弱ペダ舞台、東京で開幕「最も泥臭い試合に」

渡辺航原作による舞台「『弱虫ペダル』箱根学園篇～野獣覚醒～」が、東京・六本木ブルーシアターにて本日10月30日に開幕した。

好評のうちに終わった大阪公演を経て迎えた東京での初日は、昼すぎから会場にグッズを求めるファンが列をなす盛況ぶり。初演前に関係者に向けたゲネプロと囲み取材も行われ、荒北靖友役の鈴木拡樹、福富寿一役の滝川英治、黒田雪成役の秋元龍太朗、鳴子章吉役の鳥越裕貴が登場した。

意気込みを問われると、滝川は「心も体もボロボロに果てるくらい決意と覚悟を持って挑んでいきたいと思っています。最高のSOSをお約束します」と謎の回答。全員が固まっていると「（SOSとは）すんごい面白いステージのこと」だと解説し、「僕らもわかんなかったですよ！」と総ツッコミを受けていた。また稽古場の雰囲気について、鈴木は「回を重ねるごとに、みんなロード（バイク）に乗って現場入りするんです」と明かし、鳥越も「僕も（ロードバイクを）買っちゃいました。みんな『弱ペダ』が本当に大好きなんです」と重ねる。

初参戦となる秋元は、「僕はずっとサッカーをやっていたんですけど、100倍くらい稽古がキツくて。最初は肺にきました」と、汗だく必至のレースシーンを演じる過酷さを吐露。しかしこれに滝川が「若いからええよな、俺なんて3日後くらいに筋肉痛が来るからね」と被せ、鳥越に「あんたいつも筋トレしとるやないですか！がんばってくださいよ、おじさん」とエールを送られると、「おう、がんばるわ」と漫才さながらの息の合った掛け合いを見せ報道陣の笑いを誘った。

最後に、総北メンバーとしては数少ない出演者となる鳥越が「総北、京伏もがんばってるので、ハコガクだけじゃなくそこも見ていただきたい。熱量が伝わればな、と思います」とアピール。座長を務める鈴木は、「荒北という男がロードレースと出会い、大きく成長していく物語です。後ろを向いていた男が前を向く瞬間のカッコよさを見てほしい」「歴代で最も泥臭い試合をしてやろうと思っています」と意気込んでいた。

「弱虫ペダル」の舞台版5作目となる「箱根学園篇～野獣覚醒～」では、“野獣”と呼ばれる箱根学園の荒北靖友を中心としたストーリーを展開。ハンドルだけでロードレースを表現するお馴染みの演出によって、ヤンキーだった荒北が福富と出会い、ロードバイクを通じて成長していく姿を描いていく。メインキャストが複数の脇役を演じる独特の演出や、コミカルなアドリブももちろん健在だ。金城真護役の郷本直也は、「ゲネプロだからって関係ないですよ！」と公開稽古中も叫び、本番さながらの気合いを見せた。

チケットはすでに完売しているが、11月3日の千秋楽公演はライブビューイング上映も行われる。また本公演のDVDは、2015年1月21日にリリースされる。