Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018 / 近藤良平&MIKEY|ダンス界の異端児が初対談

3年に1度のダンスフェスティバル「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」(以下DDD)には、ダンス界のさまざまな“極”が集結する。コンドルズの近藤良平と東京ゲゲゲイのMIKEY、この異色の顔合わせが実現するのも、本フェスなればこそ。近藤は今回、フェスティバルディレクターおよび2公演の振付家としてDDDに参加する。一方のMIKEYは日仏交流企画「トリプルビル」の日本代表として新作を振付、出演。5月上旬に行われたDDD記者会見の直後、ミニパフォーマンスを披露したMIKEYには衣装のまま、近藤にはコンドルズの“正装”学ランに着替えてもらい、2ショット撮影とインタビューを行った。

取材・文 / 熊井玲 撮影 / 平岩享

日本は日本独自のやり方で

──お二人の対談は初めてとのことですが、これまでご面識は?

左からMIKEY、近藤良平。

近藤良平 会うのも初めてだよね? もちろん名前は知っていましたけど。

MIKEY 初めてですね。コンドルズは知っていましたけど、近藤さんとお会いするのは今日が初めて。

──そうだったんですね! お二人の顔合わせを見ただけでもジャンルの幅広さを感じる2018年のDDDですが、今回近藤さんは、フェスティバルディレクターという形で参加されます。

近藤 普段はディレクターのような役割を引き受けたりはしないほうなんですが、DDDには1回目から関わってきたので、今回「ディレクターで」と話があったときに、せっかくならそういう立場でものを見てみようと思ったんです。結果、タイミングとしてよかったなと思っていて。だから今は、ダンスがどういうふうに人々に受け入れられているのか、ムーブメントがどのように起こるのか、日々気になっています。それと、イベントとしても大きいなって感じがしますね。今回はもう1人、フランスのドミニク・エルヴュさんがディレクターを務めていらっしゃいますが、ドミニクさんは日本で言うとテリー伊藤みたいな人(笑)。いろいろなことを広くよく知っている人なんですよね。彼女はリヨン・ダンス・ビエンナーレの芸術監督でもあるんだけど、リヨンのフェスって、日本で言うと横浜から栃木や千葉くらいまでを網羅したフェスで。やってることが広いですよね(笑)。そんな彼女の仕事ぶりを見ながら、日本は日本独自のやり方で「ダンスを世界に」と思ってます。

──国内外のさまざまなダンスジャンルのカンパニーが参加しますが、エルヴュさんプロデュースの日仏交流企画「トリプルビル」には、日本を代表するカンパニーとして、東京ゲゲゲイが出演されます。MIKEYさんが今回参加されようと思ったきっかけは?

MIKEY なんか、「フランスの仕事がある」って話を聞いて、フランス行ってみたいな、くらいのノリだったと思います(笑)。だから実は昨日、DDDのパーティがあったんですけど、目の前にフランス人が座ってるなあって思ったら、その人がフランス大使で。

近藤 あはははは!(笑)

MIKEY あとから知った、みたいな感じなんですよ。だから横浜が関係しているフェスなんだってことも、今日の記者会見で初めて知りました。

近藤 それは新鮮だね(笑)。

実はダンスを辞めようかと思ってた(MIKEY)

──東京ゲゲゲイは「トリプルビル」で「東京ゲゲゲイ女学院」を上演されます。新作になるのでしょうか?

MIKEY

MIKEY 新作でもあるけれど過去の要素も入ると思いますね。ただ、実はこの1年で東京ゲゲゲイとしてやりたいことがぐるっと変わってきてて、ちょうど「これからは音楽制作がメインでダンスをやめよう」って旗を掲げて歩こうとしていたところだったんです(笑)。でもDDDに出演することはその決意をする前に決めていたので、さあどうしようと思っていたら、「歌も歌っていい」ということになり(笑)、もともと学校をコンセプトにした作品が多かったので、「女学院」をタイトルにすれば、歌だろうとダンスだろうと私たちの変わらないスタイルとしていけるだろうということで「東京ゲゲゲイ女学院」というタイトルにしたんです。

──なるほど、その「ダンスを辞めたい」思いが、会見時のパフォーマンスでの「もう踊りたくない」絶唱につながったわけですね(笑)。

MIKEY あははは(笑)、そうです。

近藤 みんな釘付けになってて面白かったね(笑)。

MIKEY (会見に出席していた)横浜市の市長さんが、終わったら楽屋で、「すごくよかった。もうやだやだってことありますよねー」って言ってくださって(笑)。

近藤 横浜市の市長さんはホント素晴らしいです! 心が広くて(笑)。


2018年8月7日更新