「ワイルド・スピード」シリーズ7作品一挙放送!中尾明慶がワイスピ愛・アメ車愛を語る、愛車プリムスクーダも登場

ド派手なカーアクションと熱い人間ドラマでメガヒットシリーズへと躍進した「ワイルド・スピード」。CS洋画専門チャンネルのザ・シネマでは4月4日から8日の5日間「ワイスピ感謝祭 ~See You Again, ブライアン~」と銘打ち、記念すべき1作目「ワイルド・スピード」から、2013年に惜しまれつつこの世を去ったポール・ウォーカーが最後にブライアンを演じた「ワイルド・スピード SKY MISSION」までの7作品を一挙放送する。それを記念し、映画ナタリーでは大のアメ車好きとして知られる俳優・中尾明慶を迎えて特集を展開。アクション、愛車、家族……さまざまな視点から「ワイスピ」の魅力を聞いた。

取材・文 / 村山章撮影 / 興梠真穂

ザ・シネマで「ワイスピ」を観よう!

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ワイスピシリーズ7作一挙放送! | 洋画専門チャンネル ザ・シネマ

8歳の息子も「ワイスピ」に夢中

──ザ・シネマでは「ワイスピ感謝祭 ~See You Again, ブライアン~」と銘打った特集を組み、シリーズ7作品を放送するということで、「ワイルド・スピード」の大ファンだという中尾さんにご登場いただきました。

はい、新作があれば必ず映画館に行きますし、何度も繰り返し観ています。「ワイスピ」って車映画の歴史を変えたと思うんです。車が出てくる映画ってB級扱いというか、メジャーにならないものが多くて、車をメインにしてここまでメジャーになった作品は初めてなんじゃないかなって。僕は1971年の「バニシング・ポイント」という映画が好きで、ダッジチャレンジャーというアメリカ車を買ったことがあるんですが、今観ると昔の映画はカーアクションとしてはちょっと地味ですよね。

「ワイルド・スピード」

「ワイルド・スピード」

──ただ、「ワイスピ」も初期はB級扱いでしたよね。

ここまで大きくなるとは思っていなかったです。成長過程が面白いですよね。僕はもともと車好きで、シリーズ初期のドラッグレースの世界観もすごく好きでした。僕自身、遊びでですけど400mのドラッグレースに出たこともあります。でも最近の「ワイスピ」の「嘘つけ! 車でこんなの絶対無理!」っていうノリも面白いです(笑)。実は今日はうちの息子に取材したほうがいいくらい、めちゃくちゃ「ワイスピ」好きなんですよ。

──息子さんは今おいくつですか?

8歳です。「ドム(ドミニク)たちは本当に運転してるの?」と聞かれて、「実際に運転しているシーンもあるけど、そういうプロの仕事があるんだよ」と説明したら、「カースタントマンになりたい」と言うんです。レーシングカート場にも通っていて。だから今日僕は息子の代理で来たと思っています(笑)。

「ワイルド・スピード EURO MISSION」より、ヴィン・ディーゼル演じるドミニク。

「ワイルド・スピード EURO MISSION」より、ヴィン・ディーゼル演じるドミニク。

──今日は愛車のマッスルカー(※編集部注:1960年代後半から1970年代はじめ頃に製造されたアメリカのスポーツカー)に乗っていらっしゃいましたが、もともとアメ車がお好きなんですよね?

はい。昔ながらのマッスルカーが好きで。結婚してしばらくは乗っていたんですけど、子供が産まれてからは乗り心地の問題もあって泣く泣く手放したんです。

愛車のプリムスクーダ440シックスパックに乗って来た中尾明慶。

愛車のプリムスクーダ440シックスパックに乗って来た中尾明慶。

──「ワイルド・スピード SKY MISSION」でも、子供ができたブライアンがステーションワゴン(※編集部注:車内が広く実用性を兼ね備えた車種)に乗っていましたね。

あれは共感しました! 僕も、このままでいいのかな?なんて思いながらトヨタのアルファードに乗っていましたから(笑)。息子が大きくなって助手席にも座れるようになったので、今は(マッスルカーの)プリムスクーダ440シックスパックに乗っています。

クライスラー車の“ワルの匂い”に憧れ

──アメ車にハマったきっかけは?

