映画界の一大イベントであるアカデミー賞の季節が近付いてきた。第95回の授賞式が日本時間3月13日にWOWOWで生中継される。
授賞式は、華やかなエンタテインメントとしての魅力はもちろん、受賞結果やスピーチに、その時々の世相が反映されるから面白い。本特集では映画ジャーナリストの宇野維正が、授賞式の空気を作り上げるのに重要な役割を果たす司会者の存在と近年のオスカーの関係を紐解く。後半では9・11以降のアメリカ社会と、アカデミー賞の結果や授賞式がいかに相互に影響し合ってきたか年表形式で振り返った。
コラム / 宇野維正年表制作 / 奥富敏晴
アカデミー賞の司会は“世界でもっとも難しい仕事”?
百戦錬磨のジミー・キンメル、5年ぶりの帰還
文 / 宇野維正
昨年のアカデミー賞で作品賞を受賞した映画をパッと思い出せない人でも、例のウィル・スミスによるクリス・ロック殴打事件のことを覚えている人は多いだろう。1年経ってみると「あそこまで大騒ぎすることだったのか?」と思わないでもないのだが、北米をはじめ海外のメディアはもちろんのこと、近年アカデミー賞に限らず海外のエンターテインメント発のニュースで他に例を見ないほど日本のニュースや情報番組でも繰り返し取り上げられて、ネット上でもしばらくはあの事件と、そこから派生した様々な議論で持ちきりだった。
ちょっと苦笑してしまったのは、二次情報や三次情報をもとにしたチープなネットメディアだけでなく、大手メディアの中にもウィル・スミスが平手した相手を「司会のクリス・ロック」と報じているものが散見されたことだ。それを真に受けて、昨年のアカデミー賞の司会がクリス・ロックだったという誤情報を記憶にインプットしている人もいるのではないか。皆さん、アカデミー賞について語るならせめてちゃんと中継は見ましょう。確かに過去にクリス・ロックがアカデミー賞の司会を務めたことはあったが、それは2005年の第77回アカデミー賞と2016年の第88回アカデミー賞のこと。昨年の第94回アカデミー賞で登壇したのは、長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターとしてだった。
アカデミー賞の司会をこれまでもっとも多くの回数務めたのはボブ・ホープで、実に19回(単独では14回)。その次がビリー・クリスタルの9回で、続いてジョニー・カーソンの5回。つまり、かつては白人のスタンダップコメディアンの独壇場であった。今年の司会を務めるジミー・キンメルは2018年の第90回アカデミー賞に続いて今回が3回目となるわけだが、いわばそれは久々の伝統回帰とも言えるわけだ。しかし、ここに到るまで近年のアカデミー賞では司会者を巡って紆余曲折があった。
2019年の第91回アカデミー賞では、初めて司会に抜擢されたケヴィン・ハートが、その発表があった2日後に辞退を申し出ることになった。彼が司会を務めることが発表されると、10年ほど前に彼が投稿していた複数の同性愛嫌悪的なツイートがソーシャルメディア上で発掘されてキャンセル騒動が起こったためだ。ケヴィン・ハートの辞退を受けて、アカデミー賞の運営側は前年、前々年に司会を務めたジミー・キンメルのほか、クリス・ロック、セス・マクファーレン、エレン・デジェネレスら人気コメディアンたちに接触したと伝えられたが、引き受ける者は誰もなかった。それは「自分も過去の発言やツイートが発掘されたらたまらない」という理由以上に、同業者であるケヴィン・ハートを守ろうとしなかった運営、そして北米のエンターテインメント界で当時吹き荒れていたキャンセルカルチャーに対する抗議の意味もあったに違いない。
結局この時の司会者キャンセル騒動が尾を引いて、翌年の第92回アカデミー賞も司会者不在のまま開催。さらに、COVID-19の影響で会場の収容人数が制限されたイレギュラーな形式で行われた第93回アカデミー賞でも、司会者のポジションは空白のまま。昨年開催された第94回アカデミー賞で、4年ぶりにようやく授賞式に司会者が復活した。大役を引き受けたのは、レジーナ・ホール、エイミー・シューマー、ワンダ・サイクスという女性コメディアン3人だった。
