10月11日(土)に生放送される「キングオブコント2025」(TBS系)のファイナリスト10組が東京・TBS内で囲み取材に応じた。今回は、
しずるは9年ぶり5回目の決勝進出。今年のファイナリストは、青色1号、うるとらブギーズ、元祖いちごちゃん、しずる、トム・ブラウン、ファイヤーサンダー、ベルナルド、や団、レインボー、ロングコートダディの10組だ。
しずる コメント
──9年ぶりに決勝進出した心境はいかがですか?
純:まず10組目に呼ばれたので、本当に生きた心地がしなかったです。呼ばれたときは放心状態だったんですけど、南海キャンディーズ山里さんや周りの芸人が池田にツッコんでる声が聞こえてきて、「こいつボケてんのかよ……」と思いました。そこで現実に戻りました。あとから聞いたら、こいつは名前を呼ばれてもずっと真顔だったらしいです。
池田一真:まあボケでもないんすけどね。
純:そこから今まで、ずっと薄~く決勝進出を実感している感じです。
池田:(喜びに)浸ってるこいつが嫌いなんですよ。ムカつくんです。クサいこと言ってきそうだし。だから、そうはさせないぞという思いはありました。村上を気持ちよくさせない。
純:俺は池田の感覚を奪いにいってないのに、なんで俺だけ感覚を奪われなきゃいけないんだよ(笑)。
池田:確かに。そう言われると本当に申し訳ない。人間って「なんでこれ言っちゃったんだろう」とあとで思うことあるじゃないですか。責任を持たないまま行動してしまうというか。たぶんそれだったんでしょうね。今は客観的に見て「自分は本当に酷いな」と思います。俺だったら、俺と絶対にコンビは組まないです。
──決勝進出が決まったとき、池田さんはどのような心境だったのでしょうか?
池田:なんかわかんないですけど、ダブルアート・タグとか後輩から「しずるさんは確定です」「絶対にいってます」とか言われてたんですよ。でも10組目まで名前が呼ばれなくて、その間にそいつらの顔が浮かんでくるんです。最後まで呼ばれなかったら大目玉でしたよ。「貶してくる人も糾弾しなきゃいけないけど、褒めてくる人も糾弾しないといけない」と思いました。もう評価させない。なので今後の僕の目標は「評価してくる人間を減らす」です。
──決勝進出が決まり、「評価してくる人間を減らす」という目標ができた……?
池田:そうです。ただ笑わせて終わり。それが本当に平和的な解決法。人はどうしても評論したくなるからしょうがないんですけど、圧倒的な面白さで全人類を押さえつけたいです。
──うれしくはあった?
池田:そうですね。うれしかったです。でも1000人の前でコントをするって優劣がわかりにくいんですよね。全員ウケちゃうから。正直わかんなくなかった?
純:うん。
池田:誰かがスベるイメージがつかない。だから運の世界。今年はラッキーということなんです。今年獲れなかったらヤバい! 今年はとんでもない追い風がきてるんです!
純:運とタイミングというのはめちゃめちゃ感じますね。追い風がきてるときに結果を出すことが大切で、僕らが憧れてる人たちもそこで結果を出してきたんだと思います。
池田:これで優勝できなかったら、僕らは本当にただのつまんない奴です。運は絶対にきてるんです。
純:そこまで言うと運が離れていきそうですよね(笑)。
──ネタに関してこの1年間でこだわったことは?
純:僕は……(5秒の沈黙)。
池田:先にいきますね。出ないようなので。
純:言い方あるだろ(笑)。
池田:僕は人の意見を素直に聞けるようになりました。昔は全部突っぱねてたんですけど、今回は相席スタート山添、佐久間一行さん、ラフ次元・空、ダイタク、オダウエダとかほかの芸人のアドバイスもネタに反映させました。なので失格っちゃ失格です。
純:初日にやったネタはもともと5分なかったんですけど、ヘンダーソンの単独ライブに出たときに中村フーに「あれ、やってもらえないですか」と言われて5分にしたんです。それも運だし、縁だし。2人だけで作ったものじゃないというのは今までと違うことですね。
池田:ヘンダーソンの単独ライブでダイタク、タモンズ、ライス田所に「これキングオブコントでもいけるんじゃないですか」と言われたのは本当にデカかったです。
純:ルミネの楽屋でそのメンバーが寄ってきたときの顔とか速度とか、めっちゃ覚えています。本当に大好きな飼い主のところにくるワンちゃんみたいでした(笑)。目的が一緒の顔と目をしてそれぞれのスピードで来る感じというか。
──ほかに自分たちに好影響をもたらした芸人はいますか?
