幕末太陽傳
バクマツタイヨウデン
上映時間:110分 / 製作:1957年(日本) / 配給:日活
解説 川島雄三の代表作。元ネタになるのは落語の『居残り佐平次』だが、これに『芝浜の革財布』『品川心中』のネタを取り入れている。あと5年で明治維新という、文久2年の11月、品川の遊廓街で、佐平次は仲間を連れて大尽遊び。ところが、金は一文も持っていない。かくして佐平次は居残りとなって、しばらくそこに腰を落ち着けることになる。宿にはもう一組居残り組がいる。高杉晋作を中心とする勤皇の志士たちである。佐平次は、この高杉と仲良くなったり、廓の仕事を要領よくこなし、たちまち廓の人気者となる。映画はこれらの人物を絡ませ、佐平次のバイタリティーをテンポよく活写していく。佐平次は胸を患っており、時折、咳き込みながら見せる暗い顔には死の匂いが漂っていて、そうしたニヒリズムがバイタリティーの裏に見え隠れし、川島の体質を体現した傑作となった。
スタッフ |
監督:川島雄三 |
---|---|
キャスト |
居残り佐平次:フランキー堺
|