「森のムラブリ」特報と場面写真が解禁、ムラブリ族と交流した言語学者のコメントも

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ドキュメンタリー「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」の特報と場面写真が解禁。本作に出演し、現地コーディネーターと字幕翻訳を務めた言語学者・伊藤雄馬のコメントが到着した。

「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」

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「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」ポスタービジュアル

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タイ、ラオス、ミャンマーにかけてのゾミアと呼ばれる山地に住み、平地民から姿を見られずに森の中を遊動してきた“黄色い葉の精霊”ムラブリ族を撮影した本作。監督・撮影・編集を担った金子遊は、文字のないムラブリ語の語彙を収集する伊藤とともに足かけ2年ムラブリ族を追った。伊藤はラオスで狩猟採集を続けるグループへの接触を試み、タイに住む別のムラブリ族グループと出会う機会を創出。さらに村で暮らすタイのムラブリ族の1人に、以前の森での生活を再現してもらうなど、消滅の危機にある部族の姿を映像に収めることに成功した。

「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」

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「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」

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YouTubeで公開された特報には、網で魚を捕らえる様子や、伊藤と交流するムラブリ族の姿が収められている。伊藤は「生まれて初めて出会う彼ら彼女らが、お互いの言葉の近さや遠さに驚きながら、接点を探る相互行為は、しかし辿々しいものでは決してなかった。どんな集団でも、分断があり、統合がある。この邂逅は、過去にもあっただろうし、未来にもあるだろうことに気づいた。その点において、分断と統合の交差するあの場面は、ムラブリという民族の普遍を見出す格好の資料であろう」とコメントした。

「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」は3月19日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。

伊藤雄馬 コメント

「『黄色い葉の精霊』を研究してるって、それ、本当にいるのかい?」
現代でも伝説的な存在である黄色い葉の精霊、ムラブリ。
その名前の由来である森での遊動生活については、100余年の間、民族誌のみの語るところだったが、今後はこの映画が語り部の役を担うだろう。

確認されている全ての方言を網羅する本映像は、「ムラブリ語の響きが美しいから」という非学術的な動機で研究を始めた私をして、学術的価値の高さを指摘せざるを得ない。

集団間の邂逅も本映像の主格に相当する。
生まれて初めて出会う彼ら彼女らが、お互いの言葉の近さや遠さに驚きながら、接点を探る相互行為は、しかし辿々しいものでは決してなかった。
どんな集団でも、分断があり、統合がある。この邂逅は、過去にもあっただろうし、未来にもあるだろうことに気づいた。
その点において、分断と統合の交差するあの場面は、ムラブリという民族の普遍を見出す格好の資料であろう。

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(c)幻視社

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