1992年9月に発生した金沢女性スイミングコーチ殺人事件を題材に、実在の元刑事・
未解決のまま、2007年に時効が成立した金沢女性スイミングコーチ殺人事件。実際に捜査に当たっていた西村は、「普通は走り出す」の
監督を務めたのはCMやMVを中心に映像ディレクターとして活躍する傍ら、2017年に短編「堕ちる」を発表した
本作での演技により第22回TAMA NEW WAVEのベスト男優賞を受賞した西村は「映画の世界とは無縁の私が『とら男』の主演として銀幕に? 未だに信じられないような気持ちでいます」と吐露しつつ「村山監督の映画に掛ける熱意と人柄に押し切られ『なるようになれ』との思いで、カメラの前に立つことにしました」と出演の経緯を説明。加藤は「撮影中はドキュメンタリーとフィクションの狭間にいるような、なんとも不思議な感覚でした。俳優として、人の人生にここまで関わったことは、後にも先にも『とら男』が初めてで、村山監督との出会いから撮影、完成に至るまで、たくさんの奇跡の連続だったように思います」と振り返っている。
「とら男」は予告編がYouTubeで公開中。映画監督の
村山和也 コメント
みなさんは、人生で一番幸せな時はいつですか?
私は、何も心配することなく暮らせて親友も父もおばあちゃんもおじさんも、みんな生きていた小学生の頃です。そんな時代にある殺人事件がありました。しかも、よく野球をしていた公園で犯行が起こった事件です。この映画は、そのことなら彼らにも分かるのではという個人的な想いから始まっています。
事件を調べていく中で出会った元刑事の西村虎男さんには、本を書いてまで誰かに伝えたかった積年の想いがあります。それを背負って映画を作ることになるわけですが、撮影しながら取材したりと、事件を再捜査するような感覚で作った映画です。こんな特殊な映画に参加してくれた加藤さんはじめ役者、スタッフのみなさん、そして亡くなった撮影監督の鈴木イヴゲニには本当に感謝の気持ちしかありません。
さまざまな想いの詰まった「とら男」が、この化石のような未解決事件を少しでも動かすことができたらと思います。
西村虎男 コメント
映画の世界とは無縁の私が「とら男」の主演として銀幕に? 未だに信じられないような気持ちでいます。
村山監督とは、私が警察を退職した後、ある目的を持って出版した電子書籍を通じて知り合い「事件を題材にした映画を作る……」との話は聞いていたのですが、私が出演する映画になるとは夢にも思っていませんでした。
3年後に「ロケハンに付き合って欲しい」と言われ、軽い気持ちで撮影場所などの案内をし、その時に初めて私が出演する映画として準備が進められていることを知り、一瞬戸惑ったのですが、村山監督の映画に掛ける熱意と人柄に押し切られ「なるようになれ」との思いで、カメラの前に立つことにしました。
現場では「かや子」役の加藤才紀子さんに合わせてもらうような撮影で「加藤さんは、やりづらかったのでは?」と思っています。
村山監督同様、この映画で「社会の何かが変わるきっかけになれば?」と思っています。
加藤才紀子 コメント
情報過多な時代を生きる中で、誰もが「既に終わった」と思う事柄に対して、「終わることができない」人たちがいます。私が演じた梶かや子という役は、その点に関して強いこだわりを持っているのですが、周りの人は次へ次へと進んでいってしまう。
そんな中、とら男さんと出会い、まるで初めて見つけた同志のような気持ちを抱き、未解決事件に深く関わるようになります。撮影中はドキュメンタリーとフィクションの狭間にいるような、なんとも不思議な感覚でした。俳優として、人の人生にここまで関わったことは、後にも先にも「とら男」が初めてで、村山監督との出会いから撮影、完成に至るまで、たくさんの奇跡の連続だったように思います。ぜひ、スクリーンでご覧ください。
柏原寛司(脚本家・映画監督)コメント
この映画の凄さは主人公のもと刑事・西村虎男の目力だろう。未解決の水泳コーチ殺人事件を退職後も調べる主人公を、当時本当に事件を担当した刑事本人が映じているのだから、そのリアリティと迫力は半端ではない。リアル「殺人の追憶」といってもいい映画だ。
瀬々敬久(映画監督)コメント
とにかく実在の元刑事“とら男”さんのキャラクター、芝居、いや芝居と言っていいのかさえも分からないリアリティ、それらがとにかくすごい。そして事件にかかわる証言者たちの佇まい、あり方、その場に自分たちが立っていると勘違いするほど迫ってくる。ドキュメントとフィクションの垣根を超えたとか言ってる場合でなく、これは紛れもなく映画として屹立しており、何にもまして、友情と成長と諦念のドラマがシンプルに芯を貫き通しているからこそ出来た離れ業。脱帽!
前田弘二(映画監督)コメント
実在の事件を担当した元刑事が本人を演じて、フィクションだからこそ描ける真実に挑戦。大胆にも、バディムービーとして展開する作りに、モデルのない映画へと突っ走る心意気が伝わりました。
全てに真摯に応える、とら男さんの魅力に釘付けでした。
矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)コメント
未解決事件の映画化に当たり、実際に捜査にあたった刑事本人が主演するというだけでも驚愕だが、現実とフィクションがメビウスの輪のごとく繋がる展開に惹き込まれずにいられない。真実は、フィクションの中にあるのか、それとも…。鑑賞者は証人だ。こんな映画、見たことない。
ライアン @ryan_4649
これは観に行きたい!🐯😆
#とら男 https://t.co/1G8shEw2SS