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今村夏子の同名小説をもとにした本作は、怪しい宗教を信じる両親に育てられた少女ちひろの葛藤を描く物語。芦田がちひろ、永瀬と原田がちひろの両親に扮した。芦田は「脚本を読んだとき“信じる”というのが1つのテーマになっているのかなって。すごく身近な言葉なのに今までちゃんと考えたことがなかったので、自分なりの答えをちひろと一緒に探していけたらいいなと思いました」と振り返る。
「ちひろの感情を固定化しないこと」を大切にしていたという大森は「両親は新興宗教に入っていて悩んだりもするけれど、学校には友達もいて明るい部分もある。その揺らぎを演じてもらえる環境にしたかった」と語り、芦田の演技を「さすがでした。目に涙が溜まっているシーンを撮ったあとに『溜まってましたか?』って聞いてきて。すげえなと思いました(笑)」と称賛。また「両親と会話する中で生まれてくるものを大事にしてくださいと伝えていたんですが、どうやら楽しんでくれていたみたいでした」と明かした。
永瀬と原田との共演について、芦田は「お二人ともとてもフレンドリーに接してくださって、本当の家族のようにたわいのないお話をさせていただきました」とはにかみながら述懐。「優しくしてくださってありがとうございました」と感謝された永瀬は、噛み締めるように「……かわいいでしょ。でも現場にいると凛としたものがある。でもかわいいんですよ」と話し、原田も「ちっちゃい頃から活躍を見ていたので、すごく親しみを持っていました。今は16歳の素敵な女の子になっているけど、見ていると幼い頃のかわいらしい面影も見えてきて。一緒に芝居をしていると愛しい気持ちになってくるんです」と優しくほほえんだ。
“信じる”という本作のテーマを改めて尋ねられた芦田。「『信じます』ってよく聞く言葉ですけど、それはその人ではなくて、自分が理想とする人物像に期待していることなのかもしれないと考えたんです。だからこそ人は『裏切られた』と感じたりもするけれど、その人の見えなかった部分が見えただけだと受け止められる揺るがない自分がいることが“信じる”ということなのかなと思いました」と真摯に考えを述べる。そんな芦田を見て永瀬は「しっかりしてるでしょ」と誇らしげにうなずくと、「僕が一貫して信じているのは映画。映画には裏切られたことがないので、映画を信じています」と断言した。
ここで、本作のタイトルにちなみ“流れ星にお願いしたいこと”を登壇者たちが発表。大森は「コロナのない世界」、原田は「自由に旅できる日がやってきますように」、永瀬は平和への祈りを表した「和」と書かれたフリップを見せる。最近猫を飼い始めたという芦田は「猫と話したい!」と回答し、「すり寄ってきてくれて、毎日癒やされてます。『私のことどう思ってる?』とか『困ってることある?』とか1日だけでも話したいです」と笑顔で願い事を口にした。
「星の子」は10月9日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
芦田愛菜の映画作品
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芦田愛菜“信じる”ことの持論語る、永瀬正敏と原田知世が絶賛:映画ナタリー https://t.co/xHAwNpMv7K「人は『裏切られた』と感じたりもするけれど、その人の見えなかった部分が見えただけだと受け止められる揺るがない自分がいることが“信じる”ということなのかな」…凄!