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“史上最強の副大統領”と呼ばれたディック・チェイニーの半生を描いた本作。2005年公開作「マシニスト」で1日の食事をツナ缶とリンゴに制限し激やせしていたベールだが、「バイス」では体重を約20kg増量し、髪を剃り眉毛を脱色してチェイニー役に挑んだ。
肉体改造を行ったのは、2017年4月からの約半年間。同年10月から撮影に入るため、栄養士にマネジメントを頼み健康的に体重を増やせるよう心がけた。パイを大量に食べ、ご飯1杯に15個の卵を入れることもあったという。
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第91回アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した本作。ベールのメイクは毎日3時間から4時間を要し、20代から60代という幅広い年齢に応じた肌の色、つや、しわなどが再現された。この特殊メイクを担当したのが、これまでに「ミセス・ダウト」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」といった作品でオスカーを獲得しているグレッグ・キャノンだ。
彼はまずベールの頭部と顔の型を取るところから外見作りに取り掛かった。「難しかったのはベールとチェイニーの顔の構造や頭の形がまるで正反対だったこと」と話すキャノンは、テストに次ぐテストを繰り返し、シリコンを彫刻、成型していったという。ベールから「もっと太めにしたい」と要望があったことも明かし、「うまくいかない、大げさになってしまうのではと危惧した。しかし、彼が衣装を着てメガネをかけ、部屋を歩くのを見たら目を疑ったよ。ショックだった。彼はまったく正しかったんだ。まさに目指したとおりの姿だった」と語った。
「バイス」は、4月5日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
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