。ソロの途中でドラムセットが約20m上空まで高い位置に。クレーンで持ち上げられたドラムセットは、上空でゆっくりと回転を続ける。そんな状況でもYOSHIKIはドラムを叩き続け、ときにはピアノを弾くなど思うがままにソロプレイを続けた。いつしかドラムセットは中央の花道を伝い、アリーナ中央にまで移動。YOSHIKIは両足でバスドラムを踏み続け、右手で「FOREVER LOVE」のメロディをピアノで弾く。ふらふらになりながらもソロを続け、最後にはドラムセットの上に立つYOSHIKI。ドラムセットは再びもとの高さに戻り、アリーナ中央(花道の先端)でパワフルなドラムソロを披露してみせた。

さらに、YOSHIKIのスネアヒットにあわせて、いくつもの花火が上がる。ソロを叩き終わると、YOSHIKIはドラムセットの裏側に回り、感極まって顔を覆う。観客からのYOSHIKIコールが聞こえてくると、再び笑顔を見せるYOSHIKI。その姿は、1年ぶりの東京ドーム公演を心の底から思いきり楽しんでいるように見えた。

少しすると、ステージには白いジャケットを羽織ったTOSHIが登場。さらに弦楽器隊も参加し、「WITHOUT YOU」をしっとりと歌い始めた。ステージに戻ったYOSHIKIは赤いガウンをまとい、ピアノで曲に加わった。スクリーンにはHIDEをメインに、メジャーデビュー以降のX~X JAPANの映像を上映。客席からは悲鳴にも似た「HIDEぇ~!」という叫び声が、曲の間中いくつも飛び交った。曲の最後でTOSHIが「みんなどうもありがとう! HIDEありがとう!」と叫ぶと、TOSHIとYOSHIKIは再びステージを去っていった。

しばらくすると、2度目のアンコールがスタート。TOSHIが「そろそろおめぇたちの大和魂みせてくれぇ!」と言うと、YOSHIKIが「I.V.」のフレーズをピアノで弾き始めた。すると、客席から大合唱が発生。SUGIZOとHEATHもコーラスで合唱に加わり、そのまま「I.V.」のバンド演奏に突入していった。SUGIZOのアグレッシヴなギタープレイが光るこの曲からは、“今後のX JAPAN”の片鱗も感じ取ることができた。この編成で、今後彼らが新たなステージへと到達するであろうことは、この日披露された新曲からも明らかだった。

TOSHIが再び「てめぇらの本気みせてくれよー! やるときゃやれコラー!」と観客を煽ると、もはやこの曲なしではX JAPANのライブを終えることはできない「X」を披露。激しい演奏とTOSHIのシャウトに続き、観客は手を頭上でクロスさせ“Xジャンプ”を繰り返す。さらに曲の後半では、無敵BANDのメンバーが「無敵」と書かれた旗を持ってステージ上に登場。YOSHIKIがドラムセットから離れ、ステージや花道を走り回り「We are~!」と何度も叫ぶと、それにあわせファンは「X!」と大声で応えていった。TOSHIが「今日は最高の祭りにするぜ! お前たち、悔い残すなよ!」と叫ぶと、再びバンドは「X」をプレイし始め、そのまま最高のクライマックスを迎えた。

何度も「お前ら最高だーっ!」「HIDEありがとーっ!」と叫ぶTOSHI。本来ならライブはここで終了するはずだったが、「YOSHIKIがもう1曲やるって言ってる。この曲をみんなでHIDEに届けるぞ!」といって「ENDLESS RAIN」が最後の最後に披露された。思わぬサプライズに、観客は大興奮。YOSHIKIのピアノやTOSHIの歌声をかき消してしまうほどの大合唱が巻き起こった。そしてバンドが演奏を止めても、ファンの合唱は止まることはなかった。感極まって、手で顔を覆うYOSHIKI。ファンの歌声をじっくりと噛みしめ、6人編成となったX JAPAN初のライブは幕を閉じた。

※関連記事:X JAPAN、18回目の東京ドームで4時間壮絶ライブ

セットリスト

01. LAST SONG (inst.) ~ Rusty Nail
02. WEEK END
03. Jade(新曲)
04. CELEBRATION(HIDEの部屋)
05. Rose of Pain
  SE ~ PIANO Solo
06. Tears
07. DAHLIA
08. 紅
--ENCORE--
E1. Fashion Show ~ Drum Solo
E2. WITHOUT YOU
--ENCORE--
E3. I.V.
E4. X
E5. ENDLESS RAIN
SE (Say Anything)

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