「ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。」「生きて、生きて、生きろ。」の
戦争トラウマを抱えた帰還兵が残した、根深い影響に向き合う家族たちを映す本作。戦争から戻ってきた兵士たちの心の痛みは、DVやアルコール依存症という形で現れる場合がある。作中にはその影響を受けて心に傷を負った家族たちが、自分の生きづらさの答えを求め、これまで避けていた家族との関係を考えていく姿が収められている。
父から激しい虐待を受けて、自らも娘を虐待し苦悩する者。幼少期に帰還兵の父が母に浴びせた罵声を忘れることができず、その苦しみから妻に暴力を振るった者。新興宗教に傾倒した母から虐待されて複雑性PTSDを抱えることになり、自身も娘との関係に迷い続けている者。島田の取材を受けながら、3人はそれぞれの親や祖父の足跡をたどっていく。
本作に寄せた、
なお「父と家族とわたしのこと」の音楽は「舟を編む」の
ドキュメンタリー映画「父と家族とわたしのこと」予告編
武田砂鉄(ライター)コメント
最初から人を殺したい人はいない。
誰が、何が、そういう人にしてしまったのか。
戦後日本が隠した問いに、今を生きる私たちがどう答えればいいのか。
安田菜津紀(Dialogue for People 副代表 / フォトジャーナリスト)コメント
世代を超え追い迫ってくるトラウマの波の狭間で、それでもなお生きよう、生きようともがく人々。戦争加害という構造的暴力を個人に背負わせたままの、社会あり方こそが今問われているのではないか。
大島新(ドキュメンタリー監督)コメント
80年前の戦争が、今を生きる孫の世代の心にまで傷を負わせている。なんたることだ。決して昔の話ではない。現代のロシア兵やイスラエル兵もまた、戦争加害という傷を負い、暴力の連鎖を生む可能性がある。絶対に戦地には行かない為政者に「戦地へ行け」と命じられて人を殺す兵士は、加害者であり、被害者だ。世界が狂気の度を増している時代だからこそ、本作の貴さが光る。威勢のいいことを言う人にこそ、観てほしい。
サヘル・ローズ(俳優・タレント)コメント
この映画に映し出されているのは
銃声や爆撃ではなく 記憶の中で今も続いている戦争です。
戦争のトラウマとは 爆弾が落ちた瞬間だけに生まれるものではありません。
それは、語られなかった記憶が 家族の時間に静かに入り込むこと。
そして、理解しようとしても届かない距離が 何十年も続いてしまうこと。
国の政策や時代の空気によって「なかったもの」とされてきたこともまた
戦争が残した深い傷の一部なのだと思います。
まだ終わっていない戦争は 戦場ではなく 語られなかった記憶と沈黙の中に いまも静かに生きています。
北村毅(大阪大学教授)コメント
かつて日本には、人を殺めた数百万の帰還兵が溢れていた。
戦後、社会が彼らの「終わらない戦争」を見て見ぬふりをする中で、「父の沈黙」は暴力や狂気となり、幾世代もの家族の日常を損なっていく──。
本作は、「終わらない戦争」を生き延びた帰還兵家族が、パズルのピースのようにバラバラになった記憶の断片から家族の物語を編みなおす姿を追う。
もう二度と、これ以上、家族の中に戦争を持ち込ませないために。
映画ナタリー @eiga_natalie
戦争トラウマをテーマにした記録映画公開、帰還兵の家族が負った心の傷に迫る(予告編 / コメントあり)
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