映画ナタリー PowerPush - ナタリー×「龍三と七人の子分たち」

ジジいいね!松井玲奈が北野映画を初鑑賞 “ジジイ”グループの固い絆にシンパシー

北野武監督最新作「龍三と七人の子分たち」のBlu-ray / DVDが、10月9日に発売された。元ヤクザの“ジジイ”たちが再結集し、若者の詐欺軍団にカチコミをかける姿をコミカルに描いた本作は、北野作品史上歴代2位の興行成績を収めている。

映画ナタリーでは、今年8月末にSKE48を卒業したばかりの松井玲奈にインタビューを実施。初めて北野作品の世界に触れたという彼女に、老若男女楽しめる本作の見どころを語ってもらった。

取材・文 / 金須晶子 撮影 / 笹森健一

 
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北野作品を初めて観ました

──SKE48の活動、お疲れさまでした。今回は音楽ナタリーではなく、映画ナタリーの特集です。よろしくお願いします。

よろしくお願いします!

──「龍三と七人の子分たち」の監督、北野武さんにお会いしたことは?

テレビ番組で何度か共演させていただいたことがあります。最近も、落語の番組でご一緒しました。(参照:たけし&鶴瓶が落語を語る「ニッポン芸能史」立川談春とのスペシャル対談も

──何か交流は生まれました?

松井玲奈

一緒にスタジオでトークさせていただいて、すごく楽しかったです。でも個人的にはお話ししてなくて……しゃべりかけていいものなのかって。私自身しゃべるのがあんまり得意じゃないっていうのもあって。でも「すごい! ホントに(ビート)たけしさんだ!」っていう感じはありましたね。

──これまでに、北野作品をご覧になったことはありましたか?

実は一度もなくて。なので、今回初めて観させていただきました。

──では、「龍三と七人の子分たち」で北野作品デビューですね! いかがでした?

例えば「アウトレイジ」とか……観てないんですけど、ああいうちょっと怖い感じ? 任侠ものっていうイメージが強くて。今回の作品も悪そうなおじいさんがいっぱい出てくるっていうから、怖いんだろうなと思ってたんです。でも周りからは「面白いから観たほうがいい!」ってオススメされて、ずっと気になっていて……。

──なるほど。

最初は「どんな感じだろう!?」ってドキドキしながら観てたんですけど、なんだかすごいコミカルで。自分が思っていた何倍、何十倍も親しみやすい作品でした。

おじいちゃんたちの行動に笑っちゃいました

──印象に残ったシーンは?

龍三親分(藤竜也)らは、羽毛布団の悪徳販売員を威嚇して追い払ってしまう。

龍三親分をはじめ、昔の仲間たちが家で集まっているときに羽毛布団の悪徳販売員が来るんですよね。で、一度は追い払ったのに、そのあと「一龍会」を結成したって報告に行った場所で、また同じものを売りつけられて。次のシーンに切り替わったら、結局羽毛布団を背負いながら歩いてるおじいちゃんの姿に笑っちゃいました。

──「結局買ったのか!」っていう(笑)。

その一連の流れがすごくコミカルなんですよね。言葉で説明しなくても、前の話がちゃんと後に効いてて。あれは誰でも笑っちゃうなと思います。あとは、えーと、居酒屋さんでしたっけ?

──焼き鳥屋さんですか?

松井玲奈

そうだ、焼き鳥屋さん! 「一龍会」のメンバーが輪になって話すシーン。まさに会話劇ですよね。それまではけっこう、長回しだったり、雰囲気を大切にする映画的なシーンが多かったような。でも焼き鳥屋さんのシーンは、演劇みたいな雰囲気だなって感じました。漫才でもあり、コントでもあるような……。

──ビートたけしとしての演出も光っていると。

そうですね。それにカメラワークも、中心にあるカメラが円を描くようにぐるりと人を撮っていくんですけど、必ずしも話してる人が映っているわけじゃない。画面の外からもセリフが聞こえてきて、自分もそのシーンに参加しているような気持ちになる面白い演出だと思いました。

“推しジジイ”は、キャラの強いあの人

──キャラの強い「一龍会」の面々ですが、ずばり松井さんの“推しジジイ”は?