「トレーニング デイ」という映画に1980年製くらいのシボレーのモンテカルロという車が出てきたんです。よく映画とかで、カスタムして車体が跳ねるように持ち上がるアメ車が出てくるじゃないですか。そのベースになる車を「トレーニング デイ」で見て、やべーかっこいい!と思ったのが一番最初かも知れないです。

中尾明慶

中尾明慶

──なるほど。ちなみに、あれってなんのために跳ねてるんですか?

単に「俺を見て!」というアピールですね。僕はやらないんですけど(笑)。18歳になったときすぐ免許を取ってフォルクスワーゲンの中古車を買って、でもぶつけまくってボロボロになったので、憧れていたアメ車に換えました。アメ車って基本的に無駄が多いんですよ(笑)。アメリカは直線道路が多いからか、曲がることを考えていない作りで、小回りも利かないし。(日本だと)日本車のほうが圧倒的に乗りやすい。でもアメ車でないと見た目のあの雰囲気は出せないですし、ストレートで勝負するときのトルク感(※編集部注:エンジンの駆動力)というか、信号待ちで赤が青に変わったときにアクセル踏み込む感じを味わえる。もう信号がレースのシグナルに見えちゃうんですよね。別にスピードを出すわけではないので、気分だけですけど(笑)。

──それは日本車では味わえない感覚ですか?

いや、味わえると思いますよ(笑)。ブライアンも日産のGT-Rに乗っていますし。でも……今日僕が乗ってきた車の排気量は7200ccあるんです。(1970年代)当時一番大きいエンジンで、パワーをダイレクトに感じられるんです。7200ccってたぶん国産車ではないんじゃないかな。

「ワイルド・スピード MAX」より、ダッジチャージャーに乗るドミニク(ヴィン・ディーゼル)。

「ワイルド・スピード MAX」より、ダッジチャージャーに乗るドミニク(ヴィン・ディーゼル)。

──さっきエンジンをかけられたときも、猛獣みたいな音がしていました(笑)。

プリムスクーダも、ドムがよく乗っているダッジチャージャーも、どちらもクライスラー製なんですけど、クライスラーの車ってちょっとワルいんですよ(笑)。映画だとヒールが乗る車に採用されやすい。どっちかと言うと主人公はシボレーとかフォードが多い。ちょっと言い方が悪いですけど、当時のクライスラーは裕福な人たちが乗る車とは反対のイメージがあって、余計にワルい匂いがするんです。僕は昔からちょっとだけワルに憧れがあって、乗り物も「ワルい=かっこいい」と思っちゃう。そういう部分であの車を選んだんでしょうね。

──見た目もいかにもドムが乗ってそうですね。

ぴったりですよね。ドムが乗っているチャージャーもめちゃくちゃ欲しいですけど、「ワイスピ」のせいで値段が爆上がりしたんです! 本気でドムを恨んでいますよ(笑)。「ワイスピ」はそれぐらいアメ車業界にも影響を与えている。僕もいつかチャージャーを買いたいです。

愛車のプリムスクーダ440シックスパックに乗って来た中尾明慶。

愛車のプリムスクーダ440シックスパックに乗って来た中尾明慶。

──「ワイスピ」にはドムがマッスルカー、ブライアンは日本車好きという基本設定がありますが、車好きから見ても納得がいく描写になっていますか?

そうですね。ドムやブライアンだけでなく……例えば僕の息子が一番好きなハンが乗っているのはマツダのRX-7なんですけど、彼みたいなタイプのお兄さんが選ぶ車としてピッタリだなと思いました。僕の好みはアメ車ですけど、国産系が好きな人、ヨーロッパ系が好きな人も全部カバーするように車が登場しています。それにめちゃくちゃ製作費があるんでしょうね、シリーズが進むに連れて、もういくらでも車を用意してくる(笑)。だからどこにどんな車が出てくるのか一瞬も見逃せないし、あとからまた観直さないといけない。「ワイスピ」観ていると忙しいんですよ。家だとスマホ片手に車種をチェックして、中古車サイトを見ては「こんな値段するんだ!」と頭を抱えるという負のルーチンをずっとやっています(笑)。「ワイスピ」はアクション映画としても面白いんですけど、さらに車好きだとポップコーンが全然進まない!