ドラッグレースで走り屋の気持ちに触れる
続いての催しは、(予定では)200台のクルマによる模擬ドラッグレース。「ゼロヨン」と呼ばれるドラッグレースは、公道を使った400mの直線コースでスピードを競うもので「ワイスピ」にほぼ毎回登場する名物でもある。
今回はスタンド前のレースコース200mの半分サイズだが、一般公募で集まった改造車たちが2台ずつ、映画さながらに女性スターターの合図で走り出す。全100レースと謳っているだけあって、個性豊かなクルマたちが轟音を上げて待機している様子はなかなかに壮観だ。矢継ぎ早に延々とレースが続くので、途中で退屈するかと思ったが、「ワイスピ」ファンとしてはこのコーナーが一番面白かった。
というのも、ドラッグレースがどんなものかは一応知識では知っているし、「ワイスピ」等の映画で観たこともあるのだが、200mの模擬レースとはいえ生で見るのは大違い。けたたましくエンジン音をかき鳴らしている車両が思いのほか遅かったり、みごとなシフトさばきでスタートダッシュを決めるクルマがいると思えば、わずか200mなのに後半で刺しにいって抜いて勝つクルマがいたり、何レースも見ているうちになんとなく勘所がわかってくるのだ。
たった10分ほど見ただけなのに、「今のクルマ、地味なわりに速くね?」とか「いまのスタートはちょっとダサかったね」とか(合っているかどうかはともかく)わかったような口がきけてしまうのも楽しいし、「ワイスピ」のキャラたちがどうしてドラッグレースにどっぷりハマったのか、その魅力の一端を覗くことができた気がしたのである。
「ワイスピ」完結編の新情報は…?
ほかにもTOYOTA GAZOO Racing WRTによるラリー走行のデモンストレーションがあったり(助手席にはミシェルとコディが乗っていたらしい)、「ワイスピ」ゆかりのクルマの展示コーナーがあって車内にキャスト陣のサインが飾られていたり、ミュージシャンのミニライブや能登の和太鼓実演があったり(2023年にはきゃりーぱみゅぱみゅも出演)、いろいろと催しが同時進行するのだが、やはり気になるのはミシェルとコディが参加するトークショー。ミシェル目当てで参加した自分のような「ワイスピ」ファンにとっては、本イベントのメインディッシュといって過言ではない。
サーキット上に停められたトラックの荷台が即席のステージとなり、主催者である
少し遅れて到着したミシェルはメルセデス・ベンツGクラスの天窓から身体を乗り出してスタンド席にアピール。場の雰囲気も一気に華やぐ。正直トークで一番聞きたいのは、ようやく2027年4月全米公開と発表された「ワイスピ」最新作の新情報。一樂氏もミシェルにズバリ質問をしたのだが、さすがにハリウッド超大作のガードは堅い。「完結編となる大切な作品だけに、いま慎重に準備しているところです!」と優等生的な返答しか得られなかったが、まあ仕方ないことだろう。
しかし筆者の近くにいた家族連れの幼い女の子が「誰が来るの? えっ! レティが来るの!?」と大興奮していたように、「生レティ=ミシェルに会えるイベント」という今回の売りは確実に機能しており、老若男女の「ワイスピ」好きが集う幸福な空間が生まれていたことは間違いない。少しでもご興味を持った方は、来年の開催も予告されていたFUELFESTを体験しに行ってみてはいかがだろうか。
村山章(ムラヤマアキラ)プロフィール
映画ライター。2009年より続く「しりあがり寿 presents 新春!(有)さるハゲロックフェスティバル」では、初回から運営スタッフを務める。配信系映画やドラマのレビューサイト・ShortCutsの代表。2017年からハル・ハートリー作品の広報や配給業務にも携わっている。
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kaede🍁⛩️ @ms__kaede
コディとミシェルが日本にいたんだよ、シルビアとスープラに乗ってたんだよ、夢みたいだよね…💭💖
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