うーん。皆さんそれぞれ面白くて好きなんですけど、強いて言うなら、中尾彬さんが演じられていた役ですかね。

──「はばかりのモキチ」ですね。寸借詐欺ばかりしている(笑)。

はばかりのモキチ(中尾彬)

そうです、「はばかりのモキチ」。インパクトがすごい(笑)。お気に入りというか、中尾彬さんのイメージと違ったので驚きました。どちらかと言えば中尾さんは、「ええい、使え!」って気前よく人にお金を渡すようなイメージだったので(笑)。この小銭稼いでる感じが、中尾さんに対する印象とは全然違う、でも親しみやすいキャラクターでいいなって。人のよさそうな感じがすごく伝わってきます。

──ナチュラルに「お金貸してくれませんか?」ですもんね。

びっくりしました(笑)。中尾さんはテレビ番組でもご活躍されてる分、世間の人が抱いているイメージがあると思うんです。そういったキャラクターがすでにある中で、また別のキャラクターを演じるってなかなか難しいですよね。でもそんなこと関係なく、観る側は「こういうキャラクターなんだ」ってすぐに受け入れることができて。観終わってから、あれはすごいことだって気付きました。

──藤竜也さん演じる龍三親分はどうでしたか?

龍三親分

やっぱり周りの人たちから愛される人って、すごく素敵だなと思いました。自分もあんまり人を引っ張って前に行くタイプではなかったので、こういう人についていったら安心なのかなとか、楽しいのかなと感じたり。

──背中で語る親分でしたね。

とても素敵だなと思いました。

Blu-ray / DVD「龍三と七人の子分たち」2015年10月9日発売 / バンダイビジュアル
スペシャルエディション特装限定版
[Blu-ray Disc+DVD] 7560円 / BCXJ-1030
[DVD2枚組] 6480円 / BCBJ-4715
通常盤 [Blu-ray Disc] 5184円 / BCXJ-1029
通常盤 [DVD] 4104円 / BCBJ-4714
特典映像

特報 / 予告編(ロングver.&ショートver.) / TVスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」

特装限定版特典

特典ディスク(メイキング映像、キャストインタビュー、完成披露試写会、初日舞台挨拶、ミニ特番「俺たちに明日なんかいらない ジジイが最高スペシャル!!」、海外版予告編)/ 解説書(24P)/ 特製ブックケース付きスペシャルパッケージ

共通特典

特報 / 予告編 / テレビスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」/ 日本語・英語字幕付き

あらすじ

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、「鬼の龍三」と呼ばれおそれられていた元ヤクザの組長。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族で構成される「京浜連合」と因縁めいた関係になる。詐欺や悪徳商法を繰り返す「京浜連合」にお灸を据えるため、博打好きの兄弟分「若頭のマサ」(近藤正臣)や寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、戦争に行ったこともないのに今でも軍服に身を包む「神風のヤス」(小野寺昭)、ほかにも「早撃ちのマック」「ステッキのイチゾウ」「五寸釘のヒデ」「カミソリのタカ」という異名を持つ仲間たちと「一龍会」を結成。次々に「京浜連合」の活動を妨害していくが……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一

キャスト

龍三親分:藤竜也
若頭のマサ:近藤正臣
はばかりのモキチ:中尾彬
神風のヤス:小野寺昭
早撃ちのマック:品川徹
ステッキのイチゾウ:樋浦勉
五寸釘のヒデ:伊藤幸純
カミソリのタカ:吉澤健
マル暴の刑事・村上:ビートたけし

松井玲奈(マツイレナ)

1991年7月27日生まれ、愛知県出身。2008年、SKE48の1期生としてオーディションに合格しデビューを飾る。その後、AKB48に選抜入りを果たすなどグループの中心メンバーとなり、2014年からは期間限定で乃木坂46の活動を兼任。2015年8月31日に行われた公演をもってSKE48を卒業した。主な出演作に、ドラマ「マジすか学園」「マジすか学園2」など。2014年公開作「gift」で遠藤憲一とダブル主演を務め、2015年にはテレビアニメ「電波教師」で声優初挑戦。現在、ニッポン放送「ミュ~コミ+プラス」に月曜アシスタントとして出演している。