歴代のアカデミー賞の司会者でコメディアンの比率が圧倒的に高いのは、コメディアンが会場を和ます話芸に長けているというだけでなく、アカデミー賞授賞式があくまでも4大ネットワークの一つABCの年に一度のビッグなTVショーであるという側面が大きい。端的に言えば、テレビ番組で人気のコメディアンを起用することで、スポンサー収入に直結する視聴率を少しでも稼ぎたいわけだ。さらに、アイデンティティ・ポリティックスが前景化して、ノミネート作品や受賞作品の監督および俳優のジェンダーや人種の偏りへの批判が渦巻くようになった2010年代以降のアカデミー賞では、司会者には授賞式全体におけるガス抜き的な役割も求められるようになってきた。もともと北米のコメディアンの多くは社会問題やジェンダー問題や人種問題についてギリギリのところを突いて、それを笑いに転じることを生業としているだけに、アカデミー賞授賞式のコメディアン依存は増すばかりだった。
そういう意味でも、レジーナ・ホール、エイミー・シューマー、ワンダ・サイクスの3人は、北米での人気だけでなく、そのジェンダーや人種の属性においても妥当な2022年的チョイスだったと言っていいだろう。冒頭から「今年、アカデミー賞は3人の女性を司会者として雇いました。男性1人を雇うより安いからですね」とカマしたエイミー・シューマーの発言に大いに湧く会場の雰囲気は、アカデミー賞授賞式に「平常運転」が戻ってきたことを印象づけてくれた。
しかし、会場のJ・K・シモンズの容姿をイジったり、キルスティン・ダンストを「席埋め係」と呼んだり、会場にいないレオナルド・ディカプリオのガールフレンド歴をネタにしたりするなど、3人(主にエイミー・シューマーだったが)の過度な俳優いじりには視聴者から「やりすぎ」という声も上がった。司会のコメディアンが出演者の中で誰よりも優位に立つのは、日本のバラエティ番組でも見られる現象で、特にドメスティックな文脈(北米における彼女たちの人気の高さやレギュラー番組での言動)を知らない視聴者ならば違和感を覚えることも多いだろう。それよりも個人的に昨年気になったのは、作品賞にノミネートしていた「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の紹介の際に「途中で寝た」などと、特定の作品を貶めるような発言がいくつかあったことだったが。
誰も望まないかたちで昨年のアカデミー賞における「主役」となってしまったウィル・スミスもまた、序盤に司会者たちから妻ジェイダ・ピンケット・スミスとの関係を揶揄されるくだりがあって、それも少なからずその後の殴打事件の伏線の一つになっていたのではないかと思う。いずれにせよ、アカデミー賞の司会者とは、高度な喋りのテクニックやユーモアのセンスだけでなく、俳優たちとの信頼関係、ファンダムへの配慮、ノミネート作品に関する最低限の敬意、さらには万が一放送中に殴られたとしても動じずに仕事をやりきる(昨年のクリス・ロックの事後対応はさすが二度の司会経験者と言えるものだった)ことまで求められる(?)、とても難易度の高い仕事であることを、昨年のアカデミー賞が改めて証明したのではないか。
という近年の流れをふまえておくと、今年の第95回アカデミー賞授賞式の司会者として、これまで数々の炎上も乗り越えてきた、百戦錬磨のジミー・キンメルが5年ぶりに帰ってくることも腑に落ちる。司会のコメディアンにはやっぱりギリギリのところを攻めて番組全体を盛り上げてほしい。でも、昨年のようなトラブルだけは避けたい。そのひとまずの最適解が頼りになるジミー・キンメルだったということだろう。ちなみに、ジミー・キンメルといえば「困った時のマット・デイモン」と言いたくなるほど、執拗なマット・デイモンいじりで知られているのだが、とりあえず今年ノミネートされた作品や俳優を見渡す限り授賞式にはいなそう。マット・デイモンのファンとしては、そのことにちょっとホッとしていたりもする。
