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1964年の東京オリンピック開発の一環で建てられ、東京2020オリンピックに伴う再開発により取り壊された都営霞ヶ丘アパート。本作ではオリンピックに翻弄されたアパートの住民と、五輪によって繰り返される排除の歴史を追った。青山真也が監督、撮影、編集、
ライターの武田砂鉄は「『上が悪いのよ』、住民の言葉が耳に残る。大切な場所を潰した『上』は、これを観て何を思うのだろう。やっぱり、観ようともしないのだろうか」とコメント。映画評論も行うドラァグクイーンのヴィヴィアン佐藤は「ストイックなカメラは決して国家の社会事業を糾弾しているだけではない。徐々に消えていこうとする存在の『不確かさ』を捉えていた」と語っている。そのほかのコメントは下記の通り。
「東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート」は8月13日よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次ロードショー。
武田砂鉄(ライター) コメント
「上が悪いのよ」、住民の言葉が耳に残る。大切な場所を潰した「上」は、これを観て何を思うのだろう。やっぱり、観ようともしないのだろうか。
稲葉剛(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)コメント
ずっと、そうだったのだ。コロナ禍が到来する何年も前から、五輪は、東京は、いのちを軽んじ、犠牲を強いてきたのだ。壊された団地は戻ってこないが、かき消された声に耳を傾けることは今からでもできる、ということをこの映画は教えてくれる。
睡蓮みどり(文筆家・俳優)コメント
“感動”や“絆”が何かの犠牲の上にしか成り立たないのなら、そんなものは成立させなくていいと、私は思う。霞ヶ丘アパートは人間らしく生きるための場所だ。家だけでなく人間の尊厳を奪った罪はあまりに重い。
ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン/美術家)コメント
ストイックなカメラは決して国家の社会事業を糾弾しているだけではない。
徐々に消えていこうとする存在の「不確かさ」を捉えていた。
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【メモ】五輪が繰り返す排除の歴史とは「東京オリンピック2017」開幕にあわせて先行上映(動画あり / コメントあり) https://t.co/LLIFhjB7LB