イベントには萩尾望都と、元宝塚歌劇団花組トップ娘役の
ぐるりと展示を見て回った萩尾は、「イントロダクションからカーテンに、浮き上がるように映像が出てきて、あっという間に世界観に引き込まれました。原画も、暗い色の壁に飾ってあるので、浮き上がっているようでとても印象深い。自分の作品なのに、ちょっとドキドキしながら一周してまいりました。宝塚の衣装も飾ってあるので、皆さんにも楽しんでいただけたらうれしいです」と挨拶。仙名も「いろいろと思い出してしまい、足を踏み入れた瞬間に泣きそうになりました。駆け足で拝見しましたので、もう一度うかがって、ゆっくり見て回りたいと思います」と話した。
また萩尾は、50年分の絵を見た感想を「昔の絵は頭がでかいとか、そういった自己批判ばっかり(笑)。だけどまあ、それなりに一生懸命描いてきたんだなっていう感じです」と述懐。「それとやっぱり、昔の絵のほうが線の勢いがありました。線も太いし……それがだんだん落ち着いてきて、いまはちょっとわびさびの境地。困ったなって思うんだけど、これが寄る年波というものだから、このまま描いていこうと思います」と分析する。50周年を迎えた心境については「毎月毎年、〆切に追われていたら50年経ちましたって感じで、『50年だよ』って言われて『私そんなに年をとったの?』って」と笑顔。続けて、「まだまだ描きたいものがあるので、もう少しがんばっていきたいと思います」と意気込んだ。
「ポーの一族」の魅力を聞かれた仙名は、「キャラクターの1人ひとりがとても生き生きしているところ。どの人を主役にしても物語を描けるのではないかというくらい、1人ひとりのバックグラウンドがとても濃いですよね」とコメント。萩尾は「『ポーの一族』はあまり苦労せず、次々と話が生まれていくので、『吸血鬼……いい題材を見つけたな』って自分で思います」と笑い、「ずいぶん若い頃に作ったキャラクターなんですけど、本当にあの2人はよく動いてくれる。連載が再開してからも、ちょっと耳を傾けると、エドガーとアランでおしゃべりをしている声が聞こえるんです。その声を汲み取って、これからも描いていきたいと思います」と語ってイベントを締めくくった。
本展では「ポーの一族」シリーズの原画、予告カットなど300点以上を展示するほか、スケッチブックや執筆風景を公開。「宝塚歌劇の世界」のコーナーでは、2018年の花組公演「ポーの一族」から衣装や小道具を展示している。
デビュー50周年記念「萩尾望都 ポーの一族展」
会期:2019年7月25日(木)~8月6日(火)
時間:10:00~20:00(最終入場19:30) ※7月26日(金)は20:30閉場、7月28日(日)・8月4日(日)は19:30閉場、最終日は17:00閉場
会場:東京都 松屋銀座8階イベントスクエア
料金:前売一般700円、高校生500円、中学生400円、小学生300円/当日一般1000円、高校生700円、中学生500円、小学生300円
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