- 宇野維正(ウノコレマサ)
- 映画・音楽ジャーナリスト。著書に「1998年の宇多田ヒカル」、「小沢健二の帰還」、「2010s」(共著)など。YouTubeでは車を運転しながら映画について話す番組「宇野維正のMOVIE DRIVER」を不定期で配信中。2023年6月に新著「ハリウッド映画の終焉」(集英社新書)刊行予定。
時事年表
アカデミー賞年表
2001
- 4月
オランダにて同性婚が世界で初めて認められる
- 9月
アメリカ同時多発テロが発生。約3000人が犠牲に
- 11月
米マリナーズのイチロー、MVPと新人王受賞
- 10~12月
米軍など有志連合がアフガン攻撃。タリバン政権崩壊
- 第74回アカデミー賞(2002年3月24日)
作品賞「ビューティフル・マインド」 - 授賞式はトム・クルーズが登場し、9・11の犠牲者に祈りを捧げる形で幕開け。「トレーニング デイ」のデンゼル・ワシントンと「チョコレート」のハル・ベリーが主演賞を受賞し、黒人俳優の同時受賞は史上初の出来事だった。この年は、1962年に黒人として初めて主演男優賞を受賞したシドニー・ポワチエが名誉賞を受け取り、ウーピー・ゴールドバーグが司会を務めるなど、ハリウッドにおけるブラックパワーが存在感を示した授賞式に。新設された長編アニメーション部門では「シュレック」が第1号の受賞作に輝いている。
2002
- 1月
ブッシュ米大統領が北朝鮮、イラン、イラクの3カ国を「悪の枢軸」と非難
- 5月
日韓ワールドカップが開幕。日本が初のベスト16入り
- 9月
初の日朝首脳会談が実現
- 10月
インドネシア・バリ島で大規模爆弾テロ
ロシアでモスクワ劇場占拠事件が発生
- 11月
米中間選挙で共和党が歴史的勝利
- 第75回アカデミー賞(2003年3月23日)
作品賞「シカゴ」 - 2003年3月20日にイラク戦争が勃発。授賞式は直後の3月23日に行われたが、レッドカーペットは中止され、テロ警戒のため会場警備はかつてない厳戒態勢となった。主演男優賞は「戦場のピアニスト」で戦争の狂気の中を生き抜くピアニストを演じたエイドリアン・ブロディ。プレゼンターのハル・ベリーに熱烈なキスをするほど盛大に受賞を喜びながら、スピーチでは「あなたの信じる神がどんな名前であろうと、ご加護がありますように」と戦争の悲惨さに触れた。また長編ドキュメンタリー賞を受賞したマイケル・ムーアがブッシュ政権を批判し、反戦を訴える一幕も。日本からは宮崎駿の「千と千尋の神隠し」が長編アニメ賞を受賞している。
2003
- 3月
イラク戦争が勃発
新型肺炎(SARS)が世界各地で流行
- 5月
ブッシュ米大統領が事実上の戦闘終結宣言、以降もテロや戦闘が相次ぐ
- 8月
アメリカ・カナダで大停電、5000万人に影響
- 第76回アカデミー賞(2004年2月29日)
作品賞「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 - シリーズ完結編となった「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」が作品賞、監督賞など11部門で受賞。「ベン・ハー」「タイタニック」に並ぶ史上最多の記録で、ファンタジー映画としての作品賞は歴史的快挙だった。受賞は逃したものの、ソフィア・コッポラが監督賞にノミネート。これは女性として史上3人目、アメリカ人女性としては初めてのことだった。日本からは渡辺謙が「ラスト サムライ」で助演男優賞、「たそがれ清兵衛」が外国語映画賞(現・国際長編映画賞)の候補に挙がり、大きな注目を集めた。
