“大阪で1番売れてないアイドル”を自称する地下アイドルグループ・くぴぽに迫るドキュメンタリーの第2弾「
2020年1月に東京でワンマンライブを成功させるなど、順調に活動をしていたくぴぽ。しかしその後、新型コロナウイルスのパンデミックが襲い、音楽業界では次々と公演が中止された。作中では、くぴぽを中心に2020年以降のアイドルの“生き方”が捉えられている。監督は、芸能ライターとして活動する
田辺は「この映画では、くぴぽというアイドルグループを通して、2020年以降の社会を見つめています。この映画は、地下アイドルの、ある意味で特殊とも言える生態に生々しく迫ったようなものではありません。これは『あなた』の物語なんです」とつづった。くぴぽのメンバーであるまきちゃん(
映画「くぴぽ SOS! びよーーーーんど」予告編
まきちゃん コメント
音楽なんて大っ嫌いだ。アイドルなんて大っ嫌いだ。女の子なんて大っ嫌いだ。みんなみんな大っ嫌いだ。音楽があればもう寂しくなくなるかもしれない。アイドルになればもう寂しくなくなるかもしれない。女の子になれたらもう寂しくなくなるかもしれない。
私はずっと寂しかった。きっとこれからもずっと。
こんな情けない姿を大きなスクリーンで不特定多数の人に見られるなんて想像しただけで死にたくなる。でも結局私は死なない。今までもこれからもそれを選ばずに恥を晒すことを選んで生きてきた。きっとこれからもそんな恥ずかしくて情けない人生になるんだろう
かつて私が小さなライブハウスで観てきた人たちはみんなかっこ悪かった。でもダサくはなかった。かっこよかった。ずっとあんなヒーローになりたかった。
私には何も無いと嘆くあなたへ。誰からも選ばれずにずっとひとりぼっちなあなたへ。
幸せを感じれば感じるほど不安になっていくあなたへ。毎日同じことの繰り返しで何の楽しみも無いあなたへ。嫌なことがあるとリセットしたくなるけどそんな勇気も無いあなたへ。好きがわからないあなたへ。ダイエット中なのに信じられないぐらい爆食いしちゃったあなたへ。今日も眠れないあなたへ。今から死のうと思っているあなたへ。アイドルになりたいあなたへ。推しが卒業してしまったあなたへ。推しが好きで好きでたまらないあなたへ。くぴぽというアイドルグループを知っているあなたへ
本当の服部真希を知らないあなたへ。
田辺ユウキ コメント
誰が正しいのか、誰が間違っているのか。コロナ禍、さまざまな物事をめぐる「衝突」がたくさん起こりました。感染を防ぐために「他人と距離をとって生活すること」が推奨されましたが、同時に、他人との気持ちの距離も広がっていた気がします。でもそれぞれに自分の「正しさ」というものがあります。それらは決して否定できるものではありません。みんな、傷ついていたのだと思います。
「くぴぽ SOS! びよーーーーんど」ではそんな時代のあり方を背景にしています。人によっては、未来が不透明になって不安に襲われたかと思います。現在もそのダメージを受けている方もいらっしゃるはずです。気付かないうちにたくさんのものが壊れました。
この映画では、くぴぽというアイドルグループを通して、2020年以降の社会を見つめています。
この映画は、地下アイドルの、ある意味で特殊とも言える生態に生々しく迫ったようなものではありません。これは「あなた」の物語なんです。誰もが共感できたり、自分の日常に置き換えて鑑賞できたりするように意識して作りました。
そして、物事を続けていくことの難しさ、尊さを受け取ってもらえたらと思います。
まきちゃん(くぴぽ) @makichan_qppo
『くぴぽSOS!びよーーーーんど』に関して私のコメントが掲載されています📣 https://t.co/y1qOZwx2ze