1988年に「スーパードクターK」がスタートして以来、「Doctor K」「K2」と36年以上にわたって、神技のメスを持つ男・Kの活躍を描いてきた真船。原画展では、そんな同シリーズの生原稿やカラー生原画が約150点が1枚ずつ丁寧に額装され披露された。まずは真船の描き下ろしイラストが来場者を出迎える。続いて真船の40年におよぶ画業を振り返る「漫画家40周年 真船一雄の歩み」と題した年表とともに、真船が実際に執筆に使用しているというシャープペンシル、ペン先、消しゴム、カッター、墨汁などの画材を展示。さらにファンレターの返信用にプリントされたイラストの原画など、貴重な原画を見ることもできる。
全シリーズの単行本カバーを一挙に集めたパネルや、「K一族の系譜」と題した巨大な家系図の展示の前を通り抜けると、1作目「スーパードクターK」の原画展示がスタートする。30年以上前に描かれたことを感じさせない鮮やかなマンガ原稿の数々が、所狭しと飾られた。雑誌や単行本の表紙を飾ったカラー原画の中には、同じくマンガ家である妻・伊藤実が、真船に代わって着彩したという特別な作品も披露されている。一体どのカラー原画なのか、来場者は実際に足を運んで想像してみては。
続いて「Doctor K」の展示に突入。連載が進むにつれ、より洗練されていく真船の作画の進化を感じることができる。また真船が保管していたという、ファイリングされた連載誌・週刊少年マガジン(講談社)の刷り出しも特別に用意され、目の前に広がる原画が実際に誌面に掲載されていると再認識することも。そして現在コミックDAYSで連載中の「K2」のコーナーへ。40年間、アナログで描き続けてきたからこそ体感できる、生の原画の迫力が来場者を魅了する。その一方で、入稿作業がデジタル化され、写植が原稿に直接貼られなくなっていく経緯や、廃盤によって長年使っていた画材を変えなければいけないといった、アナログで描き続ける作家を悩ませる時代の変化も感じさせた。
会場の最後には、原画展のための描き下ろしイラストのほぼ等身大パネルが登場。さらに来場者が真船へのメッセージを贈れるメッセージボードも用意されており、この日の内覧会で会場を訪れていた真船の直筆イラストとサインを見ることもできる。展示を観た真船は「恥ずかしいというか……(笑)。ちゃんと喜んでいただけるのか不安だけがあります」と恐縮した様子。また特に思い入れのある原画について、「Doctor K」の最終話に触れ、「Kを描くのはこれで終わりだと思って描いたので、別格の思い入れがありますね。この絵を模した扉絵を『K2』で描いたとき、『20年近く経ってまた描いてるんだ』と、すごい不思議な気持ちになりました」と思いを明かした。
真船一雄の初原画展「Kの系譜」約150点のアナログ原画で40年の画業を振り返る
真船一雄 漫画家40周年記念 スーパードクターKシリーズ原画展 Kの系譜
期間:2024年12月5日(木)~12月26日(木)
時間:11:00~21:00 ※12月5日(木)のみ15:00~21:00、最終入場は閉場の30分前まで。
会場:東京都 西武渋谷店モヴィーダ館6階
関連記事
真船一雄のほかの記事
関連商品
geek@akibablog @akibablog
真船一雄の初原画展「Kの系譜」開幕、40年の歴史を圧巻のアナログ原画で振り返る
https://t.co/4eBQnvDggF