2004
- 2月
米マサチューセッツ州で同性婚が合法化、米国初
- 8月
アテネオリンピックが開幕
- 11月
米大統領選で同性愛者の結婚が争点の1つに
- 12月
インドネシア・スマトラ島沖地震が発生
- 第77回アカデミー賞(2005年2月27日)
作品賞「ミリオンダラー・ベイビー」 - 1992年の「許されざる者」以来、2回目となる作品賞・監督賞の同時受賞を成し遂げたクリント・イーストウッド。 実はこの年、ウィル・スミスによる平手打ち事件が記憶に新しいコメディアン、クリス・ロックが初司会を務めている。政権批判や黒人候補者の少なさを嘆きつつ、過激なジョークを言いたい放題。ラジー賞を前夜にもらったばかりのハル・ベリーを「『キャットウーマン2』が観たいね」とからかう一幕も。今振り返ると、2022年にウィル・スミスの脱毛症に苦しむ妻ジェイダ・ピンケット・スミスをネタにした「『G.I.ジェーン2』が待ちきれないよ」を連想せざるを得ない。ラジー賞から人の外見をからかう頭髪いじりへと意味合いを変えた17年越しの“天丼”はオスカーの夜を、そして世界を騒然とさせてしまう。
2005
- 2月
YouTubeが設立
- 7月
ロンドンなど世界各地でテロが相次ぐ
- 8月
超大型ハリケーン「カトリーナ」が米南部を直撃
- 第78回アカデミー賞(2006年3月5日)
作品賞「クラッシュ」 - 本命不在と言われた第78回。人種問題を扱った群像劇「クラッシュ」と、ゲイのカウボーイを主人公に据えた西部劇「ブロークバック・マウンテン」が作品賞と監督賞を分け合う形で決着となった。この年「シリアナ」で助演男優賞を受賞したジョージ・クルーニーは「ハリウッドと世間のズレ」を前向きに捉えるスピーチで喝采を浴びている。映画がいち早くエイズの問題を描いたこと、黒人の市民権が認められていなかった時代にアフリカ系のハティ・マクダニエルにオスカーを授与していたことに触れ、「私は誇りに思います。このコミュニティの一員であることを、そして、世間からそういう意味で、ずれていることを」と語っていた。
2006
-
- イラクでテロが激化、内戦の危機に
- 中国経済が高成長、4年連続で成長率が10%超え
- 1月
ディズニー、ピクサーの買収を正式発表
- 5月
全米各地で100万人超規模のデモ、不法移民規制法案に抗議
- 11月
イラク戦争が争点、米中間選挙で共和党が大敗
- 第79回アカデミー賞(2007年2月25日)
作品賞「ディパーテッド」 - ノミネートは国際色豊かな傾向にあり、中でもメキシコからは過去最多。のちにアカデミー賞を席巻する“スリーアミーゴス”の3人、ギレルモ・デル・トロ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、アルフォンソ・キュアロンが顔をそろえた。レオナルド・ディカプリオが「オスカー史上初めて環境保護を意識した授賞式です」と語り、長編ドキュメンタリー賞を受賞する「不都合な真実」を製作した元米副大統領のアル・ゴアと登壇する一幕も。オスカーは司会としてコメディアンのエレン・デジェネレスを抜擢。同性愛者であることを公表している最初の司会者となった。巨匠マーティン・スコセッシがついに作品賞、監督賞を受賞した年でもある。
2007
- 1月
Netflixが配信サービスを開始
- 6月
iPhone発売
- 8月
米サブプライム問題、国際的な金融危機に
- 11月
Amazon Kindle発売
- 12月
ゴア元米副大統領がノーベル平和賞を受賞、地球温暖化への関心高まる
- 第80回アカデミー賞(2008年2月24日)
