「声優夫婦の甘くない生活」監督が海賊版ビデオ体験や是枝裕和監督作との出会い語る

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イスラエル映画「声優夫婦の甘くない生活」より、監督と脚本を担当したエフゲニー・ルーマンのインタビューコメントが到着。メッセージ動画もYouTubeで公開された。

「声優夫婦の甘くない生活」ポスタービジュアル

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本作では1990年にソ連からイスラエルへ移民として渡った声優夫婦のヴィクトルとラヤが、新天地で厳しい現実に直面しながらも奮闘するさまが描かれる。海賊版レンタルビデオ店で新たな職を得るヴィクトルをウラジミール・フリードマン、テレフォンセックスの仕事を始めるラヤをマリア・ベルキンが演じた。

エフゲニー・ルーマン (c)Andriy Makukha

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自身も旧ソ連圏からイスラエルへ移住した経験を持つルーマン。「撮影監督であり、共同で脚本を書いたジヴ・ベルコヴィッチが、かつてはソ連で活躍していたけど、イスラエルに移住したら仕事ができなくなったというある声優の話をしてくれたんです。話を聞いていると、ユーモアがあって悲しくて、映画愛にあふれていた」と振り返り、「すべてが自分たちとつながったんです。でもストーリーを考え出すと、僕たちの親世代の物語にもなっていった。まったく違う国に移住して、また一からやり直さなければならない。これは僕らや親世代の経験、映画愛、すべてが混ざり結び付いて始まった作品なんです」と語る。

「声優夫婦の甘くない生活」

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ヴィクトルとラヤのモデルについてルーマンは「最初に思いついたのはフェデリコ・フェリーニと彼の妻で女優のジュリエッタ・マシーナです」と明かし、「どこか2人に似ている役者に出会えてラッキーでした。映画の中でもフェリー二とマシーナをイメージして、主人公たちを少し2人に似せようと意識していたんです」と説明した。

「声優夫婦の甘くない生活」

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イスラエルに海賊版レンタルビデオ店があったのか問われたルーマンは「もちろんです。本作に登場するビデオ店は、僕らの記憶の中にある店をイメージして作ったんです」と答え、「ジヴとは違う町で育ったのに、同じような店を思い描いていました。子供の僕らにとって最初の映画体験をした場所です。移民にとって映画館は高かったし、当時はヘブライ語もわからない。ビデオ店に行って、安い海賊版を借りて家でVHSを観ていました」と述懐する。

好きな日本の映画監督に黒澤明、小津安二郎、是枝裕和を挙げたルーマンは「是枝監督の作品が好きになったきっかけは、『ワンダフルライフ』です。当時、僕は映画学科の学生でただ素晴らしいと思いました。今でも好きな映画です」とコメント。そして「日本の皆さんの感想が気になって仕方がありませんし、鑑賞後の反応を直接見たり聞いたりできればと思います。個人の物語がほかの国やまったく異なる文化に伝わるなんて、とても不思議で、最高の気持ちです。どうぞ、お楽しみください!」と呼びかけた。

「声優夫婦の甘くない生活」は公開中。

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