純:やっぱりライスとサルゴリラですね。一緒に「メトロンズ」というユニットをやってるんですけど、僕らだけ優勝できていない。ケツは叩かれてるし刺激をもらってます。僕らも優勝できたらユニットにも還元できるし。メトロンズはウケさせるための演技じゃないんですけど、それがコンビのネタにも生きているかもしれません。
池田:「ゴッドタン」に出してもらったときに劇団ひとりさんとおぎやはぎさんを交えたコントをやらせていただいたんですけど、「あのコント面白かった」と言われたときに、「うわー、やったー!」って思っちゃったんですよ。それが俺の中で大きかったかもしれないです。
純:NSCのときから池田とライスは劇団ひとりさん、おぎやはぎさんのDVDを貸し借りしていたので、芸人を始めたばかりのときの青春ですね。
池田:バナナマンさんとかラーメンズさんとか。
純:その方々と共演するときに、緊張や畏怖の念を消そう消そうとしてる自分が恥ずかしかったりします。
──「キングオブコント」に第1回から出場していますが、心が折れかける瞬間はありませんでしたか? お二人にとってこの大会はどういう存在なのでしょうか?
純:「追いかけてない」と思い続けているもの。心の底から優勝したいですけど、「これだけじゃないし」みたいな思いもある。18年間「キングオブコント」のためだけにやってたらむしろ折れてると思うので、普段の劇場やテレビ収録で延命している感じです。
池田:ライスが優勝したときにちょっと心が折れました。同期対決で完全に負けましたから。そのタイミングで、さらば青春の光とか、いろんな人が出るのを辞めたんです。自分も「もういいか」と思っちゃって、「ほかもあるし」とかうそぶいちゃって。でもテレビで決勝を観たとき、「あぁ~、すごいカッコいい」と思ったんですよ(笑)。それからも出続けて、負けたときには「いや本気じゃないんで」「別に本気じゃないし」「えっ、何? 本気じゃないっつってんじゃん」みたいな顔はしてましたけど、たぶんずっと本気なんです。これを言えるのも、今は素直になったからなんでしょうね。
純:これは俺にも言ったことないです。
池田:うん、まぁ、村上には本音はしゃべらないので。申し訳ないです。
──では今年は本気で優勝を狙う?
池田:本気っていうか、とにかく今年は運がめちゃめちゃいいので! 今年獲れなかったらもう本当にヤバいです!
純:そうだね。アプローチは変えてないですから。僕らもバカじゃないので、毎年こんな追い風が吹くとは思ってません。とにかく主人公になりたいです。それが今年だと思ってます。
「求人ボックスpresents『キングオブコント2025』」番組情報
放送局・放送日時
TBS系 2025年10月11日(土)18:30~21:56
出演者
MC:ダウンタウン浜田
審査員:東京03飯塚 / バイきんぐ小峠 / ロバート秋山 / かまいたち山内 / シソンヌじろう
しずる / ロングコートダディ / ファイヤーサンダー / うるとらブギーズ / や団 / 青色1号 / ベルナルド / 元祖いちごちゃん / トム・ブラウン / レインボー
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namarako @namarako
しずるの準決勝ネタを知ってしまった人間としてはこの部分グッと来る。どぶろっくも『シモネタGP』でケンコバから勧められたことでKOC優勝したらしいし、今年のしずる期待できそう。
しずる、9年ぶりのKOC決勝に「とにかく主人公になりたいです。それが今年」 お笑いナタリー
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