負けたけど…20世紀も赤ちゃんもみんなで盛り上げた「M-1グランプリ2025」敗者復活戦現地レポ

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結成10年目、決勝初進出だったたくろうの優勝で幕を下ろした「M-1グランプリ2025」。決勝のスタジオではファイナリスト9組に敗者復活戦を制したカナメストーンを加えた合計10組が熱戦を繰り広げた。今年の敗者復活戦は東京・六本木にある劇場、EX THEATER ROPPONGIを舞台に、準決勝で敗れた21組が最後の1枠を懸けてネタを披露。この記事では敗れてもなお会場を盛り上げた芸人たちの姿や、生放送には映されなかったCM中の様子などをレポートする。

まだ勝負を挑みたい20世紀・木本

まだ勝負を挑みたい20世紀・木本

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敗者復活戦は、「M-1」が復活した2015年から2022年大会までテレビ朝日横にある屋外イベントスペース・六本木ヒルズアリーナで行われ、ネタ中に聞こえてくる救急車や消防車のサイレン、夕方5時のチャイムといった“音”、そして12月の屋外ならではの“寒さ”も含めて風物詩として知られていたが、2023年に屋内の新宿住友ビル三角広場へ会場を移した。そして今年はこれまででもっとも環境の整ったエンタテインメント専用の劇場が激戦の地に。出場者のネタの魅力、戦いから生まれるドラマはもちろん、前説を務めたスマイル、ニュース放送中に登場したジョイマンも会場を沸かせ、観客の熱を冷めさせなかった。

観客に立ってもらい、全員で「ナナナナ~」をやるジョイマン

観客に立ってもらい、全員で「ナナナナ~」をやるジョイマン [高画質で見る]

敗者復活戦は21組が準決勝の成績をもとに7組ずつA、B、Cの3ブロックに振り分けられ、ネタ順が決められている。「1組目vs2組目」「先ほどの勝者vs3組目」「先ほどの勝者vs4組目」……というタイマン形式で、ランダムに選ばれた観客200人が投票して各ブロックの勝ち残り1組を決定。最後に芸人審査員5人が3組の中から復活するにふさわしい1組に投票し、一番得票数の多かった1組を決勝のステージへ送り出す。

会場を盛り上げた前説のスマイル

会場を盛り上げた前説のスマイル [高画質で見る]

Aブロックは、ミカボが1番手にして3連勝。奇抜なネタにもかかわらず会場の視線を釘付けにしたイチゴは、わずか数%、ミカボに及ばず悔しそうに舞台をあとにしたが、スマイル瀬戸が「イクトが水ガーって飲んで、Tシャツまくり上げてロックスターみたいだった(笑)」と舞台裏での豪快ぶりを報告してファンを安心させた。このブロック最後は、舘野演じる赤ちゃんキャラと本来の42歳の姿の対比が爆笑を生んだネコニスズと、ドラマチックな展開が見応え抜群な20世紀の対決。結果発表を待つCM中、20世紀・木本が赤ちゃんの動きをしてみせ、「M-1」の文字の赤色が「辛そうな色」だと泣いてみせる場面も。舘野が便乗して「えーん」と泣きべそをかいていると、相方ヤマゲンは「お前も負けじとなんか言うねん!」とただ泣くだけの赤ちゃんにツッコんだ。

敗れた悔しさから前髪を上げ、海原雄山みたいになるネコニスズ舘野(左)

敗れた悔しさから前髪を上げ、海原雄山みたいになるネコニスズ舘野(左) [高画質で見る]

Bブロックでは、さらっとボケる細田とコテコテにツッコむ松村のコントラストが持ち味のひつじねいりが健闘したが、脱力感が魅力の例えば炎との対決で敗退。細田がタキノへ「デカいというより、近いよな」と口撃し、ABEMA「チャンスの時間」の企画「フリースタイル口喧嘩バトルトーナメント」でも発揮した悪口の才能を見せつけてその場を去った。その後、ラストイヤーのカナメストーンが15年分の思いを込めた迷いのないパフォーマンスを熱演。ファイナリスト経験者のカベポスターすら退け、このブロックを勝ち抜けた。カナメストーン山口が「厳しい(=うれしい)」と喜びを噛みしめると、カベポスター永見は「狂おしい(=悔しい)」と無念さを伝え、最後は抱き合って奮闘を称え合った。

