「ペルリンプスと秘密の森」監督アレ・アブレウと細田守が対談

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2013年製作の「父を探して」が南米の作品として初めてアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされ、アニメーションの新潮流“イベロアメリカ”の重要作家と目されるアレ・アブレウ。新作「ペルリンプスと秘密の森」の公開を記念し、アブレウがファンを公言するアニメーション映画監督・細田守との対談が実現し、両名に共通するオオカミの子供のモチーフについても話題が及んだ。

左からアレ・アブレウ、細田守。

左からアレ・アブレウ、細田守。

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いずれも小さな子供を主人公にしている「父をさがして」と「ペルリンプスと秘密の森」。細田はこの共通点を踏まえたうえで“視点の違い”を感じたそうで「『父を探して』は監督の自分の話という気がして。それに対して『ペルリンプスと秘密の森』は、たぶんお子さんの話なんだろうと感じました」と述べ、アブレウも「『ペルリンプスと秘密の森』は子供時代に潜りこんでいくという感覚で作っています」と答える。

「ペルリンプスと秘密の森」ポスタービジュアル

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「ペルリンプスと秘密の森」は巨人によってその存在を脅かされている魔法の森を舞台にした物語。登場するのは、テクノロジーを駆使する太陽の王国のエージェント・クラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国のエージェント・ブルーオだ。最初は敵対していた2人が、森を守る唯一の方法である謎の存在“ペルリンプス”を見つけるため奮闘するさまが描かれる。

細田が「この予想もつかない展開のストーリーをいったいどうやって思いついたのか」と率直に質問すると、アブレウは「僕の映画はすべて、僕が見つけた小さな断片から生まれます」「今回は1人の子供が、森のある場所から出ていこうとするイメージです。オオカミの格好をした子供で顔の化粧が落ちかけており水に覆われた森から出ていこうとしていました」と発想の原点となったイメージを明かす。この答えに、細田は「まず最初は、絵からなんですね!」「ひっくり返すようなストーリーも、一種のオチから入ったんじゃないかと思ったんだけど」と驚いていた。

「ペルリンプスと秘密の森」場面カット

「ペルリンプスと秘密の森」場面カット[拡大]

「ペルリンプスと秘密の森」の主人公は、オオカミのような姿をした子供たち。細田が手がけた「おおかみこどもの雨と雪」や「ウルフウォーカー」など、オオカミと子供を共通してモチーフにしたアニメーション映画が多い状況がある。「ウルフウォーカー」の監督の1人、トム・ムーアと対談経験のある細田は「『僕ら似ているね』と言っていたら、また似ている人が現れた!」と吐露し、「オオカミと子供じゃなきゃ見えない何かを描こうと思ってオオカミにしているんでしょうね。きっと」と思いを馳せた。

「ペルリンプスと秘密の森」は12月1日より東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次ロードショー。

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(c)Buriti Filmes, 2022

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すぎまる @sugimarco

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