原曲に近いアレンジで
2018年のデビューから5周年を迎えたことを記念し、昨年から今年にかけて過去作のアナログ化、重要文化財や現代建築でのライブ、3rdフルアルバム「DRAMAS」のリリースなどを行ってきた竹内。「THE BEST DRAMAS 2018-2024」は5周年企画の集大成となる公演で、竹内は自身のキャリアを振り返るように新旧のナンバーを惜しみなくパフォーマンスした。披露曲の多くは、原曲に近いアレンジで再現された。弾き語りやDJとのツーピースなどさまざまな編成でライブしてきた竹内にとって、これは珍しいことだ。
伊藤美来が祝福
本公演のチケットはソールドアウト。会場にはメモリアルなワンマンを見届けようと、幅広い世代のファンが集まる。開演アナウンスを務めたのは竹内が作詞した「BEAM YOU」をきっかけに彼女と仲を深めたという
言うても数字やん?
アナウンスが終わると暗転し、バンドメンバーの森光奏太(B /
熱い歓声と拍手を浴びながら竹内は、改めてライブについて説明する。「デビュー曲から最新の楽曲までを網羅してもらえるような、わかりやすい内容になってると思います。5周年を掲げているんですけど、言うても数字やん?って。『あなたらしくいなくてどうすんねん!』と思ってるので、皆さんがあなたらしく楽しんでいただければと思います」とコテコテの関西弁を交えながら、観客に呼びかけた。その後、「ICE CREAM.」では屋嘉一志(Sax)も加わって厚みの増したサウンドに甘やかな歌声が溶け合い、「Ordinary days」ではアコースティックギターの音色がシンボリックに響いた。
この日限りのメドレー
竹内のよどみない英語のセリフが印象的な「DRAMAS」のあとには、近年のライブ定番曲「WILD & FREE」へ。開放感たっぷりのバンドサウンドの上で、竹内は歌とラップを自在に行き来しながら、ポジティブなメッセージを放つ。佐瀬悠輔(Tp)も加わったフルメンバーでグルーヴィな「TOKYO NITE」「made my day」が畳みかけられると、場内の空気は一変。ジャジーなサウンドによって、しょうしゃなムードが広がった。
ライブが終盤へと向かう中、披露されたのはこの日限りのメドレー「AT Medley 2018-2024」。ギターのストロークをきっかけに「WONDERLaND mAGIC」でメドレーが始まり、「Chili Chili Chillax」や「泡沫SUMMER」がパフォーマンスされ、ホールの熱気を一気に高めた。ここで竹内は音楽活動を始めた頃を振り返る。「13歳のときに初めてギターを持ったので、今年で音楽を初めて13年。もともと口下手で、アウトプットする手段の1つとしてギターを始めたんですね」と当時を懐かしみ、「音楽という道を見つけてここまで続けてこれたのはすごいことだと思います。こんな大勢の皆さんの前で歌えるようになったのは音楽の持つ力のおかげです。これからも皆さんの生活に魔法をかけていきたいし、皆さんに寄り添っていたいです」と観客にメッセージを送った。その流れで、竹内はファンとの特別なひとときを噛み締めるように「最幸のふたり」「手のひら重ねれば」を届け、デビュー当時から歌い続けてきた「I My Me Myself」で本編を終えた。
“黒歴史ノート”を開くと
アンコールを求める拍手でステージに呼び戻された竹内は、アコギで「Love Your Love」を弾き語り。客席に向かって真摯にパフォーマンスする姿が、スポットライトで美しく浮かび上がった。
今回のライブにあたって自身のこれまでを振り返ったという竹内。自宅で“黒歴史とも言えるノート”を発掘した彼女は、「デビューするためにすべきこととか、何歳までに何をするとか目標が書いてあって。ノートを見返して、実現しなかったこともあるけど、叶ったこともたくさんあるなと思って、それがうれしかったんですよね。正解を選び続けた先で皆さんと出会えてるから、音楽をコツコツやってきてよかったなと思います」とあふれる思いを言葉にした。最後に竹内はバンドメンバーを呼び込んで代表曲の1つ「RIDE ON WEEKEND」を披露。何度も手を振りながら、名残惜しそうな表情でステージを去った。
すべての曲目が終了したあと、ホールには竹内の友人・幹葉(
竹内は10月から12月にかけてスリーピース編成のライブツアー「THE BEST DRAMAS TOUR」を行う。
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浜野 カズシ @hamanokazushi
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