昨日11月17日に公開された「コーポ・ア・コーポ」は、大阪の安アパート・コーポに暮らす、年齢も性別も職業もバラバラのワケありな住人たちとその周囲の人々を描く物語。昨日は物語の舞台となる大阪で舞台挨拶が行われ、仁同監督は「いろいろと温かく大阪の人にも迎えられてよかったです」と思いを述べた。
昨年10月に行われた撮影を振り返り、馬場は「もうはるか昔のような気持ち」と言いつつ、当時を思い起こす。「衣装合わせの段階から、原作から飛び出てきたようなお洋服を揃えていただきましたので、衣装から役柄に近付くことができましたね。気分転換に派手な髪型にすることはありますが、シンプルな金髪は初めて。新鮮でした」と語る。
自身が演じた高橋を「この作品のアイドルだと思っていた」と語る北村は「そこだけはどうにか崩さないように、丁寧に人柄を作ったり、仕草を工夫したりしました。でも自分自身とはかけ離れているので……」とコメント。仁同監督が「現場でもそういうこと言っていました。『本当はこういう人間じゃないですよ』って」と明かすと、北村は恥ずかしそうにしながら「でも高橋ちゃんを演じられて楽しかったです。コーポの住人とはまた違った空気感のキャラクターなので」と述べた。
МCから、撮影にあたってキャストにアドバイスしたことはあったのかと問われた仁同監督は、事前の打ち合わせはしたもののユリの演技に関してはすべて馬場に任せていたと説明。金髪と同じく自身初の関西弁での演技に、馬場は「いや……難しかったですね。関西弁は意外とたくさん聞いてるはずなのに、いざ口に出すと思ったのと違うイントネーションだったり、発音の仕方もちょっと違うなと思いました」と苦労を明かす。また馬場は、キャストでもある芦那すみれから関西弁のレクチャーを受けている様子を撮影し、その映像を繰り返し見て練習していたことも語った。
大阪出身の仁同監督は「馬場さんは耳がいいんですよ。僕が口にしたセリフのイントネーションをすぐ覚える」と馬場を称賛。「ユリって主役ですけど、それほどセリフは多くなくて、ほかの人が話しているのを聞いていることが多い。でもどう聞くかってすごく大事なんですよ。どう聞いてどう反応するかでお芝居が変わってくるんです。馬場さんはちゃんとそこをなさってたんで素晴らしいなと思いました」とコメントした。
劇中に登場するさまざまなキャラクターの中から、お気に入りの人物を挙げていく3人。北村はブルゾンちえみとして活動していた藤原しおり演じる恵美子を挙げ、「ブルゾンさんが演じているのも最初は気がつかなくて。あと原作を読んでる方は分かると思うんですけど、わかばとマイセンを交換するようになったエピソードもいいですよね」と語る。仁同監督から「本読みをやってたら馬場さんがずっと笑っちゃうんですよ。ツボにはまって1人で笑ってる」と暴露された馬場は「お寿司頼んでお湯を持ってくるシーン……(笑)。毎回笑っちゃう」と現場を思い出していた。
馬場は「(作中に登場する)猫が好きなんですけど、あのにゃんこ名前がたつみっていうんですよ。ユリの名字が辰巳だし、運命を感じました。本番だけタイミング良く、ちゃんと鳴くんですよ!」と猫のたつみを絶賛。仁同監督は「僕は石田ですかね。大阪で生まれて、親父が鉄工所をやってたんで、なんか石田のあの感じがわかるんですよね。その日暮らしの生き方を含めて。倉(悠貴)くんがすごく良かったですね」と語る。
映画を通じて感じたことを問われた馬場は「脚本を読んで、いいことも悪いことも日々あるけど、今生きてることが大事だなと感じました。今日も生きているから、明日も生きていく!ってくらいでいいし、生きる意味とかそういったものを考えすぎる必要もないんだ、と思いました」とコメント。最後に馬場は「この映画はスクリーンから感じるものがある作品だと思います。このゆっくり流れる不思議な時間を劇場で感じていただけたら。この映画がたくさんの方に広がっていくとうれしいです」と述べ、イベントを締めくくった。
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t_nishiyama @t_nishiyama
【イベントレポート】実写「#コーポ・ア・コーポ」辰巳ユリ演じた馬場ふみかが“運命を感じた”キャストを明かす https://t.co/6nZzq1ZoMv
映画化ですと・マジか
やるせない昭和感なんてたけしさんくらいしかもう表現できないっしょ