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本公演では、「義経千本桜」より「河連法眼館の場」が、キャスト違いのAプロとBプロで回替わり上演される。Aプロでは佐藤忠信 / 源九郎狐役を
囲み取材には、芝翫、新悟、橋之助、福之助、歌之助が出席した。芝翫は「国立劇場が一旦閉場いたしまして、初のティアラこうとうと調布市グリーンホールでの公演です。『義経千本桜』は歌舞伎の三大狂言の一つですが、立役である以上、三役を勤められることは大変光栄なことです。私は初めて20歳で国立劇場で碇知盛を勤めさせていただき、亡くなった(二代目尾上)松緑のおじさまに『お前、これから立役でいけよ』という言葉を頂戴いたしました。それから知盛には縁があったんですけれども、ほかのいがみの権太と狐忠信にはご縁がございませんで、ところが今年の2月の歌舞伎座の(十八代目中村)勘三郎の兄の追善興行で『すし屋』の権太をやらせていただき、ちょうどその頃に国立劇場さんから鑑賞教室のお話を頂戴いたしました」と振り返る。
続けて、芝翫は「狐忠信は大変体力のいるものですので、やはり今がリミットかなと思いつつ、1日2回というのは大変なので、昼の部(Aプロ)は倅の橋之助、夜の部(Bプロ)は私とWキャストにしていただきました。3人の息子(橋之助、福之助、歌之助)と、坂東新悟ちゃんは皆、勘三郎の兄貴のチームで一門でおりまして、昔は皆4人とも小さかったのが、肩を並べて一緒にお舞台ができて、大変うれしゅうございます」と思いを述べた。橋之助も「同じところで育った仲間で、こうしてお客様に『四の切(しのきり)』という、わかりやすく面白い古典をお届けできるのがすごくうれしく思っております」と喜びを語った。
新悟は「今回、静御前ということで大変身が引き締まる思いです。Wキャストなので、1人で昼夜違う相手とさせていただきますけれども、芝翫のお兄さんの胸を借りながら、橋之助くんと一緒に舞台を作り上げながら、勤めさせていただければなと思います」と意気込む。
福之助は「実は学生のときに父(芝翫)の歌舞伎鑑賞教室を学生として観に来たことがあります。今回はこうやって若いメンバーですので、学生の方や初めての方も、取っつきやすいエンタメとして楽しんでいただけると思います。解説もありますし、観たことない方にもぜひ楽しんでほしいと思います」と期待を込める。鑑賞教室への出演が初となる歌之助は「僕も父の鑑賞教室を学生のときに観まして、『魚屋宗五郎』で父の芝居を5列目で観るという貴重な経験をしたのを覚えています(笑)。初日も開いて、学生さんもたくさんいらっしゃって、熱心に観ていただいているのを舞台の上から感じて、うれしい思いでいっぱいです」と述べた。
公演は7月12日までティアラこうとう 大ホールで行われたあと、18日から27日まで東京・調布市グリーンホール 大ホール公演が行われる。なお、5日と18日には、開演時間が通常より遅い18:30となる「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」、7月21日から27日までは、大人と子供が一緒に観劇するとチケット代が割引になる「親子で楽しむ歌舞伎教室」として開催される。
令和6年7月歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」
2024年7月5日(金)〜12日(金) ※公演終了
東京都 ティアラこうとう 大ホール
2024年7月18日(木)〜27日(土) ※公演終了
東京都 調布市グリーンホール 大ホール
スタッフ
「義経千本桜」
作:竹田出雲 / 三好松洛 / 並木千柳
出演
解説「歌舞伎のみかた」
「義経千本桜」Aプロ
佐藤忠信 / 源九郎狐:
静御前:
源義経:
法眼妻飛鳥:
亀井六郎:
駿河次郎:
河連法眼:
「義経千本桜」Bプロ
佐藤忠信 / 源九郎狐:中村芝翫
静御前:坂東新悟
源義経:中村福之助
法眼妻飛鳥:中村歌女之丞
亀井六郎:中村歌之助
駿河次郎:中村橋之助
河連法眼:中村松江
※7月5日と18日の18:30開演回は「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」、7月21日から27日までの公演は「親子で楽しむ歌舞伎教室」。
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歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」開幕、中村芝翫は中村橋之助らと“肩を並べて舞台ができる”と喜び
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