抱き合うカナメストーンとカベポスター

抱き合うカナメストーンとカベポスター [高画質で見る]

Cブロックは結成1年目の大王が快進撃。敗退が決定したスタミナパンは、麻婆が目頭を押さえる。これは昨年の敗者復活戦で敗れた際、泣いているかに見えた麻婆が本当は泣いていなかった、という敗退パフォーマンスのリバイバル。前回同様「泣いていない」という真顔オチかと思いきや、麻婆は「ちょっと泣いてます」と本心の悔しさを口に。このブロックは圧巻の漫才を見せつけたミキが勝利。豆鉄砲・東は「ああー!」と膝から崩れ落ちたかと思えば、すっくと立ち上がって「さっきは、悔しかったです」と敗北をさっさと過去の出来事にしてしまい、切り替えの速さで驚かせた。

本当にちょっと泣いていたスタミナパン麻婆(中央)

本当にちょっと泣いていたスタミナパン麻婆(中央) [高画質で見る]

芸人審査員を務めたのは、ウエストランド井口、とろサーモン久保田、マヂカルラブリー野田クリスタル、ダイアン・ユースケ、錦鯉・渡辺。最終3組の投票の場面では、重責を感じているのか「嫌だな~」「はあ~」とため息を漏らし、「こわいなあ」「漫才こわいなあ」「漫才はいいよなあ」と言葉をスライドさせて遊びながら緊張感を紛らわす。ステージには各ブロック勝者が顔を揃え、1人だけダウンジャケット姿の20世紀しげに「大井するな!」と芸人審査員たち。かつて敗者復活戦が行われていた極寒の大井競馬場を再現したいしげは、「もっと寒くしてくれ!」と懇願したが、野田に「大井だとしたら(ダウンが)薄い」と指摘されていた。

大井競馬場の過酷さを感じたい20世紀しげ

大井競馬場の過酷さを感じたい20世紀しげ [高画質で見る]

結果はカナメストーンが3票、ミキが2票、20世紀が0票。ミキと20世紀はカナメストーンを熱い抱擁や握手で称え、決勝戦へと見送った。20世紀は木本がまだ勝負を挑みたがる一方、しげが「ダメ出しくださーい!」と審査員にお願い。ステージ上ではひと仕事終えた芸人審査員たちがスマホで記念撮影をしてステージをあとにした。

芸人審査員にダメ出しを求める20世紀しげ

芸人審査員にダメ出しを求める20世紀しげ [高画質で見る]

今年もさまざまな漫才を楽しめた「M-1」。TVerでは決勝戦と敗者復活戦のネタや優勝者記者会見のほか、関連コンテンツが公開されている。

ライブレポート
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「M-1グランプリ2025」敗者復活戦の投票結果

Aブロック

ミカボ(83%) vs おおぞらモード(17%)
ミカボ(55%) vs TCクラクション(45%)
ミカボ(52%) vs イチゴ(48%)
ミカボ(45%) vs ゼロカラン(55%)
ゼロカラン(47%) vs ネコニスズ(53%)
ネコニスズ(44%) vs 20世紀(56%)

Bブロック

センチネル(15%) vs ひつじねいり(85%)
ひつじねいり(64%) vs ドーナツ・ピーナツ(36%)
ひつじねいり(64%) vs フランツ(36%)
ひつじねいり(42%) vs 例えば炎(58%)
例えば炎(37%) vs カナメストーン(63%)
カナメストーン(59%) vs カベポスター(41%)

Cブロック

生姜猫(16%) vs 大王(84%)
大王(65%) vs スタミナパン(35%)
大王(71%) vs 今夜も星が綺麗(29%)
大王(49%) vs 黒帯(51%)
黒帯(32%) vs ミキ(68%)
ミキ(64%) vs 豆鉄砲(36%)

最終投票結果

20世紀:0票
カナメストーン:3票
ミキ:2票

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©M-1グランプリ事務局

読者の反応

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しー @nihyakunayuta

赤ちゃんの画像多すぎるだろ https://t.co/7cih7wvtGY

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