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自閉症スペクトラムを抱える息子ウリと、彼に人生を捧げてきた元グラフィックデザイナーの父アハロンの絆を描いた本作。田舎町でのんびり暮らしていた父子だが、ある日突然の試練が訪れ、2人は逃避行の旅に出る。「喪が明ける日に」の
イスラエル出身のベルグマンは、父親を失った家族の崩壊と再生を描いた「ブロークン・ウィング」で2002年に長編デビューし、第15回東京国際映画祭でグランプリを受賞。2作目「僕の心の奥の文法」では思春期の心の揺れと大人への抵抗を描き、第23回東京国際映画祭で再びグランプリに輝いた。5作目にあたる「旅立つ息子へ」はイスラエルのアカデミー賞で監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞を獲得している。
親子を描くにあたり意識したことについて、ベルグマンは「息子を守ろうという父の思いは、国境や文化を越えて共感を呼ぶものだと思います。私は劇中にある“ねじれ”がとても気に入っています。父親は息子のためにキャリアを捨てたのではなく、自分の繊細かつもろい性格ゆえに、子育てという盾を手にして現実逃避したのです。アハロンを苦しめる葛藤は、人生に悩む人々の共感も得られると思います」と説明。また参考にした作品としてケネス・ロナーガン監督作「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を挙げ、「思いやりを持って登場人物を観察しているような透明感ある演出に感銘を受けました」と語る。
好きな日本映画については「小津安二郎や黒澤明といった名匠はもちろん、滝田洋二郎監督、北野武監督、そして是枝裕和監督を尊敬しています。イスラエルでもっとも有名な映画評論家の1人から、本作と是枝監督の作品を比較され、とても誇りに思いました」と明かし、「この映画では、日本的なものを感じてもらえると思っていますが、それが何かは私はうまく説明することができません。きっと皆さんが、発見し、理解してもらえるものと信じています。この映画を観て、共感して、楽しんでもらえますように願っています」と日本の観客に呼びかけた。
「旅立つ息子へ」は3月26日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で順次公開。
sissylacoquet @sissylacoquet
良さそう😃
「旅立つ息子へ」ニル・ベルグマンのインタビュー到着、是枝作品との比較に「光栄」 https://t.co/OFBxvHlXuI