「いじめっ子を殺せ！」神聖かまってちゃんツアーファイナルに客乱入

神聖かまってちゃんのワンマンツアー「妖怪かまってちゃんネットウォッチツアー」の最終公演が11月15日に東京・赤坂BLITZで開催された。この日のライブはチケットがソールドアウトし、会場は熱狂的なファンで満員になった。

SEとして「ようかい体操第一」が流れる中、まずはmono（key）、みさこ（Dr）、ちばぎん（B）が頭にジバニャンのお面を付けてステージに登場。最後にの子（Vo, G）が定位置に付くとすぐさま、メンバーみんなで「妖怪ウォッチッチ！ 妖怪ウォッチッチ！」と掛け声を上げながら1曲目「自分らしく」に突入した。さらにその後も間を一切空けずに「オルゴールの魔法」「レッツゴー武道館っ！」をノンストップで演奏。畳み掛けるようなハイスピードな展開で観客をグイグイと引っ張っていく。の子は「僕はお前らの日頃のストレスを聞きたいんだよ！ もっと来いや！」と絶叫。すでに上がっている観客のテンションをさらに上昇させようと気合いを込めてアジテートし続ける。

みさこがメインボーカルとして歌う「熱いハートがそうさせないよ」が終わると、の子は「今回のツアーはすべて大成功しております！ 神聖かまってちゃんには珍しいことです。今までは12カ所でライブやったら9カ所はダメでした」とこれまでのツアーを回想。さらに目の前の観客に対して「これは僕らだけのライブじゃない。お前らのライブでもあるんだよ。お前らみんなメンバーなんだよ。一緒にいい演奏してさ、ほかの会場に負けない最高のライブにしようぜ？ 俺たちは最高のバンドだ！」と焚き付けた。その後も彼らは、MCの内容を自然と次の曲の紹介につなげつつ、スムースな進行で次々に曲を演奏。ここまでのツアーの成功を自信に変えたかのように、彼らはいつも以上に勢いのあるライブを繰り広げていった。

ライブの後半からは渋家が手がけた、レーザービームを使って会場の壁にニコニコ生放送のコメントをリアルタイムで投影するという、ネット配信に活動の重きを置いたかまってちゃんならではの演出も登場。「彼女は太陽のエンジェル」ではダンサブルなサウンドに乗せて、の子とmonoがハンドマイクで歌いながらフロアを煽る。この曲では、monoは客席に向けて銀テープ入りのバズーカを発射し、の子はフロアにダイブ。ライブ終盤に差し掛かってもバンドのコンディションは相変わらず良好で、バラードナンバー「背伸び」では、歌い終えたの子が思わず「今やったのが今までで一番よかったよ」と漏らしていた。

今回のツアーでステージに上がってきた観客が1人もいなかったことに不満を感じていたというの子は、観客に向けて「お前ら、次の曲で誰もステージに上がってこなかったら俺マジで帰るから」と言い放つ。客席からは「無理言うなよ！」という声が聞こえるが、お構いなしに彼らは「ロックンロールは鳴り止まないっ」を演奏。の子が曲の途中で「無理なことなんてあるわけないのさ！ 手があればこじ開けられる、足があれば上がってこれる。みんな来いよ！」とアドリブで歌うと、2人の観客が柵を乗り越えてステージに上がり、の子のもとに駆け寄った。さらにの子はアンコールでも「今度は全員上がってこい！」と観客に指示しながら「学校に行きたくない」を熱唱。曲のラストにの子とmonoが「いじめっ子！ いじめっ子！ いじめっ子を殺せ！」と連呼すると、観客も一緒になって同じフレーズを叫び始め、会場中でシュプレヒコールとなった。

アンコールも全曲終了してメンバーがステージを去ってからも、客席ではさらなるライブ続行を求める「いじめっ子を殺せ！」コールがいつまでも続く。その声に呼び戻されたメンバーたちが「なんと1曲だけダブルアンコールが許可された！」と告げると、会場中が大歓声に包まれた。の子が「最後だから全員ステージに上がってこいよ」と言って「あるてぃめっとレイザー！」を歌い始めると、フロアから1人、また1人と観客が乱入。続々とステージに上がってきた人々は、みさこの席を奪って代わりにドラムを叩いたり、の子やちばぎんにキスをしたりと大暴れ。収拾の付かないカオスな状況でありながらも、なおもの子は「もっと上がってこい！」と叫び続ける。最後にはちばぎんもダイブし、全20曲のライブは終了した。

ライブを終えた4人は横1列に並んで、来てくれたファンに礼をした。の子はファンに向けて「お前らの演奏、シャウトが僕らに魂をくれました！ 僕は君たちと一緒にバンドをやれてよかったと思ってるよ」と感謝の気持ちを述べ、さらに「来年こそは行くぜ武道館」と力強く誓った。