9.11補償基金プロジェクトで欠かせなかったものは?「ワース」モデル弁護士が回想

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ワース 命の値段」より主人公のモデルとなった弁護士ケネス・ファインバーグのインタビューが到着した。

ケネス・ファインバーグ

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「ワース 命の値段」ポスタービジュアル

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“命に値段をつける”という難題に挑んだ弁護士たちの実話を描く本作。アメリカを襲った9.11テロの発生直後、弁護士のケン・ファインバーグは約7000人もの被害者と遺族に補償金を分配する大事業を束ねることになる。年齢も職種もバラバラな被害者たちの“値段”をどうやって算出するのかといった難題に直面。弁護士たちは被害者遺族の苦悩と向き合い、批判に晒されながらも使命をまっとうしようとする。

「ワース 命の値段」場面写真

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ケネス・ファインバーグはケンを演じたマイケル・キートンについて「補償基金プロジェクトに関わっている僕らがどんな仕事をして、どういう状況だったのかを世界中の人に伝えることが重要だと言ってくれました。議会で補償基金プロジェクトの法案が通ったとき、共和党、民主党、関係なく全員一致でした。いかにアメリカ社会が一丸となっていたのか、そしてこの物語を伝えることが彼のモチベーションでもあり、主演だけでなくプロデューサーとしても参加したいと思ってくれました」とコメント。また当時を振り返り「被害者遺族と直接会って声を聞くことは大事だと感じ、2500人の遺族や被害者に会いました。なかでも印象的だったのは、消防士の夫を亡くした女性。2人の幼い子供がいて、自身が末期がんで寿命も数週間とわずかであることから、補償金の受給を早めてほしいと言いました。そのお金で子供たちの面倒を見てくれる後見人を探す、ということで支払いを早めたんです。そのお金を受け取って8週間後、彼女は亡くなってしまいました……。そういう出来事に心は衰弱していきました。でもチームで励まし合い、家族に支えられたことで乗り越えることができたんです」と語った。

そして彼は「9.11補償基金はテロ13日後に批准し、被害者は悲しむ、悼む時間がありませんでした。愛する人を失った遺族や、けがを負った方々にとっては、お金よりも感情を吐き出す場が必要でした。このプロジェクトは被害者遺族の感情に寄り添い、敬意を示すことが欠かせなかったんです」と述べている。

サラ・コランジェロが監督を務めた「ワース 命の値段」は2月23日に東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

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松下由美 映画プレゼンター・多文化コミュニケーター・大学講師・通訳 Matsushita yumi @MatsushitaYumi

『ワース 命の値段』⑥
ファインバーグ自身も精力的に本作の広報活動をしている本人のお墨付きの本作は、彼が変わっていく過程を描く=補償金の算出にも人間的裁量が加わっていく変化が見て取れる。最初はヘッドホンをして自分の世界に浸っていた彼が、市井の人々の声に耳を傾けるようになっていく。 https://t.co/X818JJFUFt

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