映画ナタリー Power Push - 「X-ミッション」

佐野岳を驚かせた“リアルでクレイジー”な極限アクション

2月20日より公開される「X-ミッション」。「ワイルド・スピード」の撮影監督エリクソン・コアがメガホンを取った本作は、エクストリームスポーツを駆使して前代未聞の犯行を行う犯罪集団に潜入したFBI捜査官ユタの世界を股にかけた戦いを、壮大なスケールで描くサスペンスアクション大作だ。

映画ナタリーでは全3回にわたって本作を特集。第2弾となる今回は、「仮面ライダー鎧武/ガイム」やスポーツバラエティ番組「究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦」などで芸能界トップクラスの身体能力を発揮している俳優・佐野岳に、世界トップアスリートたちが披露している極限のスタントや、佐野自身のアクションへの思いを聞いた。

取材・文 / 平野彰 インタビュー撮影 / 佐藤類

信じられないアクションに思わず「わー!」って声が出た

──まずは、映画をご覧になった感想をお願いします。

ど頭から最後まで信じられないようなアクションばかりで、驚きのあまり口が開きっ放しになっちゃいました(笑)。すごく細い尾根をモトクロスバイクで走るオープニングから「マジかよ! これ、CGじゃなくて本当にバイクで走ってる」って思いながら観てましたね。それから、バイクに乗ったままジャンプして岩柱に飛び移るシーン! あそこは思わず「わー!」って声が出ました!(笑)

──映画の冒頭からすごい迫力ですよね。

「X-ミッション」のサーフィンシーン。

巨大な波を乗りこなすサーフィンのシーンにも驚きましたね。3Dのすごさを一番感じたのはこのシーンで、ものすごく高い波の中を自分自身がくぐってるような感覚を覚えました。いつも、波でできたトンネルをくぐるサーファーたちの写真や映像を見て、「どんな景色なんだろう? 自分もこんなところに行けたらいいな」と思ってたんですけど、それを映画館でこんなふうに体験できるのがすごくいいなと感じましたね。

──3D効果がはっきりと感じられましたか?

「X-ミッション」のフリークライミングシーン。

そうですね。クライマックスのひとつ、フリークライミングのシーンなんかは、奥行きとか崖の垂直さが感じられる映像になっているので、「こんなところに腕1本でぶら下がってるのか!」と驚いて。どれだけクレイジーなスタントをやってのけてるのかがよくわかりました。僕は自分自身でアクションシーンを演じることも多いので、「さすがにこんなことまではできないな」と驚きながら観てましたね。

──佐野さんほどアクションができる方だと、CGではなく生身でスタントをやっているかどうかも判断できたりするものなんでしょうか?

わかりますね。本当にアクションができる俳優だったら、ここでカットを割って引いた画に切り替える必要はないよなと思ったりします。その点「X-ミッション」は本当にリアルなので、観ていて引っかからないんですよ。本来アクションっていうのは生身で演じてこそ迫力が伝わるものだと思うんです。本物“らしく”見えるようなCGが当たり前になっている今の時代だからこそ、「X-ミッション」を観ると生身でアクションシーンを作ることの大切さがわかりますね。僕自身も、アクションのリアリティというものには今後もっと貢献していきたいと思っています。

常に「挑戦」。忍者に憧れていた幼少時代

──「X-ミッション」ではそのほかにも、ウイングスーツフライングやスノーボードなどのエクストリームスポーツが登場します。佐野さんが挑戦してみたいものはありましたか?

「X-ミッション」のウイングスーツシーン。

(食い気味に)僕はウイングスーツですね。

──ウイングスーツは非常に危険な種目で、年間20人ほどが亡くなっているそうですが……。

20人って、多いですね……。でも、やっぱり挑戦してみたいです。 僕、小さい頃から忍者に憧れていて。小学校低学年ぐらいから、“修行”とかいって近くの公園のアスレチックを変な登り方で制覇したりしてたんですよ(笑)。ユタとボーディみたいに、それが自分に課せられたミッションのような気持ちで臨んでましたね。だから小さい頃から生傷が絶えなかったんです。

──幼少期から「挑戦」の姿勢が培われていたんですね。

佐野岳

今でもたまに修行しますよ。映画では、ボーディがミッションを行う中で見つける進むべき活路を“ライン”と表現してますよね。僕は前から、あのラインみたいなものを東京の人混みの中で見つけ出して、素早く動く練習をしてたんです(笑)。だから映画の中の、「このラインは美しい」っていうセリフにすごく共感できて。ボーディたちが見ていたラインは僕が見ていたのとは比じゃないレベルのものでしょうけど。また街に繰り出して、自分のラインを見つけようと思ってます(笑)。

Contents Index
第1回 谷垣健治が語る「X-ミッション」
第2回 佐野岳が語る「X-ミッション」Coming Soon
第3回 Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)が語る「X-ミッション」

「X-ミッション」2016年2月20日より2D&3Dで公開

「X-ミッション」

若きFBI捜査官ジョニー・ユタに下されたミッションは、超一流アスリートの犯罪集団への潜入捜査。エクストリームスポーツのカリスマ、ボーディが率いるこの集団は、その天才的なスポーツスキルを駆使し、前代未聞の方法で次々と犯罪に手を染めているというのだ。自らも元アスリートであるユタは、ボーディに度胸と才能を認められ、チームに招き入れられる。命を危険に晒しながらともに行動するうちに、ボーディとの友情と捜査官としての正義に引き裂かれるユタ。果たして、決定的な証拠を掴み、彼らを捕えることができるのか? そして明かされる、彼らの本当の目的とは──!?

※映倫区分:PG12

スタッフ

監督・撮影:エリクソン・コア
脚本・製作:カート・ウィマー
音楽:トム・ホーケンバーグ

キャスト

ボーディ:エドガー・ラミレス
ジョニー・ユタ:ルーク・ブレイシー
サムサラ:テリーサ・パーマー
ホール教官:デルロイ・リンドー
パパス:レイ・ウィンストン

イメージソング

MAN WITH A MISSION「Give it Away」(ソニー・ミュージックレコーズ)

佐野岳(サノガク)
佐野岳

1992年4月3日、愛知県生まれ。2011年11月、第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し、翌年6月には舞台「SAKURA」で俳優デビューを飾る。2013年には映画「『また、必ず会おう』と誰もが言った。」、特撮テレビドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」で主演。「仮面ライダー鎧武/ガイム」では卓越した身体能力を生かして自ら多くのアクションシーンをこなしたほか、バラエティ番組「究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦」では第1回と第5回において総合優勝を果たした。そのほかテレビドラマや舞台「『終わりのセラフ』The Musical」への出演など活動の幅を広げ続けているほか、4月2日と3日には東京・豊洲PITで行われるイベント「Ever Green Entertainment Show 2016 Vol.5」に参加する。


2016年2月19日更新