山崎貴がBRAVIA 9で「ゴジラ-1.0」を鑑賞「テレビはもう僕の知っているテレビではない」

「暗闇に慣れた目で明るいものを見たときのまぶしさと同じ感覚」

──では「BRAVIA 9」で「ゴジラ-1.0」を観た感想を具体的に伺っていければと思います。

我々が意図した色情報がそのまま再現されているところが素晴らしいと感じました。これは僕が家庭用のテレビに一番求めていることかもしれなくて、調整の悪いスクリーンの映像よりも全然クオリティが高かったです。なんの光も出していないテレビの縁の黒と、映像内の真っ黒な部分を見比べていたんですが、ほとんど見分けがつきませんでした。すごいなと感じると同時に、テレビでここまでのハイクオリティだと困るなというか……(笑)。

──(笑)。特にどのシーンで質の高さを感じましたか?

冒頭のゴジラが島に上陸するシーンです。真っ暗な世界の中で燃え盛る火って、実際に見るとものすごくまぶしいじゃないですか。映像だとそこまで再現することは難しいんですが、暗闇に慣れた目で明るいものを見たときのまぶしさと同じ感覚になって、そこまでたどり着いてるんだと思いました。なおかつ、暗い中にもそこに何があるのかがはっきりわかって。人間の目が認識できる階調を全部カバーしてる感じがしました。あとは青がメインの画だったら差し色としてオレンジを入れたりしていたんですが、それもこちらが意図した通りに表現されている。情報量がオーバースペックかなと思いつつ、テクノロジーはどんどん進化していくのでそれに対応できるような情報を持たせていたほうがいいだろうと考えて作っていたんですが、報われた気がします。

「ゴジラ-1.0」を鑑賞する山崎貴。※画面は再生イメージです ©2023 TOHO CO., LTD.

「ゴジラ-1.0」を鑑賞する山崎貴。※画面は再生イメージです ©2023 TOHO CO., LTD.

──「BRAVIA 9」で観てみたい作品はありますか?

宇宙の黒の表現が気になるので、クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」を観てみたいです。ブラックホールの周りのエネルギーはものすごく光っていて、逆に黒い部分は真っ黒なので、このテレビの性能を感じられそうですよね。スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」も観たいですし、コントラストが高ければ高いほど本当に宇宙に行ったような気分になると思うので、アルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」も合うと感じます。

「ゴジラの咆哮、ちゃんと狙った音が出ていた」

──映画において音は非常に重要な要素ですが、山崎さんは音をどのように意識して作品を作っていますか?

極端に言えば映画の半分は音でできていると思っているので、本当に大切にしています。例えば音響スタッフがまだ参加していないときに試写を開かなければいけないときがあるんですが、音があるかないかで印象ががらっと変わってしまうので、自分で音を入れています。観た方に「監督がやったとは思えないですね」と言ってもらえるくらい、それなりにサウンドデザインがうまくいくこともありますが、あとで本職の人に付けてもらったものを聴くと「全然敵わないや」って。まあ当たり前なんですけど(笑)。ある場所に行ったかのような感覚を与えるにはうっすらと入っている音が大事だったりしますし、映画がどこかにお客さんを連れて行って“体験”させるメディアだとすると、その半分は音の力によって左右されるものだと思っています。

──今回、ソニーのサウンドバー「BRAVIA Theatre Bar 9(HT-A9000)」を使用して、立体音響による臨場感のあるサウンドも楽しんでいただきました。ゴジラが咆哮するシーンも聴いていただきましたが、いかがでしたか?

ちゃんと狙った音が出ていました。専用アプリ「BRAVIA Connect」を使うことで天井と両側の壁までの距離や視聴位置を自動で計測し、理想的な音の環境を作るという機能もすごいですし。

「ゴジラ-1.0」を鑑賞する山崎貴。

「ゴジラ-1.0」を鑑賞する山崎貴。

──家で映画を観るにあたって映像も音もここまで進化していると、劇場に行く必要性を感じなくなる人も中にはいるかもしれません。先ほどの山崎さんの言葉を借りれば、家でも豊かな体験ができると言いますか。

「劇場で観たい」と思ってもらえる映画を作れるようにがんばっていかないとですね(笑)。ゴジラの咆哮でおなかが震えるような大音量が出せるのは映画館ならではですし、1人でゆっくり映画を楽しみたいときに家に豊かな視聴環境があるのは素晴らしいことで、観る側にさまざまな手段で作品を楽しむ選択肢があるというのはいいことだと思います。

「テレビはもう僕の知っているテレビではない」

──「BRAVIA 9」は、明るい場所で観ても映像が鮮明に映り、快適な視聴を実現できます。

Mini LEDって言葉は最近だんだん耳にするようになってきて、細かく光量を調整することで高コントラストな映像を描き出せるってことですよね。実際に今日体験してみて、テレビはもう僕の知っているテレビではなくてまったく別物に進化してるんだなと感じました。人の顔をテレビ自体が認識して映像を描き出すアルゴリズムにも驚きましたし、なんかけなげで偉いなって(笑)。一時期、有機ELが新しいテクノロジーとしてとにかくすごいと絶賛されていましたが、Mini LEDテレビも十分それに対抗できる技術になっているというのを今日知ることができました。革命的な変化が起きているということが伝わっていけばいいなと思いますね。

山崎貴

山崎貴

──「BRAVIA 9」を体験したことで、映像クリエイターとして刺激を受けた部分はありますか?

我々が体験してもらいたいと思っていることを、家で観ている人にも届けられるのを知れたのは大きいです。例えばジュラルミンでできた戦闘機が本当の太陽を受けてキラッと光るみたいなシーンって、以前はこちらが意図した表現のまま観てもらうことが難しかった。やっぱりまぶしい光はお客さんにまぶしいと思ってもらいたいですし、それが映画を体験してるという感覚につながってきます。そういうことが家のテレビでできるのを実感したのは、大きな刺激になりました。

プロフィール

山崎貴(ヤマザキタカシ)

1964年6月12日生まれ、長野県出身。2000年に「ジュブナイル」で映画監督デビュー。主な監督作に「ゴジラ-1.0」のほか、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、「STAND BY ME ドラえもん」シリーズ、「永遠の0」「海賊とよばれた男」「DESTINY 鎌倉ものがたり」「アルキメデスの大戦」「ゴーストブック おばけずかん」がある。

BRAVIA 9
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4Kブラビア史上最高の明るさ。独自の技術により圧倒的映像美を実現した、Mini LEDバックライト搭載のフラッグシップ4K 液晶テレビ。

  • 発売日:2024年8月10日(土)
  • 価格:オープン価格
  • サイズ:85V型、75V型、65V型
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BRAVIA Theatre Bar 9(HT-A9000)
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  • 発売日:2024年6月1日(土)
  • 価格:オープン価格
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