西森路代とWOWOWドラマ漬けの1週間
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日曜日「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」
スタートの日曜日は前から観たかったサスペンスアクションを。「ミアタリ」と言う言葉はNHKのドキュメンタリーを観て興味がありました。原作は2012年の羽田圭介さんの小説。犯人の顔をとにかく覚えて逮捕する刑事の執着と、逮捕できない期間が続いたときの焦燥感が伝わってくるし、主人公の白戸崇正(玉木宏)がある人物の顔を覚えて確保しようとしたことから次第に大きな事件にのみ込まれていく様子もスリリングでした。町田啓太さんがちょっと荒々しくもかわいいところのある白戸の後輩捜査官を演じているのにも注目。
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月曜日「WOWOWオリジナルドラマ グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ」
金田淳子さんの原案でBLについて1日に30時間も考え続ける人の話と聞けば、月曜のこれからまだ1週間残っている憂鬱さを吹き飛ばしてくれるのではないかと思って、気軽な気持ちで観始めました。松本穂香さんが演じる主人公の児島あかねの見事なオタクっぷりや、後輩からの告白や同級生も含めてのおせっかいや勘違いにイラつきながらも笑い、最終的には、何か崇高なものを感じて感動すらしてしまいました。一気に見せる脚本がうますぎると思ったら、ヨーロッパ企画の上田誠さんで納得。
こちらの作品もお薦め!WOWOW厳選ウォッチリスト「マンガ好きは必見!なドラマ」
©︎「グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ」製作委員会
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火曜日「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」
火曜日はシリアスで考えさせられるけれど、満足感もある作品を。星野源さん主演。旅行代理店の社員が、思わぬことで現行犯逮捕されてしまい、何もかもが奪われ、プラージュと呼ばれるシェアハウスにたどり着きます。自分の意志に限らず、罪を犯してしまった人が再生をするのがいかに難しいかが身に染みました。主人公が、最初はうっすらとした傲慢なところが見える(だからこそごくごく普通の)キャラだったのが、次第に変化していきます。1人ではどうにもならないときに、誰かにとってプラージュのような共生できる場所があればいいのにと思いながら観ました。
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水曜日「WOWOWオリジナルドラマ がんばれ!TEAM NACS」
WOWOWといえばTEAM NACS!と勝手に思っているのですが、この作品の発表があったときも心が躍りました。一見ナンセンスなギャグと、リアルとフェイクの境界のあいまいさが面白かったです。何度も観たいのは大泉洋さんと瑛人さんの掛け合いの歌のシーンと、同じく大泉洋さんと細川たかしさんの歌のシーン。2021年の「紅白歌合戦」で2人のデュエットを観たときは、まっさきにこのドラマを思い出しました。水曜日、あと少し乗り切るのがしんどいなと思ったときに、面白い場面を観返して笑いたいときに。
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木曜日「連続ドラマW プラチナタウン」
元エリート社員が、財政難の故郷を救うために無投票で町長になり、財源を確保しようと老人養護施設の誘致という大胆な提案をするドラマ。いまでこそ、日曜劇場でリーダーシップを発揮する役を演じる大泉洋さんの姿を見るようになりましたが、2012年の放送時は珍しかったと思います。町長に対抗する役として、議会を裏で牛耳る議員を柄本明さんが演じています。日本の議会や企業には、いかにもこんな人がいそうだという現実味が出ていました。昨日のTEAM NACSで笑った余韻に浸りながらも、俳優・大泉洋に注目しながら観たい作品。
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金曜日「連続ドラマW 私という運命について」
バブルの終わり、総合職で商社に入社した女性の人生について911や新潟県中越地震などの実際の出来事を絡めながら描いた作品。白石一文さん原作で岡田惠和さんが脚本を手がけ、永作博美さんが主演を務めています。女性が宴会のホステスのような役割をさせられたり、総合職でどんなに営業で成績を上げても、希望する部署での仕事を続けさせてもらえなかったりと、女性に降りかかる困難の歴史にも注目して観ました。そんな中、同期でプロポーズまでされた恋人(江口洋介)との、同志的な、しかも何年にもわたる関係性がよかったです。金曜に落ち着いた気持ちで観たいと思いました。
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土曜日「WOWOWオリジナルドラマ ヒル」
行き場のない若者たちが、人のいない時間を狙って誰かの家に忍び込み、こっそりと何かを食べたり、睡眠をとったりしながら生きている。彼らのように寄生しながら生きる人たちは「ヒル」と呼ばれていました。そんなマンガをもとにしたドラマです。前半は赤楚衛二さんが、後半は坂口健太郎さんが主演を務めています。実際、貧困などにより、社会から隔絶した人は増えているだろうし、ありえない話ではないのではと思いました。もしも、ヒルのような暮らしもできないなら、その人たちは、どうやって生きていくのだろうと、近い未来を思い浮かべてしまいました。土曜の晩にハラハラしたり考えたりしながらじっくり観たい作品。
プロフィール
西森路代(ニシモリミチヨ)
1972年生まれ。ライター。香港、台湾、韓国、日本におけるテレビドラマ・映画などのエンタテインメント、女性の生き方などを主なテーマとしている。共著に「韓国映画・ドラマ: わたしたちのおしゃべりの記録2014~2020」など。
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