「Gレコ」第2部、富野由悠季が「うまくいった!」と一晩中泣いたシーン明かす

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劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の上映記念舞台挨拶が、本日2月22日に東京・新宿ピカデリーにて開催された。

舞台挨拶の様子。左から小山剛志、高垣彩陽、佐藤拓也、中原麻衣、姫野惠二、富野由悠季総監督。

舞台挨拶の様子。左から小山剛志、高垣彩陽、佐藤拓也、中原麻衣、姫野惠二、富野由悠季総監督。

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劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」キービジュアル

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舞台挨拶には富野由悠季総監督、マスク役の佐藤拓也、マニィ・アンバサダ役の高垣彩陽、バララ・ペオール役の中原麻衣、デレンセン・サマター役の小山剛志、ベッカー・シャダム役の姫野惠二が登壇。キャスト陣が順番に挨拶していく中、姫野の番が回ってきた際に富野総監督が「今回の主役です」と紹介するシーンも。そんな富野総監督は本作のテーマソング「G」を歌うDREAMS COME TRUE を話題に挙げ「ドリカムには絶対負けちゃいけないぞという気持ちで、かなりプレッシャーがあります」と挨拶する。富野総監督が手がけた「∀ガンダム」がアニメデビュー作だった小山は「今、僕は52歳なので、いろんなことをやらせていただいてきて、そんなに緊張とかすることも無かったんですが、今日は久しぶりに緊張しますね(笑)。やっぱり生みの親の前ですし」とコメントした。

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の場面カット。

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劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の場面カット。

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2014年にTV放送されたアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」全26話に新作カットを追加し、映像を再編集した全5部作の劇場版アニメとして上映する劇場版『Gのレコンギスタ II』。劇場版の上映について佐藤は「最初に劇場版の収録にあたり、自分でもTV版のBlu-rayを観直したりしたんですが、時を経るごとに味わいが増す作品だなと、送り出す側としても演じ手としても、第2部を収録していて改めて感じさせられる作品だなと思いましたね」と述べる。姫野は「舞台挨拶には、これを着ていけ!」と富野総監督の大ファンである友人から、ベッカーの顔と名台詞をプリントしたTシャツを渡されたというエピソードを披露。また姫野は「僕自身はベッカーのようなヤバい奴じゃないんです。TV版の第10話を収録したときに、こういうキャラクターだとわかったんです」と語り、「あの時は『進撃の巨人』の荒木哲郎監督がいらして演出されたんですが、演じていると『全然足りない。もっとおかしい奴になってくれ』と言われまして。その結果、現在に至っていると。そういう感じなんです」とアフレコの裏話を明かした。

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の予告場面カット。

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また劇中で描かれたモビルスーツから降りてきたバララの足を、マスクがさりげなく押し出すシーンについて高垣が「第1部では学生だったマニィが、第2部ではみんなを追いかけてアーミィに入って、そこで会ったマスクが海に向かって叫んでいる姿を見るんですよね。それだけですべてを受けて止めて理解して『この人の向かう目標に寄り添って行こう』と、あのわずかな時間で察しているんです。だから、あの足を押し出すやり取りだけで2人の関係も察していますよね。それから、マスクが生身でエフラグに飛び移るシーンでは、『こんなにバララって叫んでいたんだ』と思ってちょっとイラっとしました。命が危険なときはマニィを呼んでくれないんだって」と語る。これに対し中原が「こっちからすると、いい感じでやっていたのに『勝手に入ってきて、え? 何?』というところはあるわけですよ。バララとマスクは大人な関係なわけです。ビジネスパートナーであり、べたべたはしないけど、『マスクは私のでしょ?』という気持ちがあるのに、急に来て勝手にいい感じになって……」と続けると、佐藤から「もうやめて。痴話ゲンカだから」とのツッコミが入り、会場からは笑いが起こった。

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の予告場面カット。

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富野総監督は同シーンについて「今、説明されたことを出るようにするために、それこそどれだけ考えたかということですね。それで、バララの足を受け止めるカットができたときには、『うまくいった!』って一晩中泣いていたくらいでした。人間関係をワンアクションだけで描けるということをやれたのは、50年近くやってきて初めてですからね。あのシーンには身震いもしたし、それこそエクスタシーを感じましたね」と自信あり気に解説。さらに「バララというキャラクターは、『Gレコ』の中に出ている中で、一番いい女なんです。それは、これから描かれる第4部から第5部にかけてのバララの行動性を見ているとわかるはずです」と続けた。

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」の予告場面カット。

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このほかテーマソング「G」が流れるエンドロールの映像で兼用の絵が使われていることについて富野総監督は「吉田美和さんのボーカルに負けないようにエンディングロールを作らなければならないという状況ながら、とにかく制作時間がないわけです。そのため、こういう形になりましたという言い方もできます。逆に言うと、兼用の絵しか使えないからこそ、こういう仕上がりにできて、おそらく時間があって『Gレコ』のキャラクターを使って新しい映像をつけていたら、絶対に負けていましたね」と説明する。そして富野総監督は「歌詞を見てもらうとわかるんですが、吉田美和という天才的な作詞家の詩は大変なものだと思っています。『Gレコ』のことをものすごくよく知っていて、ものすごくよく調べて書いている。単なる請負仕事ではないんですよ。ここまで読んでいてくれる第三者がいるときに、馴れ仕事で新作カットをつけたら滅茶苦茶に負けた気がするので、こういうふうに仕上げられてよかったなって思っています」と吉田を称賛し、「ようやく2本目が終わりましたということで、あと3本ありますし、これ以後の宿題として、DREAMS COME TRUEに負けないように、底上げしたものを作品にできたらいいと思っていますし、おそらく今思っている予定で行けば、吉田美和さんには怒られない第5部まではいけるのではないかといううぬぼれもあります」とメッセージを送った。

劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」は、昨日2月21日より2週間限定で上映されている。

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