作品賞「ノーカントリー」 - 11月に始まった全米脚本家組合のストライキで開催が危ぶまれた第80回の授賞式。約1万2000人の組合員が求めたのは、映画製作における正当な報酬を受け取る権利と、“ネット配信などの新しい媒体”によって生まれる利益配当の引き上げ。2007年1月にNetflixがDVDレンタルから配信事業への移行を始めたばかりとは言え、視聴環境が様変わりした今になってみると、脚本家組合の業界の変化を見据えた迅速な行動に驚く。短編ドキュメンタリー賞の発表では、バグダッドからの中継でイラクに駐留する米兵が登場。アメリカが戦時下にあることを改めて知らしめた。
2008
- 5月
中国四川省で大地震、死者・行方不明者が8万人を超える
米カリフォルニア州で同性婚が合法化、11月には住民投票で廃止に
- 8月
北京オリンピックが開催
- 9月
リーマンショック発生、世界経済は大恐慌以来の景気後退へ
- 11月
民主党のバラク・オバマが米大統領選で当選、黒人大統領の誕生は米史上初
- 第81回アカデミー賞(2009年2月22日)
作品賞「スラムドッグ$ミリオネア」 - 「ミルク」で2度目の主演男優賞を獲得したショーン・ペン。ゲイを公表したうえで公職に就いた米国最初の人物であり、社会的弱者の権利獲得を訴えたハーヴェイ・ミルクを演じたペンは、合法化された同性同士の結婚を反対派が住民投票で廃止に追い込んだカリフォルニア州の出来事にスピーチで言及していた。「同性結婚反対に票を入れた人たちに、この機会に考え直してほしい。考えを変えないのなら、子孫の代まで恥は続きます。平等の権利は誰にでもなくてはならないもの」と力強く訴えている。なおこの年、日本の「おくりびと」が外国語映画賞を受賞している。
2009
- 4月
米自動車大手クライスラー、ゼネラル・モーターズが相次ぎ破綻
- 6月
新型インフルエンザ、WHOがパンデミックを宣言
マイケル・ジャクソンが死去、10月には「THIS IS IT」が公開
- 7月
中国・新疆ウイグル自治区で大規模暴動
- 12月
アフガン進攻から8年、戦況は泥沼化。米は3万人の増派へ
- 第82回アカデミー賞(2010年3月7日)
作品賞「ハート・ロッカー」 - 作品賞ノミネートの上限が5本から10本に拡大され、ヒット作や娯楽作も入ったバラエティ豊かなラインナップに。3Dを普及させた「アバター」が興行収入の歴代記録を塗り替えたが、オスカーの栄誉はイラク戦争の死と隣り合わせの日常を生きる爆発物処理班を描いた「ハート・ロッカー」に渡った。そして監督のキャスリン・ビグローが女性として初の監督賞を受賞した記念すべき年に。プレゼンターを務めたのは、1983年に「愛のイエントル」でゴールデングローブ賞の作品賞、監督賞を受賞していたものの、アカデミー賞ではノミネートから外れたバーブラ・ストライサンドだった。
2010
- 1月
ハイチで大地震、推定25万人が死亡
- 10月
チリ鉱山、落盤で閉じ込められた作業員33人が奇跡の生還
- 11月
米中間選挙で民主党が大敗、雇用・経済政策でオバマ政権への失望感が拡大
ウィキリークスが米政府の機密公文書を大量公開
- 12月
アラブの春、北アフリカや中東のアラブ諸国で民主化運動が広まる
- 第83回アカデミー賞(2011年2月27日)
作品賞「英国王のスピーチ」 - 作品賞は重度の吃音に悩んだジョージ6世を描いた「英国王のスピーチ」と、Facebook創業の秘話を描く「ソーシャル・ネットワーク」という実話ものの一騎打ちに。Facebookが中東の「アラブの春」で大きな役割を果たしたおかげで「ソーシャル・ネットワーク」に注目は集まっていたものの、作品賞はもともと有力視されていた「英国王のスピーチ」に授与された。司会は若い観客へのアピールを図ったのか、話題作への出演が続いていたジェームズ・フランコとアン・ハサウェイ。アカデミー賞では珍しく、若手俳優の2人が司会を務める授賞式となった。
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アカデミー賞年表 2011年~2022年