映画ナタリー Power Push - 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
長谷川博己インタビュー 念のこもった世界で自由を生きる
脚本に書いてあることがすべて
──人気マンガの実写化ということにプレッシャーは感じませんでしたか?
プレッシャーは特に感じませんでしたが、マンガ作品を実写化する上で、どこまでの演技が生身の俳優に許されるのか。そのさじ加減がとても難しかったです。
──そのさじ加減に悩むことはありませんでしたか? 迷ったときは、やはり脚本に立ち返るんですか。
そうですね。脚本に書いてあることがすべてかとも思いますので。一切原作を読まないで、台本の情報だけで演じるっていう名優さんもいらっしゃいますしね。そういうふうな考え方もいいだろうなと思っています。
──でも長谷川さんは原作も読まれたんですよね。
そうですね。僕は原作を読みますけど、そういう人の話を聞いていると、心強く思いますね。原作を読んでいる観客の方は当然いますけど、「映画は映画」だと思いますし。だからあまり原作やその人気に囚われすぎるのもよくないな、という気がしています。
三浦春馬とは本気でぶつかり合った
──後編の中で印象に残っている場面はありますか?
やっぱり(三浦)春馬くん演じるエレンと殴り合うシーンですね。
──激しいアクションシーンに仕上がっていますね。撮影時は、三浦さんと相談しながら動きを作っていったんですか?
そうですね、春馬くんと何度も一緒に練習しましたし、真剣に体と体でぶつかり合った感じですね。
──スクリーンからも本気でぶつかり合っている感じが伝わってきました。
ええ。春馬くんが本気でぶつかってくるので、僕も本気でやり返さなくちゃと思いました。あのシーンは一連の流れを一気に撮影したので、なかなか難しかったんです。だけどできあがったシーンを観たらすごく上手に編集されていて、満足できるシーンになりました。
壮大な世界観に惹かれる
──長谷川さんは「海月姫」「鈴木先生」など本作以外でも、人気マンガの実写化作品に出演されていますが、長谷川さんの好きなマンガを教えていただけますか?
手塚治虫先生の「火の鳥」ですね。
──そうなんですね。では今後実写化してほしい映画、あるいは実写化したら出演してみたい作品はありますか。
同じく手塚治虫先生の「アドルフに告ぐ」とかをやりたいです。
──「アドルフに告ぐ」も素晴らしいですよね。手塚マンガがお好きなんですか?
とても好きですね。幼少期から読んでいるので思い入れもありますし。特に「火の鳥」のいろいろな時間軸が入り交じる、壮大な世界観に惹かれます。
──なるほど。長谷川さん出演で「アドルフに告ぐ」が実写化されることを願ってます。
ありがとうございます。
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「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」全国東宝系にて公開中 / 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」2015年9月19日より全国東宝系にて公開
スタッフ
監督:樋口真嗣
原作:諫山創(講談社「別冊少年マガジン」連載中)
脚本:渡辺雄介、町山智浩
特撮監督:尾上克郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「SOS」
音楽:鷺巣詩郎
キャスト
エレン:三浦春馬
シキシマ:長谷川博己
ミカサ:水原希子
アルミン:本郷奏多
ジャン:三浦貴大
サシャ:桜庭ななみ
サンナギ:松尾諭
フクシ:渡部秀
ヒアナ:水崎綾女
リル:武田梨奈
ソウダ:ピエール瀧
ハンジ:石原さとみ
クバル:國村隼
長谷川博己(ハセガワヒロキ)
1977年3月7日、東京都生まれ。2001年、文学座附属演劇研究所に入所し、2002年に舞台「BENT」で俳優デビューを果たす。以後、舞台を中心に活躍。2008年のドラマ「四つの嘘」で初のレギュラー出演を務め、活動の軸を映像作品に移す。2011年公開の「セカンドバージン」で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、2011年のドラマ「家政婦のミタ」で東京ドラマアウォード助演男優賞を受賞。11月に「劇場版 MOZU」、2016年初夏に「二重生活」の公開が控えている。
スタイリング / 熊谷隆志
ジャケット、シャツ、デニムパンツ / 以上すべてato
2015年9月18日更新