阪元裕吾のレビュー&河井克夫のレビューマンガで魅力を読解「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」 (2/2)

河井克夫がレビューマンガを描き下ろし!

河井克夫のレビューマンガ。 河井克夫のレビューマンガ。

プロフィール

河井克夫(カワイカツオ)

1969年4月16日生まれ、愛知県出身。1995年にマンガ雑誌ガロでデビュー。主な作品に「女の生きかたシリーズ」「クリスチーナZ」、松尾スズキとの共著「ニャ夢ウェイ」シリーズ、「久生十蘭漫画集 予言・姦」「うつ病九段」「ラーゲリ 収容所から来た遺書」などが挙げられる。俳優としては映画「恋の門」「クワイエットルームにようこそ」や連続テレビ小説「半分、青い。」などに出演した。

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」で
押さえたい3つのポイント

車のハンドルを切り、熾烈なアクションもこなすパク・ソダム

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

アクションの経験は多少あったものの、さらなる機会を望んでいたというパク・ソダム。「長いアクションシーンを演じられるチャンス」と今作への参加を決め、銃撃や接近戦もこなす敏腕ドライバーを見事好演した。撮影前にアクションスクールで訓練を積み、要となるドライビングテクニックも研鑽。「ドリフトをしながらハンドルを思いっきり回したり、視線の配り方などのテクニックを振付チームに教わりました」と話すパク・ソダムが魅せる、リアルで緊迫感あるカーチェイスシーンに観客は目を見張ることだろう。またクライマックスの鬼気迫る肉弾戦は、ニュー・アクションヒロインの誕生を予感させるのに十分すぎるほどだ。

強烈な個性を放つ脇役キャラクターたち

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

追跡劇を描くうえで、魅力的な敵の存在は欠かせない。ヤクザな警官チョ・ギョンピルを演じたのは「母なる証明」のソン・セビョク。大ヒットドラマ「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」で彼を知ったという読者も少なくないだろう。今作では主人公たちを蛇のように執念深く狙う、暴力性に満ちた役どころで物語のスリルを一層加速させた。また同じく脇を固めた「新感染 ファイナル・エクスプレス」で知られるキム・ウィソン、「光と鉄」のヨム・ヘランといった名優が人間模様により深みを与えている。

「パラサイト 半地下の家族」で共演したパク・ソダムとチョン・ヒョンジュンの再タッグ

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」

「パラサイト 半地下の家族」で家庭教師とその生徒を演じた、パク・ソダムとチョン・ヒョンジュン。今作では“宅配員”と“荷物”という新たなコンビで観客を楽しませてくれる。パク・ソダムは「大変なときも、(チョン・)ヒョンジュンが放つ明るくて元気なエネルギーのおかげで楽しく撮影することができました」と振り返り、「久しぶりに会った彼は成長し、とてもしっかりしていました。彼は本作でも素晴らしい仕事をしました」と再会を喜んだ。本作の旅路で描かれるコンビの和やかなやり取り、そしてチョン・ヒョンジュン演じる少年キム・ソウォンの活躍にも注目してほしい。