稽古自体がハンター試験並みのしんどさ？舞台「HUNTER×HUNTER」が本日開幕

冨樫義博原作による舞台「『HUNTER×HUNTER』THE STAGE」の公開ゲネプロが、本日5月12日に東京・銀河劇場で開催された。

「HUNTER×HUNTER」は、父と同じハンターを目指すべく過酷な試練に立ち向かう主人公・ゴンと、その仲間となるキルア、クラピカ、レオリオらを描く物語。今回の舞台では、ゴンがキルア、クラピカ、レオリオに出会い、ハンターになるための過酷な試験に立ち向かう「ハンター試験編」と、イルミによって家に連れ戻されたキルアをゴンたちが助けに行く「ゾルディック家編」が描かれる。

ゴン役は大友至恩、キルア役は阿久津仁愛、クラピカ役は小越勇輝、レオリオ役は近藤頌利、イルミ役は上田堪大、ヒソカ役は丘山晴己が担当。ゲネプロ前に行われたフォトセッションにはメインキャスト6人と、演出を担当した山崎彬が登壇した。記者陣から「元気で仲いい感じで！」「キャラっぽくお願いします」「カッコよく！」などの注文を受け、笑顔で応じるキャスト陣。撮影は大友を中心に仲睦まじそうな様子で行われた。

またフォトセッション後は初日会見へと移行。初日公演を迎えた感想を聞かれた大友は「安全に千秋楽まで迎えられるよう、皆さんに楽しくお届けできればと思います」と語り、阿久津は「お客さんに観ていただくことで、どんな化学反応が生まれるか楽しみです」と話す。またこうした囲み取材はいつぶりだろうと話す上田は「キャスト、スタッフともに一丸となって作り上げてきたものを、皆さんとともに冒険していきたいなと思っています」と述懐。「HUNTER×HUNTER」を連載第1回から読んでいたという山崎は「当時ワクワクした気持ちを、ゴンと一緒に冒険に出るような感じで観ていただければと」と感慨深く語った。

今回オーディションで選抜された15歳の大友について、山崎は「オーディションのときから『目がゴンだな』と思っていました」と述べる。「舞台経験が少ない中でもゴンのように立ち向かってくれましたし、キャストたちが普段からゴンでいられるようにと盛り上げていった部分も印象深かったです」と明かす。また稽古中に丘山からアドバイスをもらったという大友は「教えていただく中で、自分が悩んでいることに対して別の方法で違うものに変えることができるというのを意識することができました」と述懐。それに対して丘山も「至恩くんのピュアなエネルギーに気づかせてもらうこともあって。ゴン、キルア、クラピカ、レオリオの4人が稽古場でずっと一緒にいるのが見えて、それぞれキャラクタ－が現実生活に出てくるのは素敵だなと思いました」と語った。

阿久津は大友について「瞳が本当にきれいで。奥底から素直な気持ちを表したお芝居を提示してくれるので、キルアとしても熱い気持ちになりました」とコメント。小越は劇中でもよく動く大友に対して「『疲れていない？大丈夫？』と聞いたのですが、『え、何がですか？全然！』という感じで。そういうけろっとしているところにゴンらしさを感じました」と話す。そして改めてタイトなスケジュールで行われた稽古を「稽古自体がハンター試験だったね」「こんなにしんどいとは思っていなかったですね」と各々振り返った。

またメインキャストの中でも、1人3役を担当していたという上田。「イルミだけで見る世界と、それ以外のキャラクターとでは別の見方ができたのでラッキーでした。みんなの空気感から、仲がいいんだなというのが伝わって、作品にも繋がっていって。お客さんにもそれは伝わるんじゃないかなと思います」と述べた。

ゲネプロを迎えるにあたって山崎は「舞台で原作を再現するための工程について、妄想の中ではできているけどそれを実現するためにはどうするか。それについてスタッフ、キャストともにディスカッションする場があったのはよかったし楽しかったです」と振り返る。小越も「限られた稽古の中で、原作の幅を超えて面白くするにはどうしたらいいか。同じ志を持っている役者の皆さんとともに、想像をふくらませるという過程がすごく楽しかったです」と語った。

会見ののちゲネプロが開幕。第1幕はハンターになることを夢見るゴンとカイトとの出会い、ミトとの別れのシーン、ハンター試験会場へと向かう船での出来事などを経て「ハンター試験編」が始まる。キャラクターさながらのビジュアルに扮したキャスト陣が、くるくると回る舞台装置や巧みな照明、臨場感あふれる音楽に合わせ抜群の演技力で作中のシーンを表現。一次試験から四次試験までの出来事が収められ、第2幕の「ゾルディック家編」へと続くと、ゾルディック家の家族紹介や「試しの門」へ挑むゴンたち、キルアと父であるとシルバの対話のシーンなどが展開され閉幕した。