これはそれぞれスティーブ・ジョブズを題材にしたマンガを連載中の作家たちが、ジョブズに対する思いや制作のエピソードなどを語るイベント。ヤマザキマリはハツキス(講談社)にて「スティーブ・ジョブズ」を、うめは松永肇一の小説を原作とした「スティーブズ」をビッグコミックスペリオール(小学館)にてそれぞれ連載している。
イベントではまず始めに、それぞれがジョブズのマンガを描くことになったきっかけが語られた。担当編集者から「変な外国人を描けるのはヤマザキさんしかいないと思います」とオファーを受けたというヤマザキは、当時は仕事が忙しかったため、なかなか依頼を引き受けることができなかったと振り返る。しかし大のジョブズファンだという息子の熱のこもった勧めにより、次第に自身にも描いてみたいという興味が湧き連載を決意したという。一方のうめは原作の松永による小説を読み、「いつか自分たちで(マンガを)描きたいと思っていた」ことを明かす。ネットでマンガを公開したことをきっかけに、その後雑誌での連載が始まるまでのエピソードが披露された。
ウォルター・アイザックソンの小説を原作にマンガを描いているヤマザキは、その資料の多さから未だに大変なことばかりだと苦労を吐露。「アイザックソンの小説の中に書かれた、たった一言のための資料を探すのに丸2日かかったりとか……」とヤマザキがこぼすと、すかさず妹尾は「すっごくわかります」と共感する。中途半端な描き方はできないため、お互い念入りに資料を探しながら作画に至っているという。
また小沢は「原作の松永さんの小説にはタイムマシーンは出てくるし、ゾンビは出てくるし、自由な展開がいっぱいある。そこから史実パートを抜いてマンガにしている」と話すが、実はそういったシーンも描きたい思いがあることを告白。フィクションとして「スティーブズ」を描いていることから「いつかジョブズとゾンビが戦う展開になっていくかもしれない」と冗談交じりに話すと、妹尾も「ゾンビは出そうと思ってる。もちろん整合性はつけますよ?」と乗っかり会場の笑いを誘った。
登場人物に対しての思いや、描く上での苦労、裏話などがたっぷり語られたイベント。最後にヤマザキは「自分1人がいろんなことに悩んでるんじゃないってわかってよかった。自分が大変なときはきっと彼らも大変なんだろうな、と自分を励まして描いていきたい」とコメントした。また小沢も2作品をあわせて読むことをオススメしながら、「並んで売っていただくのが一番うれしいので、書店の皆さんぜひよろしくお願いします」とアピールし、イベントは幕を閉じた。
なお本日のトークイベントの映像が近日ネットにて配信される。詳細は後日発表されるので、制作の裏話が気になる人は見逃さないようチェックしておこう。
関連する特集・インタビュー
ヤマザキマリのほかの記事
関連商品
リンク
- マンガサロン『トリガー』
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
イスラエルエリカちゃん @syuu1228
嫌なオファーだ…w “変な外国人を描けるのはヤマザキさんしかいない” http://t.co/88zZeDt0k6